Thu 120419 巨大な空港で右往左往する ラチがあかない(サンティアゴ巡礼予行記32)
マドリード・バラハス空港は、あまりにも巨大である。成田と羽田をくっつけちゃったぐらいの広さを感じる。シャルルドゴールもヒースローもフランクフルトも確かに広いが、バラハスは歩かされる距離がハンパではない。ひたすら歩いて歩いて、空港内で疲れ果ててしまう。
人間という生き物の都合を一切無視して、無闇ヤタラに拡張しすぎたのだ。乗り継ぐのに「徒歩1200m」「徒歩1500m」なんてのもある。連絡バスもシャトルもない。申し訳程度に動く歩道はあるが、とにかくヒトはだだっ広い空港を「歩け&歩け」。不況対策の財政出動が行き過ぎたんじゃないだろうか。
第4ターミナルと第1・2・3ターミナルは、地下鉄で2駅も離れている。イベリア航空は新しい第4ターミナルを独占。他の航空会社は古い第1・2・3ターミナルを分けあって使用する。
![夕暮れ1](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/98/3f/j/o0269036011973919758.jpg?caw=800)
(目指すサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂、夕暮れの風景)
今回の旅行最終日、サンティアゴ→マドリードの飛行機はイベリア航空。第4ターミナルに到着する。マドリード→フランクフルトはルフトハンザだから古いターミナル。イベリアはワンワールド・グループ、ルフトハンザはスターアライアンスなので、荷物は直接送れない。それなのに、乗り継ぎ時間はたった90分の設定だ。
ということは、第4ターミナルで荷物が出てくるのを待ち、地下鉄で2駅移動して、ルフトハンザの窓口に走って搭乗手続きをする。搭乗手続きは搭乗の45分前には終えないとイケナイから、この広々としたバラハス空港で、飛行機の到着から乗り継ぎ便の搭乗手続きまで、時間的余裕は45分しかないことになる。
こりゃ無理だ、何としてもチケットを買い替えておかなきゃ。そういう判断で、今日のうちにチケットを買い替えることに決めた。
![朝、チキトレン](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/59/8f/j/o0270036011973919902.jpg?caw=800)
しかし諸君、予約した便より1本前の飛行機は、サンティアゴ発午前6時である。は? 朝6時に空港にいるには、ホテルをチェックアウトするのは4時頃だ。4時チェックアウトなら、起床は3時。そりゃヒドすぎる。そう思って、東京を出発する時には「90分あるんだから、まあ大丈夫だろ」と甘い計画を立てていいた。
大丈夫ではなさそうなのを痛感したのは、10日前のマドリード到着時、バラハス空港の驚くべき広大さを目撃したときである。あれれ、4年前にもこんなに広かったっけ? 着陸した飛行機がスポットに着くまでに、優に20分は空港内を&グルグル&ウロウロしていた。
ならば、最終日だって同じことだろう。サンティアゴからマドリードに時間どおりに到着したとしても、20分の空港内グルグル&ウロウロをやれば、スポットに着いた段階で残り25分。ノンビリしたスペイン人のことだ、飛行機を降りるのにも15分はかかる。
それもチャンとスポットに着けばいいが、「バスでご案内」などということになれば、それにもまた15分。荷物が出てくるのにさらに15分。おお、もうそこでアウトであって、フランクフルト便への乗り継ぎはほぼ不可能である。
![遠景1](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/71/76/j/o0360027011973920035.jpg?caw=800)
(大聖堂、遠景1)
というわけで、24日のうちにどうしてもしなければならないのは、28日のチケットの買い替え。サンティアゴ行きの出発まで2時間近くあったから、イベリア航空のカウンターに並んで「28日朝6時の便でマドリードに戻りたい」と申し出た。
窓口の後方の壁には、大きく「Estamos aqui para usted」のポスター。英語で言えば「We are here for you」であって、「お客様のために私たちはここにおります」というのである。
もしこれがANAなら、現金掛け値なしに「お客様のために」なのであって、どんなワガママを言っても丁寧に聞いてくれるし、常識的な範囲の要求が通らないなどということはまずあり得ない。というか、こちらが思いもかけなかったような提案までしてくれて、「ホントに相談してよかった」と胸を撫で下ろすことも多い。
![クリスマスの大聖堂](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/49/89/j/o0360027011973920182.jpg?caw=800)
(大聖堂、クリスマスツリーとともに)
ところが諸君、イベリア航空にそれを期待してはならないのである。窓口に並んだ女性スタッフの3人が3人とも、表情も言葉も容赦なくキツい。
今井君は一番左のカウンターだったが、真ん中のカウンターの外国人は「スペインでは、アナタの国とはルールが違うんだ。アナタの要求はのめない。もうどうしようもない」とケンモホロロ。さらにその向こう側でもスタッフが意地悪そうに笑い、罵声に近い声を上げている。
