Wed 120704 合宿第1日 クラス開講式 昔とは見違えるほど優秀になった気がする | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 120704 合宿第1日 クラス開講式 昔とは見違えるほど優秀になった気がする

 河口湖合宿第1講に入る前に、まず各クラスに分かれて最初の小テストがある。朝のバスから全体開講式にかけて、単語のアクセントを夢中で音読学習したわけだから、早速その成果を試すのである。生徒たちは移動中もアクセントの冊子を持って音読に励む。

 今井君が担当するHクラスは、さすがに「ハイレベル」の諸君だけあって、アクセントテストはクラス平均9割、80人のうち20名は満点でスタートする。ここから「確認テスト」「まとめテスト」など、合計で15回の小テストがあるが、一人一人の目標は15回満点を取り続けること。クラスの目標は80人全員が満点を取ることである。
テキスト
(授業用テキスト(右)と、自習用テキスト)

 クラス開講式も、スタッフの方針は「手短かに」「お説教はしないこと」「マイナス思考の発言はしないこと」など。一応スタッフ全員が挨拶をするけれども、「1人2分まで」が原則であって、出来れば30秒程度が望ましい。

 生徒はまだ状況がよく理解できていないから、私語する者、不必要に緊張している者、緊張を通り越してガチンガチンに固まってしまっている者、まさに千差万別である。教室は旅館の宴会場なので、黒板3台を持ち込んで、ビールケースにくくりつけたものを利用する。
黒板
(合宿中の黒板)

 クラス開講式の最後に今井君が登場し、カンタンな挨拶と諸注意を述べる。授業開始と終了時には必ず全員で拍手すること。私語厳禁であること。合宿中、常に確認テストとまとめテストで満点を目指すこと。9割と10割の間には天と地の開きがあること。そのために、食事の場にも自習用テキストを持ち込んで音読に励むこと。以上がクマからの諸注意である。
クラス開講式1
(クラス開講式 第1期)

 ハイレベルクラスだと、生徒たちの中には「もっと難しいことを要求してほしい」と考えている者が多く存在する。とかく目標を遠大なところに掲げすぎるのである。「確認テストや定期テストが良くても、実力テストで好成績をあげられないのでは意味がない」と言われ続けてきたせいである。

 成績優秀者の一番悪いクセが、これである。「目先の得点にこだわるより、視野をもっと大きく広げなさい」と言えばなかなかカッコいいけれども、そのカッコいい発言がそのまま「だから目先のことはどうでもいい」「小テストなんか、成績が悪くてもかまわない」「定期テストなんか無視していい」というマコトにお粗末な結論につながりがちである。

 ストラテジー重視はいいが、だからといって「タクティクスなんかどうでもいい」ということにはならない。将軍が戦略を設定したら、そのあとは「ローマ軍の背骨」と呼ばれた百人隊長クラスが、1つ1つの戦闘、それどころか1つ1つの小競り合いでさえ、着実にモノにしていくことこそが最重要。小さな勝利を無限に連続する先にしか、大きな勝利はないのである。
クラス開講式2
(クラス開講式 第2期)

 今井君はこれでもう8年合宿に参加し、8年とも1期と2期の両方をこなしてきたから、合宿はすでに16回目である。合宿に参加する生徒たちが、思えばこの8年で大きく変化したことに気がつく。同じ合宿の同じハイレベルクラスとは思えないほど、みんなたいへん優秀で素直になった。

 8年前や7年前なら、「音読することにどんな意味があるか」「なぜ音読しなければイケナイのか」「どうして確認テストやまとめテストで満点を取り続けなければならないのか」など、そういう余りにも基本的な話を、講師からもスタッフからも口を酸っぱくして語りかけなければならなかった。

 それでもまだ納得しないで「音読なんて意味がない」「確認テストで満点取ったって、ホントの実力はついてない」「分かった気になっているだけだ」「暗記や復習より、語源の理解とかが大事なんじゃないか」など、受験生特有のバカバカしい駄々を捏ねる生徒がたくさんいたものだ。
全員起立して音読
(全員起立して音読する)

 しかし2012年、ふと気がついてみると、生徒はむしろ「音読したくてしたくてたまらない」という表情でニコニコしている。いくら音読させつづけても「もっとやりましょう」「ええっ、もう終わりなんですか?」という顔をする。

「確認テストで満点」の重要性についても、上記のような考え方をいちいち講師が語りかける必要はない。黙っていてもみんなマジメにコツコツ満点を狙うし、写真で示す通り決してカンタンではない確認テストで、クラス平均は95%を超える。2日目の夜には、クラス平均98%、クラス最低点でも90%を越えたりする。
確認テスト
(確認テストの1例)

 90分授業のあと、2時間程度の自習時間があって、その2時間を生徒たちは徹底した復習で過ごす。廊下に出て音読し、音読に疲れると教室に戻り、書いて書いて書きまくる。「腕組みしてテキストを睨んでいるだけ」などというダメな予備校の自習室風景は、そこには一切見られない。腱鞘炎になりそうなほど書きまくると、また廊下に出て音読する。

 一般的な自習とは、「シーンと静まり返った教室で」「黙々と」「ヒタイに皺をよせながら」のイメージになりがちだが、東進生の英語の自習は全く違う。語学なんだから、音声と無関係の学習は無意味である。どんな場合でも、必ず音声を絡ませながら自習を進めていく。
読解
(速読用の読解問題。これも最低10回は音読を繰り返す)

 ハイレベルクラスでは、むしろ生徒のほうから積極的に「確認テスト前の自習時間は2時間も必要ありません」「もっと負荷をかけてください」「復習時間を30分か40分に短縮してください」という声が上がる。スタッフも喜んでそれに応じる。しかも、自習時間を30分に縮めても、クラス平均は9割を維持する。集中力がますます高まってきた証拠である。

 こうなると、「音読も、テキストを見ないでやろうじゃないか」ということになる。テキストを見ながらの基本的音読では物足りなく感じ始めるのだ。
日本語だけ
(日本語だけ見て、英語で音読する)


 こうして「自信のある者はテキストを閉じて音読」が始まる。ちょっと自信のない者のために、英文がところどころ空白になっているページや、音読すべき英文の和訳だけが載っているページもある。そういうページを見ながらの音読でもかまわない。

 こうして、4泊5日の合宿の終わりまでに、ハイレベルクラスの生徒たちは英語例文220を「テキストを見ないで音読」できるようになっていく。
空所補充タイプ
(自信のない者は、空所補充タイプのテキストを見ながら全文を音読する)

 昔はそれを「暗誦」と呼んだが、暗誦しよう暗誦しようという暗い努力ではなくて、30回40回50回の徹底した楽しい音読の末に、自然に口をついて出るようになるのだから、まさに理想の世界。「血液も筋肉も英語になるぐらい、徹底的にやろうぜ」とは、このことなのである。

 第1日の授業は、15時から第1講で「動詞」。21時から第2講で「時制と助動詞」。文法中心に見えるが、授業冒頭には毎回ディクテーションがあり、授業後半は30行程度の読解問題を速読で解く。講師としても、目が回るほど忙しい。

1E(Cd) Miles Davis:KIND OF BLUE
2E(Cd) Weather Report:HEAVY WEATHER
3E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
4E(Cd) Kenny Dorham:QUIET KENNY
5E(Cd) Shelly Manne & His Friends:MY FAIR LADY
total m20 y1133 d9028