Wed 120627 トルコ・リラに両替する 地球の歩き方 出発(イスタンブール紀行2) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 120627 トルコ・リラに両替する 地球の歩き方 出発(イスタンブール紀行2)

 5月16日、「明日から2週間イスタンブールに滞在」という緊張感の中で、何故かクマ蔵は渋谷パルコ劇場に芝居を観に出かけた。何もそんなムリをしなくても、ゆっくり荷造りでもしていたほうがいいのに、「ハンドダウンキッチン」、仲村トオルの激しい迫真の演技と、江守徹のトボケたセリフ回しが楽しみで、弱い雨の降る渋谷に出かけた。
 平日のマチネだったのに、広いパルコ劇場はほぼ満員になっていた。13時開演、終演は16時。諸君、平日のマチネ終演後というのはマコトに困ったシロモノであって、16時ではまだレストランも飲み屋も開いていない。中途半端な午後、雨の強くなった渋谷に、クマどんは放り出されることになる。
 しかしまあ、あと1時間うまくつぶせば、飲み屋もチラホラ始まるだろう。問題はその1時間であるが、パルコ劇場が渋谷パルコ9階、そのすぐ下の8階は映画館であって、30分待てば「テルマエ・ロマエ」が始まる。こりゃせっかくだ。トルコに行く前日の夕方にお風呂の映画、それもまた悪いことじゃないだろう。
トルコお札表
(トルコ・リラ紙幣 おそらくこっちが表)

 映画が終わって、19時。そろそろ代々木上原に帰って、トルコ2週間の荷造りをしなければならない。普通の人なら焦りまくる時間帯であるが、さすが1年に3回も外国旅行に出かける今井君は、もうすっかり旅慣れている。
 国内の講演旅行まで含めれば、1年に100日以上になる。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらえて老いを迎うるクマは、日々旅にして旅を住処とす。松尾ばせおサマもビックリの超・旅グマである。2週間分の荷造りなんか、30分もかからない。
トルコお札裏
(トルコ・リラ紙幣 おそらくこっちが裏)

 そこで、「渋谷のどこかでトルコ・リラを手に入れていこう」と思い立つ。確かに、必ずしもトルコ・リラは必須ではない。ホテルや観光地ではユーロが使えるようだし、クレジットカードという魔法の切り札2~3枚をポケットに入れていけば、現金を持ち歩く必要も低い。
 しかし、お札を見たいじゃないか。コインに触りたいじゃないか。せっかく外国に行くのに、その国の人たちが日常的に使っているお札に触らずに終わるなんて、つまらないじゃないか。今井君は井の頭線渋谷駅の構内にある両替店「トラベレックス」に立ち寄って、トルコ・リラ10万円分の両替を申し込んだ。
 ところが諸君、返ってきた答えは、「今日の分のトルコ・リラは売り切れました」。こりゃ困ったと思っていると、「成田空港のトラベレックスに連絡しておきます」「空港内にあるトルコ・リラを何とか掻きあつめてみるように伝えておきます」とのこと。おお、たいへん丁重な扱いでござるね。
 今までの旅行では、外貨両替は投げやりにいい加減に済ませてきたのであるが、これからはぜひ毎回トラベレックスを使いたい。ANAのプラチナとかダイアモンドとか、マイルをたくさん稼いでそういうステータスを獲得しておけば、両替率もよくしてもらえる。両替しただけでマイルも獲得できる。
コイン
(トルコのコイン。ユーロのコインとデザインがソックリである)