今井君の場合がどうだったか、カンタンに述べておく。「6時の便か?」「そうだ、6時の便に変更だ」「わかった」という単純な会話で、すぐに用件は伝わった。PC1台あれば自分でもできる作業だが、まあ大事をとってカウンターに並んだわけだ。ところが、空港使用料だか座席指定手数料だかの処理が手間取って、一向にラチがあかなくなった。
彼女には難しすぎたのか、隣席の女性スタッフに相談したりしていたが、それでもラチがあかない。とうとう奥へいったん引っ込んで、チーフのようなヒトに相談し始めた。15分経過しても20分経過しても、まだ解決する様子がない。
![遠景2](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/a1/36/j/o0360027011973920305.jpg?caw=800)
(大聖堂、遠景2)
とうとう、サンティアゴ行きの飛行機の搭乗時間が迫ってきた。これじゃさすがの今井君だって焦り始める。ところが、30分経過して戻ってきた彼女は、「スゴい仕事をやり遂げた」という満足感でいっぱいな様子。待ちくたびれ、焦る今井君の目の前に、いかにも自慢げに航空券を手渡した。
ところが、それが「午後6時の便のチケット」だったのである。午前6時と午後6時の両方があるなら、確認してから手配するのがスタッフの常識だと思うのだが、確認作業を怠って午後6時便の座席まで指定してきたのである。
手違いが判明すると、彼女はもうこの世の終わりかというぐらい、大袈裟に落胆してみせた、確かに、一世一代の大仕事を見事やり遂げた直後、「午後6時じゃない、午前6時だ」という初歩的なミスに気づけば、そのぐらいの落胆は仕方ないかもしれない。
![早朝](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/63/6d/j/o0360027011973920452.jpg?caw=800)
(早朝の大聖堂)
こうして彼女は再び奥へ引っ込んだ。今度は、「午前6時は満席だ」というのである。うにゃにゃ、ならばモトモト予約していたフライトに戻してもらうしかない。乗り継ぎ時間はキツイが、だって午前6時が満席なら最初からそうするしかないじゃないか。「元のフライトに戻してくれ」と彼女にお願いすることにした。
この世のものとも思えないほど深い深い絶望の呻きを残して、彼女が奥へ引っ込んだのは、サンティアゴ行き出発の40分前。まさにもうタイムリミットである。「わかった、わかった、自分でやるからいい」「そのぐらいなら自分でできるから」と言っても、彼女はもう聞く耳をもたない。
こうして、28日の予約は元の飛行機に戻った。クリスマスイブの今井君の苦闘と奮闘はすべて空騒ぎに終わったわけである。まあいいじゃないか。巡礼なら、お遍路さんなら、こんな苦闘や空騒ぎをたくさん乗り越えて、苦難の末にサンティアゴ大聖堂に到着するのだ。ちょっとぐらい空港でイヤな思いをしたって、我慢してぐっと飲み込むぐらいでなければ、ホントの巡礼とは呼べないだろう。
![自分撮り](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/95/9a/j/o0360027011973920598.jpg?caw=800)
しかしどうしてもクマ蔵は「Estamos aqui para usted」のポスターが気になってしまう。あんなに深い溜め息をつき、あんなに長い時間がかかり、罵声や苦笑や突慳貪な対応ばかりなら、「お客様のためにここにおります」も何もないじゃないか。
この1ヶ月後、スペインのもう1つの航空会社「スパンエアー」が突如として運行停止を発表。経営難→破綻の道をたどった。スパンエアーを検索すると、カウンターで困り果てた女性従業員が肩をすくめている写真が出てくるが、あの日のイベリア航空スタッフの表情にソックリなのにビックリする。
あの日あの場所で、スペインの深い経済危機の現実を見たような気がするのである。広すぎてマトモに移動すらできない空港を作ってしまう。航空会社のヒトビトでさえ、その広さに対応できない。苛立ちや困惑を乗客に向けてしまう。ポスターの合言葉と、実際の従業員の態度が乖離していく。
![夕暮れ2](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/9f/e5/j/o0360027011973920722.jpg?caw=800)
(再び夕暮れの大聖堂)
しかしとにかく、今井君はめざすサンティアゴ・デ・コンポステラに到着した。マドリードからたった1時間のフライトである。異様に現代的な空港で、日本も含めておそらく今までにみた空港の中で最もキレイな空港であった。
巡礼の苦労を全く知らずに、飛行機でブーンと一飛びに飛んできてもあまり有り難みはないが、とにかく無事が何よりだ。空港前でタクシーをつかまえ、何はともあれ大聖堂を目指すことにした。
1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 7/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 8/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 9/9
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 1/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 2/10
