2012年09月11日(火)

Tue 120818 ドイツの不思議 出腹日記 ザワークラウトの恐怖(ミュンヘン滞在記10)

テーマ:ブログ
 ドイツを旅していて慨嘆するのは、「人間とは、何と太りやすい動物なんだ」という一事である。油断もスキもない。中年グマの腹はあっという間に突き出してきて、さっきまで余裕で入っていたズンボがキツくなり、ギュッと踏ん張って腹に力を入れないと、ベルトがうまく締まらない。
 写真は、ミュンヘン滞在4日目の5月21日、ザルツブルグに小旅行した帰りの電車での自分撮りである。題して「油断した中年男の3段腹」。ホントに3段になっているかどうか、真偽のほどは実地検分して確認してみなければ不明であるが、ミュンヘンに旅立つ前日より、すでにベルト穴が1個広がっていたことは確かである。
油断
(油断した男の3段腹を自分撮りする)

 このブログを初めて以来、今井君は自分撮りが異様にうまくなった。他人をモデルに写真を撮影するのはあまり上手ではないが、自分撮りならばそうカンタンに負けることはない。
 自分を右隅2/3ぐらいの所に設定して背景を決め、1秒もかからぬハヤワザでシャッターを切る。するとあら不思議、写真の中の今井君は、道ゆく人に頼んで撮ってもらった以上に、楽しそうにニカニカ笑っているのである。
ホットドック君
(メイクに夢中のホットドッグ君 at ザルツブルグ)

 しかし諸君、この出腹はいけませんな。大昔、チェ・ゲバラの日記「ゲバラ日記」がベストセラーになった時、中年男たちは自分の腹を指さしながら「オレも日記を書こうかな、題して『出腹日記』でどうだ?」とダジャレに興じたものであるが、ウーム、この写真から判断するに、このブログも「出腹日記」にタイトル変更しなきゃならない。
なまぬるいビア
(ドイツのビアは、あまり冷えていないことが多い)

 では、「ミュンヘン滞在中に美食の限りを尽くしたのか?」と問われれば、全然そんなことはない。そもそも、ベルリンでもミュンヘンでもフランクフルトでも、ドイツという国で美食を求めるのはほぼ不可能なんじゃないか。
 レストランで何を注文しても、基本的には「メトメト料理」が出てくる。お皿の真ん中には、何だかよく分からないソースに浸かったブタかニワトリの肉片。あとは大量のマッシュポテト。大量のザワークラウト。キャベツの酢漬けである。
めとめと
(メトメト料理の一例 at ザルツブルグ)

 以上3種の食品が、お皿の中でメトメトに絡まりあって、どこまでがジャガイモでどこからがザワークラウトなのか、どこまでが肉のカタマリでどこからが付け合わせなのか、判然としない。
 しかも、イモやザワークラウトのほうが肝腎の肉片よりもずっと量が多かったりする。「主客転倒」というコトバがあるが、ドイツのレストランのお皿の上では、主人公よりも脇役の自己主張が強烈で、主役はハムレットよろしく「生きるか死ぬか、それが問題だ」とイジケていることが珍しくないのだ。
由緒
(創業803年、由緒ある洞窟レストラン「ザンクト・ペーター」)

 2005年2月、冷たい雨の降るライプツィヒで「森鴎外もよく足を運んだ」という老舗レストランで入った。今井君は岩波の個人全集30数巻を購入するほど、森鴎外の大ファン。「ほほぉ、鴎外と同じ空間の空気をいま今井君は呼吸しているわけね」とか、まあその類いのフヤけた感慨に浸ったものである。
 ところがマコトに残念なことに、運ばれてきた料理は、どれが主役でどれが脇役なのかサッパリ判断がつかない1皿。料理のタイトルを日本語に訳せば「お皿の上のいい加減」。銀座のイタリアンなんかで「シェフの気まぐれサラダ」みたいないい加減なのがあるけれども、そういうのさえ軽く凌駕するいい加減ぶりであった。
Stペーター扉
(ザンクト・ペーター 扉)

