Sun 120226 1ヶ月遅れた春一番が来そうだ ハロッズ、デロデロ、菊(ロンドン滞在記18) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 120226 1ヶ月遅れた春一番が来そうだ ハロッズ、デロデロ、菊(ロンドン滞在記18)

 東京では3月30日夜から強風が吹きはじめ、どうやら1ヶ月遅れて「春一番」ということになりそうだ。3月31日の東京は、朝から夕方にかけて風速20mの風が吹き荒れ、1時間で30mmの激しい雨が降るという予測。十分に春一番の名に値する。
 もちろん、春分の日を過ぎ、桜のつぼみも膨らみだしてからの嵐を、正式に春一番とは呼べないのだろうけれども、春一番の吹かない春はダイナミックさに欠ける。面倒くさいことは言わないで、我々一般人はこれを春一番ということにしてしまおうではないか。
ハロッズ1
(ロンドン・ナイツブリッジ、巨大デパート・ハロッズ)

 キャンディーズに指摘されるまでもなく、「もうすぐ春ですねぇ」である。今年の冬は長く、寒さもキツかった。3月下旬になってやっと梅が満開だなんて、季節はまるまる1ヶ月遅れたのだ。春一番クンも1ヶ月遅れで別にかまわない。
 春一番がリセットとかリニューアルの大チャンスであるのは、昔から日本の伝統である。ヒトビトは、大学に合格しては生活をリニューアルするし、浪人生活をスタートするのもまた春一番がキッカケになる。カレシやカノジョと別れたり、リセットしてやり直したり、そういう面倒なことも、やはりこの季節が一番華やかである。
ロンドンの雑踏1
(ロンドン、クリスマスの雑踏 1)

 太古の昔、今井君の大学の卒業式は3月25日。電通の入社式が4月1日。うぉ、うぉ、今井君にとって、あの年の3月下旬はホントに忘れがたい日々である。
「就職だなんて、何てことをしちゃったんだ。もう取り返しはつかない」
「これで私の一生はごく平凡なエリートサラリーマンで固定されちゃったんだ」
「よほどの僥倖でもなければ、このままレールの上をヒタ走って、60歳だか65歳だかで退職するまで、当たり前な広告マンで過ごすわけだ」
「40年、同じ会社に通うしかなくなったんだ」
以上、3月31日深夜までずっと蒲団にくるまって泣きそうになっていた。ハッキリ言えば、絶望の日々だったのである。
 激しい春一番でも吹いて、自分の就職を一切なかったことにしてくれないか。そういう奇跡に恵まれないのが、まるで不当なことのように思われて、天を呪いたいぐらい。しかし4月1日は結局やってきた。
ロンドンの雑踏2
(ロンドン、クリスマスの雑踏 2)

 諸君、「往生際が悪い」というのは絶対にヤメたまえ。入学する大学が不本意であっても、就職する会社が不本意であっても、そこで全力を尽くす以外に道はない。
 いや、実際にはいくらでも道はあるのだ。世間サマが認めてくれるレールを外れて、大きな自由の中で生きていくのは、余りにも楽しいことである。今井君の30歳以降の人生は、まさにそれだ。こんな楽しい人生はない。それは断言できる。
 ただ、レールを外れることを決意するのは、せめて25歳まで待ちたまえ。今はただ、3月までに決めてしまった4月以降の人生を、とにかく生きてみる覚悟を固めることだ。「これは自分には無理」と決めるには、2年か3年は待ったほうがいい。
ロンドンの雑踏3
(ロンドン、クリスマスの雑踏 3)

 明日「春一番」がやってきたら、雨と風の中で踊りくるってみたまえ。傘をささずに外へ出て、隣の駅まで走ってみたまえ。向かい風に両手を広げ、激しい雨を降らせる天の雲に向かって「オレは負けないぞ!!」「ワタシは戦うぞ!!」と叫んでみたまえ。もちろん無言でいい。心で叫ぶだけで構わない。たったそれだけで、戦う覚悟はできるのである。
ロンドンの雑踏4
(ロンドン、クリスマスの雑踏 4)

