Wed 120718 早大国際教養の準備に奮闘 徳島で講演会 2012年夏の講演会を締めくくる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 120718 早大国際教養の準備に奮闘 徳島で講演会 2012年夏の講演会を締めくくる

 8月7日、名古屋マリオットホテルで目覚めたのが朝7時。そのまま10時まで、この日の午後吉祥寺スタジオで行われる授業収録の準備に励む。早稲田大国際教養学部の難問全部を一気に解説するとなると、さすがの大ベテラン今井君でもいくらかは緊張するのである。
 例えば駿台講師時代なら、クラスは別々でも午前中4コマは全部同じテキストをつかう。1回の授業で扱う英文の分量はせいぜいで20行。多くの場合、20行に満たない英文に知っている限りの知識を詰め込んで「エッセンスが大事」「量より質」「テキスト『を』教えるんじゃなくて、テキスト『で』教えるんだ」の類いのことをつべこべ繰り返していれば、それでよかった。
 代ゼミに移籍したあとも、基本的には同じことである。午前から午後にかけての90分授業3コマは、やっぱりクラスは別でもテキストは同じ。20問程度の文法問題を3回繰り返して教える。夕方の単科ゼミ2コマはどちらも自分で制作したテキストだから、予習でテンテコ舞いになることはありえない。
 超多忙のように見える夏期講習中も、実質的には楽チンそのもの。1日5コマ入っていても、同じテキストを5回繰り返して扱うだけである。代々木で5コマずつ3週間。横浜で1週間、名古屋で1週間、池袋か大宮で1週間。扱うテキストはせいぜいで3種類である。
 「四天王」とか「BIG3」とか呼ばれる大御所になれば、テキスト1種類で済むことだって少なくない。直前講習の時なんか、たった1冊のテキストで20回も繰り返し授業をすることがあって、最後のほうになると「また同じ話をしなきゃイケナイの?」と、朝からウンザリして吐きそうになることさえあった。
徳島1
(徳島での講演会)

 ところが東進の7~8月は、吉祥寺スタジオに入ったが最後、扱う教材はすべて「これが初めて」という教材である。しかも「同じ教材を何度も繰り返す」などという甘い経験は一切ナシ。カメラの前に立って話し始めると、すべて「これが最初で、これが最後」である。
 1日で扱う分量もハンパではない。駿台の授業なら1学期かかっても終われない分量を、3~4時間で完璧に解説し終えなければならない。たとえば早稲田大法学部。1番の長文読解問題は、駿台なら5回分。2番も駿台の5回分。さらにつづいて3番も4番もあり、5番も6番もあり、それどころか7番もあって、自由英作文の難問まで解説しなければならない。
 こうなると予習の時間がハンパなことでは済まないのは、諸君も分かってもらえるだろう。昨日の伊勢から名古屋にかけて、超ベテラン・クマ蔵が緊張感たっぷりで予習に励んでいたのは、むしろ当たり前である。駿台講師の半年分、代ゼミ講師の半年分の予習を、8月6日から7日朝にかけて、24時間弱に詰め込まなければならないのだ。
 しかも、その24時間弱の中で、2時間は公開授業とサイン会がある。1時間強はブログの更新。最近はホテルでもどこでもインターネットが高速化しているからいいが、つい2年前には「インターネットは使えません」というホテルも多かった。1年前でも「ネット有料」、しかも写真4~5枚をアップするのに言語道断に時間のかかるホテルは少なくなかった。
ケーキ
(どうやら「今井はケーキが大好きだ」という噂が全国を駆け回っているらしい。このケーキも甘過ぎなくて旨かった)

 2012年早稲田大学国際教養学部は、信じられないほど問題が簡単になった。まず、第1問の長文読解で「あれれ、こんなにカンタンでいいの?」と絶句する。パッセージの随所に空いた(  )の中に適切な過去分詞を入れていく問題なんか、下手をすれば中学生でも常識を働かせれば解答可能だ。
 第2問も、元来「超々長文」と呼ばれなければならないはずなのに、2011年と比較すると英文量が60%程度に減っている。設問も大幅減。そそっかしいクマ蔵は、予習しながら「あらら、設問のページを1ページか2ページ、どっかになくしちゃったぞ」と勘違いし、そこいら中を探しまわったほどである。
 しかも設問は
(1)本文中、下線部の関係詞whichの先行詞は何か。
(2)次の1~7のうち、本文と一致するものにはT、矛盾するものにはFと記入せよ。
以上である。100行を超える文章を読ませて、設問がたったこれだけなのでござるか? これで、ホントに受験生の読解力が分かるのでござるか?
徳島2
(これからの90分は、爆笑に次ぐ爆笑なのだが、間違いなく授業であることを強調する)