 こうして旅というものは、すればするほど待遇が良くなり、待遇が良くなればまた旅に勢いがついて、ますます旅を住処とし、ますます舟や飛行機の上に生涯を浮かべるようになる。
 いよいよ17日、重い曇天の朝だったが、8時新宿駅始発の電車で成田空港に向かった。直ちにトラベレックス窓口に出向いてみると、まさに「掻きあつめた」という感じのトルコ・リラの札束を手渡された。分厚い感じがするのは、ヨレヨレのお札もたくさん混じっているからである。
 15日で10万円分。「カードはあんまり使わないほうがいいです」「暗証番号とかを盗まれて悪用されたらたいへんです」とか、とにかくガイドブックの記述に脅され放題脅されているから、頼りになるのはとりあえず現金。10万円は若干多すぎるような気がしたが、これもまた「安心料」ということである。
 恐ろしい話が満載のガイドブックは「地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地」。日本の書店で買えるトルコのガイドブックはこれ1種類しかないから、他にどうすることも出来ない。
 タイトルからして、何だかシツコイ感じ。他の国だと「スペイン」「ギリシャ」「ポルトガル」みたいに、ごく素直に国の名前がタイトルになっているのに、トルコだけは「イスタンブールとトルコの大地」。何で? 意味ワカンネ。イミフー!! 高校生ならそう叫ぶところだ。
トルコの大地
(地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地)

 しかし、飛行機の中で熟読してみると、このガイドブックの著者のシツコサが身に沁みて分かってきた。どうも著者は「絨毯屋」という存在を目のカタキにしているようだ。
「親切に声をかけてくるトルコ人がいたら、おそらくそれは絨毯屋。相手にせず、ハッキリ断ってください」
「日本人が多く宿泊するホテルの出入り口には、絨毯屋の店員が待ち構えていて、巧みな日本語で話しかけてきます。食事やお茶に誘って心を開かせ、まるで親友のように付き合ってみせますが、最後に高額な絨毯を売りつけるのが目的。ご用心を」
「空港で宿泊先のホテルを聞き出し、『そのホテルは満員だ。もっといいホテルがあるから』と熱心に誘い、自宅に招いて御馳走をふるまい、2泊も3泊も泊めてくれたりしますが、実はそれが絨毯屋。高額な料金を請求され、後でうろたえることになります」
などなど。
5リラ表
(日本では手に入らなかった5リラ紙幣。おそらくこっちが表)

 筆者のコトバだけではなく、クチコミ欄に投稿された記事にも、そういうものが異様に多い。編集したヒトが絨毯屋さんに深い恨みでももっているのか。それともホントにそんな絨毯屋の被害が溢れているのか。大いに興味のもてるところだが、
「トルコ人に親切に話しかけられても、返事をしてはいけません」
「日本人のNoは、トルコ人にはYesに聞こえています。しつこくてウンザリしました」
というレベルになると、これはちょっと問題を感じる。
 親切に話しかけられたら、こちらも親切に受け答えをすべきなんじゃないかね。断るのであっても、「いえね、日本のガイドブックに『トルコ人に受け答えするな、返事をすると高い絨毯を押し売りされるから』って書いてあるんですよ」と答えればいい。
 実際に今井君は、マコトに正直にそう答えてみたのである。「アナタはトルコ人に似てますね」と話しかけてきた若い男子だったが、さすがに納得して苦笑いを残して立ち去った。その前にチャンと道案内をしてくれたのだって、とても爽やかな印象だった。
5リラ裏
(日本では手に入らなかった5リラ紙幣。おそらくこっちが裏)

 さて、こうしていよいよクマ蔵は、イスタンブール目指してミュンヘン行きの機内に入った。予約はエコノミークラスだが、何しろ日々旅にして旅を住処とするクマ蔵は、飛行機でも絶対に得をする。「プレミアムエコノミーに空席があります。無料でアップグレードできますが…」と、グランドスタッフが笑顔でオファーしてくれた。
 もちろん、今井君はエビス顔でうなずいた。ホントはビジネスクラスがいいけれども、プレミアムエコノミーだって、あの狭苦しいエコノミーに比べれば、天国みたいな快適なシートである。
 むしろ、延々とメシを食べ続けなければならないビジネスクラスより、放っておいてもらえるプレミアムエコノミーのほうが好きなぐらいだ。ま、嫉妬も若干混じっているけれども、往路の飛行機でお腹が苦しいほどパンパンになるのも、ちょっと考えものじゃないか。

1E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 17/18
2E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 18/18
3E(Cd) Mehta&London:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
4E(Cd) SCHUBERT:ERLKONIG SUNG BY 18 FAMOUS SINGERS
5E(Cd) TOSHIYUKI KAMIOKA&WUPPERTAL:SCHUMANN/SINFONIE Nr.4
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