Thu 120116 カーネーションの街/岸和田で講演会 遊びをせんとこそ、生まれケメ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 120116 カーネーションの街/岸和田で講演会 遊びをせんとこそ、生まれケメ

 2月15日、19時半から大阪都・岸和田で講演会。岸和田は南海電鉄・難波駅から電車で30分ほど。「大阪都には参加しません」と宣言した堺よりさらに南下した、ダンジリと城の街である。
 難波駅から乗車する時刻が17時。通勤通学時間の真っただ中なので、あえて特急料金のかかる関西空港行き「ラピートβ」に乗った。「ラピート」って何のこと? どこの国の言葉? 「β」ということは、「α」もあるの? 質問したいことが続々と出てくるフシギな特急であるが、何しろ今井君は鉄道オタクではないから、そのへんはサッパリわからない。
 少なくともラピートが英語でないことは明らかなので、車内英語アナウンスの女性ネイティブも、「ラピート」の部分だけ妙に発音しつらそうに口ごもっていた。
 昔むかし、「関空へはラピートの方がはるかにお得」のキャッチフレーズでライバルJRの関空行「はるか」に対抗していたが、その精悍なフェイス(Mac君の変換は「制汗なフェイス」でござる)、まん丸い大きな窓など、確かにデザイン面では間違いなくラピートは「はるか」よりはるかに優れている。
 特急料金は岸和田まで500円。たった30分足らずの小旅行にそんな特急料金はムダのようであるが、「あ、今井だ」「げ、今井だ」「なんで、今井が大阪に?」「なんで、今井が南海に?」の高校生たちの嵐になる可能性がある以上、普通電車や急行電車はできる限り避けたほうが無難である。
岸和田駅
(南海電鉄・岸和田駅)

 難波駅でも岸和田駅でも、「カーネーション」のデカイ看板を発見。あらら、NHK連続テレビ小説も、久しぶりのヒットなんですな。確かに、今井君の公平至極な目で見る限り「カーネーション」は「平清盛」よりずっと面白い。清盛については、クマ蔵は30年前の「新平家物語」がラピートよりはるかに面白かったと思う。
 あの時の平清盛は仲代達矢、平時忠が山崎力。白河法皇と後白河法皇の2役を滝沢修、藤原信西が小沢栄太郎。常磐御前が若尾文子。その他、日本の20世紀演劇を支えた巨匠が総出演で、「悪役イメージの強い清盛を主人公に据えた」という、今年の清盛と同じ狙いの大河ドラマを支えた。
のぼり
(東大 京大 医学部に強い)

 今年の白河法皇は、伊東四朗。クマ蔵は伊東四朗が大好きで、伊丹十三映画で活躍する伊東四朗は常に秀逸である。ついこの間4泊したスペイン・グラナダのパラドールには、何故か伊東四朗の大きな写真が飾られていた。グラナダを取材したときのものらしくて、テレビ朝日のスタッフと一緒の爽やかな笑顔が印象的だった。
 しかしでござるね、パラドールのレストランの入り口で微笑む伊東四朗の写真に、毎朝の朝食の行き帰りに出会わなければならなかったグラナダの今井君は、ハッキリ言って災難である。
 しかも、伊東四朗の写真と並べられているのは「各国首脳」ばかり。元フランス大統領シラク。オバマ大統領のミシェル夫人。その他欧米各国の首脳と並べられて、日本代表は伊東四朗&テレビ朝日スタッフ。うーん。日本というのはニャンともフシギな国でござるニャン。
全体
(岸和田講演会)

 こういう事情があって、今井君はいま伊東四朗について複雑な感情をいだかざるを得ない。「平清盛」の役の上では伊東四朗の白河法皇は死んでしまったけれども、滝沢修と比較するのは可哀想。だって、ちょっとイヤラシすぎないかね。このキャストの組み方に、ちょっと問題があるんじゃないか。
 兵庫県知事の肩を持つつもりは全くないが、「2月上旬でもう視聴率が13%台まで落ち込んだ」などというのは、大河ドラマとして反省と改善を必要とするように思う。
語る1
(語る今井君 1)

 今井君が最も改善の必要を感じるのは、たった45分のドラマの中に「これでもか!!」と挿入され続ける梁塵秘抄「あそびをせんとや生まれけん」である。こりゃしつこすぎるぜ。
 もちろん、「りょうじんひしょう」と打ち込んで「良人飛翔」と変換するMac君だって困るさ。良人などというもんが、ピョーンと飛翔してってどうすんだい? あるいはどう駿台?
 しかしでござるね、まずせっかくの梁塵秘抄に奇妙な節を付けて、コドモに歌わせるのは、どういうものでしょうかね。「あそびをせんとやうまれけん」には、昔からの大ファンも多い。今井君も高校生時代からの大ファン。「こういうことだけは、してくれるな」と絶叫している人が全国に溢れているんじゃないか。
 しかも、「あそびをせんとや」の「や」は、ご存知「反語の係助詞」である。係助詞を「こそ」に変えて已然形で結ぶと、このフレーズは「あそびをせんとこそ、生まれけめ」。諸君、「生まれけめ」でござるよ。
 かくいう今井君は、反語の控えめな疑問形で尋ねられるのが嫌い。「遊ぶために生まれたんですか? いや、そんなことはないでしょ? 遊びが人生の目的ではないはずです」「他に人生の目的がチャンと存在するはずです」みたいなメンドクサイのは、たいへんメンドクサイ。
語る2
(語る今井君 2)

 だってクマ蔵としては、何が何でも遊ぶために生まれたのである。夢中で遊びに遊んで、遊びがあんまり楽しくて、遊びに遊んでいるうちに日が暮れてきて、ふと「そろそろおウチに帰らなきゃ」と思う頃に、その遊びこそが他人から見てトテツモナイ業績になっている。そういうのが人生の本質だと信じて疑わない。おじいちゃんになって「やれやれ、80年思い切り遊んだな」と、7つか8つのコドモみたいに笑える人って、おそらく誰よりも幸せなのである。
 そういう幸せなおじいちゃんやおばあちゃんに対してだからこそ、「遊びをせんとや生まれけん」の一言がシミジミと響くのだ。それは決して「人生をムダにしたな」という深い後悔のシミジミではなくて、「もっともっと遊んでいたいな」「もう一回生まれてきて、もう一回好きなだけ遊びたいな」「でもきっとそんなワガママは許してもらえないな」というシミジミなのである。
ちらし
(会場の「浪切ホール」では、こういうコンサートも開かれる)

 諸君、だからクマ蔵は「遊びをせんとこそ生まれけめ」と高々と宣言するケメ子やケメ男派である。ケメ派、ケメ党。日本ケメの会。だからこそ、たった45分のドラマの中で3回も4回も聞かされる「生まれけむ?」の歌は、けむい。途方もなくメンドクサイ。
 さて、今日の記事の本来のテーマだった岸和田講演会であるが、19時20分開始、20時50分終了、出席者約100名。
 岸和田は2011年12月に開校したばかりの校舎なので、まだ生徒は多くない。主催した塾長先生も「40人から50人ぐらいしか来ないかもしれません。どんなに来ても80名」と控えめな予想をしていたが、飛び込みの参加者が次々に訪れ、予定を大きく上回って、100名超えの大成功になった。まさに感謝&感謝、大感謝である。

1E(Cd) NEGRO SPIRITUALS②
2E(Cd) Maria del Mar Bonet:CAVALL DE FOC
3E(Cd) CHAD Music from Tibesti
4E(Cd) AZERBAIJAN Traditional Music
5E(Cd) Ibn Baya:MUSICA ANDALUSI
total m83 y83 d7978