total m102 y600 d8495
人間という生き物の都合を一切無視して、無闇ヤタラに拡張しすぎたのだ。乗り継ぐのに「徒歩1200m」「徒歩1500m」なんてのもある。連絡バスもシャトルもない。申し訳程度に動く歩道はあるが、とにかくヒトはだだっ広い空港を「歩け&歩け」。不況対策の財政出動が行き過ぎたんじゃないだろうか。
第4ターミナルと第1・2・3ターミナルは、地下鉄で2駅も離れている。イベリア航空は新しい第4ターミナルを独占。他の航空会社は古い第1・2・3ターミナルを分けあって使用する。
![夕暮れ1](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/98/3f/j/o0269036011973919758.jpg?caw=800)
(目指すサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂、夕暮れの風景)
今回の旅行最終日、サンティアゴ→マドリードの飛行機はイベリア航空。第4ターミナルに到着する。マドリード→フランクフルトはルフトハンザだから古いターミナル。イベリアはワンワールド・グループ、ルフトハンザはスターアライアンスなので、荷物は直接送れない。それなのに、乗り継ぎ時間はたった90分の設定だ。
ということは、第4ターミナルで荷物が出てくるのを待ち、地下鉄で2駅移動して、ルフトハンザの窓口に走って搭乗手続きをする。搭乗手続きは搭乗の45分前には終えないとイケナイから、この広々としたバラハス空港で、飛行機の到着から乗り継ぎ便の搭乗手続きまで、時間的余裕は45分しかないことになる。
こりゃ無理だ、何としてもチケットを買い替えておかなきゃ。そういう判断で、今日のうちにチケットを買い替えることに決めた。
![朝、チキトレン](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/59/8f/j/o0270036011973919902.jpg?caw=800)
(サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂、朝の風景。チキトレインとともに)
しかし諸君、予約した便より1本前の飛行機は、サンティアゴ発午前6時である。は? 朝6時に空港にいるには、ホテルをチェックアウトするのは4時頃だ。4時チェックアウトなら、起床は3時。そりゃヒドすぎる。そう思って、東京を出発する時には「90分あるんだから、まあ大丈夫だろ」と甘い計画を立てていいた。
大丈夫ではなさそうなのを痛感したのは、10日前のマドリード到着時、バラハス空港の驚くべき広大さを目撃したときである。あれれ、4年前にもこんなに広かったっけ? 着陸した飛行機がスポットに着くまでに、優に20分は空港内を&グルグル&ウロウロしていた。
ならば、最終日だって同じことだろう。サンティアゴからマドリードに時間どおりに到着したとしても、20分の空港内グルグル&ウロウロをやれば、スポットに着いた段階で残り25分。ノンビリしたスペイン人のことだ、飛行機を降りるのにも15分はかかる。
それもチャンとスポットに着けばいいが、「バスでご案内」などということになれば、それにもまた15分。荷物が出てくるのにさらに15分。おお、もうそこでアウトであって、フランクフルト便への乗り継ぎはほぼ不可能である。
![遠景1](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/71/76/j/o0360027011973920035.jpg?caw=800)
(大聖堂、遠景1)
というわけで、24日のうちにどうしてもしなければならないのは、28日のチケットの買い替え。サンティアゴ行きの出発まで2時間近くあったから、イベリア航空のカウンターに並んで「28日朝6時の便でマドリードに戻りたい」と申し出た。
窓口の後方の壁には、大きく「Estamos aqui para usted」のポスター。英語で言えば「We are here for you」であって、「お客様のために私たちはここにおります」というのである。
もしこれがANAなら、現金掛け値なしに「お客様のために」なのであって、どんなワガママを言っても丁寧に聞いてくれるし、常識的な範囲の要求が通らないなどということはまずあり得ない。というか、こちらが思いもかけなかったような提案までしてくれて、「ホントに相談してよかった」と胸を撫で下ろすことも多い。
![クリスマスの大聖堂](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/49/89/j/o0360027011973920182.jpg?caw=800)
(大聖堂、クリスマスツリーとともに)
ところが諸君、イベリア航空にそれを期待してはならないのである。窓口に並んだ女性スタッフの3人が3人とも、表情も言葉も容赦なくキツい。
今井君は一番左のカウンターだったが、真ん中のカウンターの外国人は「スペインでは、アナタの国とはルールが違うんだ。アナタの要求はのめない。もうどうしようもない」とケンモホロロ。さらにその向こう側でもスタッフが意地悪そうに笑い、罵声に近い声を上げている。
今井君の場合がどうだったか、カンタンに述べておく。「6時の便か?」「そうだ、6時の便に変更だ」「わかった」という単純な会話で、すぐに用件は伝わった。PC1台あれば自分でもできる作業だが、まあ大事をとってカウンターに並んだわけだ。ところが、空港使用料だか座席指定手数料だかの処理が手間取って、一向にラチがあかなくなった。