 ま、解説するクマ蔵が夏の疲労の蓄積で参っているところだから、この設問減はありがたくないことはない。超長文2問を解説してしまえば、あとは日本語要約問題と自由英作文、リスニング2問で終わりだ。
 予習には10時間近くかかったけれども(何度も繰り返すが、「何を解説しないでサクサク良質な授業にするか」の検討に大量の時間を費やすのだ)、授業収録それ自体は4時間程度。8月7日15時に始まった収録は、19時半で滞りなく完成したのである。
徳島3
(そもそも、こんな怪しいオジサンが存在するだろうか)

 8月8日朝、日本中が女子サッカーの活躍を期待して胸を躍らせていた頃、クマ蔵は羽田から徳島に飛び立った。夏の講演会シーズンの最後を飾るのが、この日の徳島講演会だったのである。
 すでにお盆の帰省ラッシュはピークに近い。空港は、いつもは静まり返っているラウンジを含め、走り回るコドモ、怒りで絶叫するママ、絶叫に怯えて泣き叫ぶアカゴ、家族の騒ぎに怒り心頭でワナワナ震えているパパ、懸命になだめるバーチャン、すべて諦めてイヒイヒ&ニタニタ笑うだけのジーチャン、それらが数百家族または数千家族入り乱れて、イスタンブールに勝るとも劣らぬ混乱と混沌の真っただ中にある。
徳島4
(これ以上は考えられないほど怪しい中年オジサン)

 徳島は、電車の旅だと「はるか悠久の彼方」な感じ。鳴門の渦潮と、阿波踊りの渦と、2つの熱い渦の熱気の中でブクブク煮え立っているみたい思えるが、ヒコーキというマホーのジュータンに乗ってしまえば、直線距離的には大阪や神戸とほとんど変わらない。
 チェックインしたのは、徳島駅前のホテルクレメント。徳島に公開授業に来れば、いつでも宿泊はここである。この日の駅前の気温は36℃。カーテンを開けると、目の前に徳島のシンボル眉山がそそり立っている。山口誓子どんにもう1度登場していただいて「7月の青嶺まぢかく溶鉱炉」と呟くところである。
眉山1
(ホテル14階からの、眉山の遠景)

 気がつけばすでに8月も中旬が近づいた。8月の青嶺を間近にメラメラと燃えるのは、四国の金色の太陽である以上に、講演会直前の熱い今井君の心である。いや、8月の今井君は、ブエノスアイレスへの旅を目前に溶鉱炉以上のメラメラであり、「火がボーボー」どころか心の炎はボンボン轟音を立てて、これを鎮めることのできる人間は滅多なことでは見つかりそうにない。
眉山2
(徳島の象徴、眉山の近景)

 徳島での講演会、16時半開始、18時終了、出席者約160名。保護者の皆さんや中3生も数多く参加。ほとんどの高校生が普段から今井君の講座を受講しているとのことで、最初から最後まで爆笑が絶えない。「30秒に1回」と言っても、まだ足りないぐらい。実測はしていないが、「15秒に1回」のペースを実現していたのではないかと思うぐらいである。
 さて、話はこのまま講演後の祝勝会に移行してもいいのだが、今日もまた長く書きすぎた。このあとの話は、明日か明後日の記事に続けたほうが無難と考える次第である。

1E(Cd) Ornette Coleman:NEW YORK IS NOW!
2E(Cd) Miles Davis:THE COMPLETE BIRTH OF THE COOL
3E(Cd) Art Blakey:MOANIN’
4E(Cd) Jennifer Lopez:ON THE 6
5E(Cd) Human Soul:LOVE BELLS
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