 5月19日はツークスピッシェの帰り、ミュンヘン市庁舎の地下の「ラーツケラー」で夕食。驚いたことに今井君はこの晩、食事の写真を1枚も残していない。カメラに残っていたのは、フランケンワインのボトルの写真だけであって、「何を食べたか」という記録は1枚もないし、何より驚くのは「記憶がない」という点である。
 記録魔である以上に記憶魔であるこのクマ蔵が、記録がない以上に記憶までなくしているとすれば、これは由々しき事態である。「驚くほどマズかった」なら、それはそっちの方面からの記憶が残るはず。つまり「旨くもなかったが、記憶に残るマズさでもなかった」ということであって、うにゃにゃ、そりゃ「単にマズい」より、ずっとダメじゃないか。
Stペーター
(ザンクト・ペーター メニュー)

 5月20日、インスブルックから帰ったクマ蔵は、滞在初日と同じ「ハクセンブルガー」の大混雑の中で夕食。ザワークラウトの酸っぱいニオイに絶叫しながら、豚肉のカタマリを切り刻み、またまたフランケンワイン1本カラッポにして、この日を締めくくることにした。
 ところが諸君、ここでも主役が全く目立たない。主役のハムレットやマクベスやオセローが、イジイジとイジケているのは構わない。あんなにカラダの大きなオセローが、イチゴのハンカチ1枚見つからないだけで1日も2日もムクれているのを眺めるのは、観客も十分に楽しめる。
 しかし主客転倒して脇役があんまりのさばってくると、芝居は台無しになる。今井君が「マクベス」をあんまり好きじゃないのは、脇役のはずのマクベス夫人があんまり目立ちすぎるから。芝居の要所要所で登場する魔女集団も好きじゃない。「キレイは汚いで、汚いはキレイ」とか、思わせぶりなセリフ回しもイヤらしい。
主役
(主役のイジケ虫クン at ザルツブルグ)

 同じように、ドイツを旅していると「みなさん、この目立ちすぎなザワークラウト、何とかしてくれませんかぁ?」と叫びたくなることが多い。脇役が主役を押しのけて舞台を占領しようとするとき、「その下剋上、お待ちなされーぃ!!」と声をかけたくなるのと同じことである。
 普通のキャベツならまだいいのだ。「紫キャベツのザワークラウト」「温めたザワークラウト」という2つの極めつけが存在して、前者のドスグロイ色彩はクマ蔵の視覚を、後者は酸っぱいものが何より苦手なクマの嗅覚を、それぞれ根幹から激しく揺すぶるのである。
ハクセンバーガー
(ハクセンブルガー ブタの肉片とザワークラウト)

 この夜のハクセンブルガーでは「温めたザワークラウト」が今井君を苦しめた。狭い穴蔵のような一室に20名ほどの客が押し込まれ、しかもミュンヘンにしては珍しく蒸し暑い1日であった。
 そこへ、ザワークラウトから立ち上る地獄のような酢のニオイ。「むせかえる」というコトバの本質を教えてくれるような、濃密で甘い酢のニオイに責め立てられて、この夜の今井君は完全に降参、「私が悪うございました」とスタコラ尻に帆かけ、ホテルに逃げ帰ったものである。
逃げ込んだホテル
(逃げ込んだホテルの余りに平凡な外観。トラムもご一緒に)

 こんなアリサマなのに、何故かドイツを旅しているとテキメンに腹が出てくる。「こりゃ、ダイエットせにゃアカンな」と決意したのも、この旅行の最中であった。あれから1年、あくまで無理せずダイエットを続け、1年で4kgの体重減に成功した。
 「たった4kgか」と言うなかれ。これ以上のペースで体重を無理に落とすと、中年男は何だかクシュンとしぼんじゃったみたいに見えて、返ってカッコ悪く見えるものである。しかもそのダイエット法が「焼き肉ダイエット」。肉をワッシワッシ食らいまくり、そのぶん炭水化物を我慢する。なかなかエネルギッシュで、いいダイエット法じゃないか。
フラ君
(ミュンヘン ラーツケラーのフランケンワイン君)

 あと、あのドイツ料理の強烈な酢のニオイを思い出すのもいい。一気に食欲が減退して、「食べ過ぎる」という愚をおかすことはまず考えられない。もちろんこれは「酢が大好き」というオカタには当てはまらないから、よろしくお願いしたい。

1E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN②
2E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN③
3E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN①
4E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN②
5E(Cd) Eschenbach:MOZART/KLAVIERSONTEN③
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