Fri 120828 いやはや、コワくて予習もできない 景気のいい話 富山で講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 120828 いやはや、コワくて予習もできない 景気のいい話 富山で講演会

 9月19日、昼過ぎまで金沢のホテルでダラダラ過ごして、13時チョイの特急サンダーバードで富山に向かった。
 そりゃ「午前中の時間を大切につかわなきゃ」「生徒たちに模範を示さなきゃ」には違いないが、中国が心配でとても「午前を大切に」どころの心境ではない。デモも漁船団もコワいが、国防相の「さらなる行動をとる権利を有する」という威嚇と恫喝と挑発が、あまりにもオソロシイ。
 大漁船団1000艘が押し寄せて、掘建て小屋でも何でも建ててしまえば、なし崩しの実効支配になっちゃうに決まっている。南シナ海でフィリピンやベトナム相手にやってるのとソックリなやり方で、いつの間にか陣取り合戦に勝利。あとはオッカナイ顔の報道官が登場して、「何の問題もない」と突っぱねる。
富山1
(9月19日、富山で講演会 1)

 意気地なしのクマどんは、午前中ずっとテレビにかじりついてブルブル震えていた。ホントは授業収録の準備をしなきゃいけない。9月から10月にかけて、明治大学の過去問演習講座の収録3本が控えている。今井君の担当は文学部だが、どうすれば明治の受験生に最も分かりやすく解説できるか、時間をかけてタップリ研究する必要がある。
 明治大学の問題は、標準的な良問ぞろい。異様に長大で難解な読解問題もないし、文法語法でも会話体問題でも、基本的基礎的であって、今井君が自分で解くのには全く困難を感じない。ホンキの東大受験生とか、早稲田慶応にラクラク合格できるような優秀な受験生たちが相手なら、別に解説に苦労することもないだろう。
富山2
(9月19日、富山で講演会 2)

 しかし諸君、過去問演習講座を収録する時、今井君がイメージする受講生像は、「ボーダーラインぎりぎり」または「このままではボーダーに届かない」と焦りまくっている受験生である。「明治のボーダーぎりぎり、今のままではアブナイ」。そういう彼ら彼女らをしっかりイメージ出来なければ、木で鼻をくくったような無機質の解説に終始することになる。
 自分で鮮やかに解いてみせて、「ほら、ボクはこんなにスゴいんだ」「尊敬しなさい」「私は神です。天才です。立教や明治や法政の問題なんか、朝飯前です」と大見得を切ったって、受験生にとっては1円の特にもならない。
 この秋のうちに明治大文学部3年分の解説を完了させる予定。ホントなら今日の午前あたり、受講生の学力をしっかりイメージして、解説を組み立てるのに絶好の機会だった。でも、「宣戦布告だ」「皆殺しだ」「焼き払え」みたいな、前近代的に粗暴なコトバが隣国に乱舞している状況では、テレビをつけっぱなしにして震えているしかないじゃないか。
富山3
(9月19日、富山で講演会 3)

 金沢から富山は特急で40分しかかからない。途中、高岡に停車する。疾走する電車の進行右側に、北陸新幹線の高架が延々と続き、富山駅は今まさに新幹線ホームの工事が進行中である。
 全国的に地価の低下が続く中、高岡市の市街地では地価上昇地点が出ているという。景気のいい話で、たいへんお目出度い。4年前に訪れた高岡は「ホテルが撤退した」「ショッピングセンターも撤退」「予備校も撤退」と、不景気な撤退話ばっかりだった。やっぱり新幹線は素晴らしいでござるね。
白エビとぶり
(富山湾の幸、白海老にブリ。どんどん食べましょう、どんどん)

 クマ蔵はいつだってイケイケ♨ドンドンが大好きだから、緊縮とか縮減とか、中止や延期は大キライ。新幹線でも高速道路でもどんどん作って、ちょっとぐらい贅沢して、東京オリンピックもバンバン応援して、みんなでもっと元気に盛り上がったほうがいい。
 不景気な顔で「贅沢はヤメましょう」「2位でも3位でもいいじゃないですか」と縮こまっていると、だいたい碌なことはない。安くて旨いものを食べて、飲みたいものを飲んで、酔ったら歌って、歌ったら踊って、疲れたら威勢よくイビキをかいて眠ろうじゃないか。
 朝になったらどんどん仕事をして、バンバン稼いで、税金をタップリ払って、ついでだから地球一周の旅をして、神戸でもブエノスアイレスでも肉を食らいまくって、金沢では寿司を食べまくって、また酔って歌って踊って眠って働いて、そういう繰り返しで幸せになるなら、素晴らしい。どんどん行きましょう、どんどん。
氷見牛
(氷見牛、おいしゅうございました)

 前回の富山訪問は2011年3月11日。東日本大震災の当日であった。金沢のホテルにチェックインして、すぐに大震災のニュースを知り、仙台平野を襲う大津波の映像に呆然と立ちすくんだ。名取川を海水が遡り、濁流はたやすく堤防を越えて、田と畑と人家を飲み込んだ。
 あれから1年半、再び元気に富山で公開授業が出来る。これはマコトに幸せなことである。富山城前のANAホテルにチェックインして、あの3月のことを思いめぐらした。当時のブログを読み返してみると、震災から1週間で仙台に入ったクマ蔵がどれほど意気阻喪していたかがよく分かる。
富山4
(授業ができる幸せを実感)

 富山での講演会、9月19日19時半開始、21時終了、出席者120名。いやはや、みんなよく笑ってくれた。参加した保護者のカタなんか、机に顔を打ちつけんばかりに爆笑していらっしゃったし、子供をクルマで迎えに来たついでに途中から講演に参加したママも、たいへん嬉しそうに笑い転げてくださった。
 保護者ですらそんな大爆笑なんだから、生徒の盛り上がりはもちろんである。今井君が地球をグルっと1周して日本に帰還してから、今日はまだ6日目。それでもブランクを全く感じさせないのが、イケイケ♨ドンドンな今井クマ蔵のスゴさである。
 この4日連続した講演会の中でも、19日の富山の出来映えは最高のものだった。話の順番をちょっとアレンジして変えてみたのも超大成功の要因。そりゃ、爆笑のボリュームは600人とか1100人の大講演会ほどではなかったが、1人1人の満足度は強烈なものだったと確信する。
ほたるいか
(富山名物、ホタルイカの沖漬け)

 終了後、会場近くのキレイな居酒屋「月読」にて祝勝会。今井君を含むオジサマ3名と、今井君のモト生徒で現在大学3年の担任助手女子1名で、2時間ほど穏やかに歓談した。
 しっとり和やかな(Mac君の変換は「名古屋かな」だが)雰囲気の祝勝会も、決して悪いものではない。1年半前、大震災の夜は大急ぎで金沢に戻ったから、もちろん祝勝会どころではなかった。今こうしてゆったりサカズキを傾けながら、自分たちの幸福をシミジミ噛みしめる、素晴らしい一夜になった。

1E(Cd) Hilary Hahn:BACH/PARTITAS Nos.2&3 SONATA No.3
2E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 1/2
3E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 2/2
4E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
5E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 2/2
total m140 y1410 d9305