 12月23日の今井クマ蔵はダブルデッカーを乗り回し、ロンドンの街を北へ南へ、縦横無尽に駈け回っていた。何しろオイスターカード1枚あれば、何度でもバスに乗れる。乗ったらすぐに2階の最前列に上がって、クリスマスのロンドンの雑踏を眺めて楽しんだ。
 オックスフォード・サーカスあたりの街は、もう身動きできないほどの大混雑である。ピカデリーも、トラファルガー・スクエアも状況は同じであって、クリスマスのショッピングはどうやら今夜が最後のチャンスということらしい。まあ明日はもうクリスマスイブなのだから、考えてみれば当たり前のことである。
ハロッズ2
(ハロッズ)

 巨大デパート・ハロッズにまだ行っていなかったから、バスから地下鉄に乗り換えて駆けつけてみた。午後7時を過ぎて、さすがに閉店であるが、このイルミネーションのド派手なこと、あまりのド派手にオノボリさん一同が溜め息をつくばかりだ。
 今井君が駆けつけた時にはとっくに閉店していたけれども、店の周囲にはイギリス中のオノボリさんが押し合いへし合いである。イギリス中というより、おそらくヨーロッパ中のオノボリさんたちであり、それにクマ蔵を加えれば世界中のオノボリどん殺到中だったことになる。
ハロッズ3
(もう1回、ハロッズ)

 この日の夕食は、トラファルガー・スクエア近くのパブ「シルバークロス Silver Cross」。周囲には他にも由緒正しいパブがたくさん並んでいたが、看板や店内の重厚さという点で、他を圧する迫力があった。フィッシュ&チップスのデロデロした脂ぎり方も、やはり圧倒的。2皿食べたら明日の胃もたれは100%確実、そういう重厚さにクマどんは目がないのである。
F&C
(シルバークロスのフィッシュ&チップス)

 ここでやはり、ホテルリッツ至近の日本料理「菊」に触れておかないわけにはいかないだろう。このときのロンドン滞在でも、2度ほど「菊」のお世話になった。正確にいつだったかは記憶にないのだが、こういう脂デロデロのあとで「菊」に入って飲む日本酒は、最高に旨かった。
 23日の深夜、ふと気がつくと、たいへん気持ちよく酔っぱらってオックスフォード・サーカスの裏町を歩いていた。高歌放吟しかねないこの勢いは、シルバークロスの後で「菊」に立ち寄ったに違いない。カツ重、寿司セット、何を食べても間違いなくホンモノの日本料理である。
シルバークロス1
(シルバークロス 1)

 何しろ3年半も前の夜のことだから正確な記憶はない。しかし、ロンドンの2週間もいよいよあと2日に迫ったクリスマスイブイブの深夜、「菊」からすぐそばの小さなスーパーで、何だか下らん買い物をしたのはよく覚えている。
 インド人経営のスーパー、スーパーというよりコンビニであるが、購入したのはスクリューキャップの赤ワイン、ツマミのチップス類、瓶詰めオリーブ、缶ビール数本など。ハムにチーズ。あの頃の今井君はこの類いを買い込んでホテルの部屋でメシを食うのも好きだった。
シルバークロス2
(シルバークロス 2)

 明日24日夜は飲食店のほとんどがお休み。ホテルの部屋でしっとりホテルライフを満喫する覚悟でいなければならない。そのための必須アイテムを全てここで買いそろえて、24日夜に備えた。まさか翌日、モロッコ料理とモロッコ文化を満喫することになるとは、このときはまだ予想もしていなかったのである。
シルバークロス料理
(シルバークロスでもう1皿)


1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES⑤
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES⑥
3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES①
4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES②
5E(Cd) CHOPIN FAVORITE PIANO PIECES
total m156 y320 d8215