彼女には難しすぎたのか、隣席の女性スタッフに相談したりしていたが、それでもラチがあかない。とうとう奥へいったん引っ込んで、チーフのようなヒトに相談し始めた。15分経過しても20分経過しても、まだ解決する様子がない。
![遠景2](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/a1/36/j/o0360027011973920305.jpg?caw=800)
(大聖堂、遠景2)
とうとう、サンティアゴ行きの飛行機の搭乗時間が迫ってきた。これじゃさすがの今井君だって焦り始める。ところが、30分経過して戻ってきた彼女は、「スゴい仕事をやり遂げた」という満足感でいっぱいな様子。待ちくたびれ、焦る今井君の目の前に、いかにも自慢げに航空券を手渡した。
ところが、それが「午後6時の便のチケット」だったのである。午前6時と午後6時の両方があるなら、確認してから手配するのがスタッフの常識だと思うのだが、確認作業を怠って午後6時便の座席まで指定してきたのである。
手違いが判明すると、彼女はもうこの世の終わりかというぐらい、大袈裟に落胆してみせた、確かに、一世一代の大仕事を見事やり遂げた直後、「午後6時じゃない、午前6時だ」という初歩的なミスに気づけば、そのぐらいの落胆は仕方ないかもしれない。
![早朝](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/63/6d/j/o0360027011973920452.jpg?caw=800)
(早朝の大聖堂)
こうして彼女は再び奥へ引っ込んだ。今度は、「午前6時は満席だ」というのである。うにゃにゃ、ならばモトモト予約していたフライトに戻してもらうしかない。乗り継ぎ時間はキツイが、だって午前6時が満席なら最初からそうするしかないじゃないか。「元のフライトに戻してくれ」と彼女にお願いすることにした。
この世のものとも思えないほど深い深い絶望の呻きを残して、彼女が奥へ引っ込んだのは、サンティアゴ行き出発の40分前。まさにもうタイムリミットである。「わかった、わかった、自分でやるからいい」「そのぐらいなら自分でできるから」と言っても、彼女はもう聞く耳をもたない。
こうして、28日の予約は元の飛行機に戻った。クリスマスイブの今井君の苦闘と奮闘はすべて空騒ぎに終わったわけである。まあいいじゃないか。巡礼なら、お遍路さんなら、こんな苦闘や空騒ぎをたくさん乗り越えて、苦難の末にサンティアゴ大聖堂に到着するのだ。ちょっとぐらい空港でイヤな思いをしたって、我慢してぐっと飲み込むぐらいでなければ、ホントの巡礼とは呼べないだろう。
![自分撮り](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/95/9a/j/o0360027011973920598.jpg?caw=800)
(サンティアゴにたどり着いた直後の自分撮り。興奮のあまり顔は歪み、アゴのラインが膨張してしまった)
しかしどうしてもクマ蔵は「Estamos aqui para usted」のポスターが気になってしまう。あんなに深い溜め息をつき、あんなに長い時間がかかり、罵声や苦笑や突慳貪な対応ばかりなら、「お客様のためにここにおります」も何もないじゃないか。
この1ヶ月後、スペインのもう1つの航空会社「スパンエアー」が突如として運行停止を発表。経営難→破綻の道をたどった。スパンエアーを検索すると、カウンターで困り果てた女性従業員が肩をすくめている写真が出てくるが、あの日のイベリア航空スタッフの表情にソックリなのにビックリする。
あの日あの場所で、スペインの深い経済危機の現実を見たような気がするのである。広すぎてマトモに移動すらできない空港を作ってしまう。航空会社のヒトビトでさえ、その広さに対応できない。苛立ちや困惑を乗客に向けてしまう。ポスターの合言葉と、実際の従業員の態度が乖離していく。
![夕暮れ2](https://stat.ameba.jp/user_images/20120515/09/imai-hiroshi/9f/e5/j/o0360027011973920722.jpg?caw=800)
(再び夕暮れの大聖堂)
しかしとにかく、今井君はめざすサンティアゴ・デ・コンポステラに到着した。マドリードからたった1時間のフライトである。異様に現代的な空港で、日本も含めておそらく今までにみた空港の中で最もキレイな空港であった。
巡礼の苦労を全く知らずに、飛行機でブーンと一飛びに飛んできてもあまり有り難みはないが、とにかく無事が何よりだ。空港前でタクシーをつかまえ、何はともあれ大聖堂を目指すことにした。
1E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 7/9
2E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 8/9
3E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 9/9
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 1/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 2/10
total m102 y600 d8495