Sun 120105 ヒゲも動かさぬ剛毅とヤセ我慢 熱中症寸前のタラゴナ(バルセロナ滞在記26) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 120105 ヒゲも動かさぬ剛毅とヤセ我慢 熱中症寸前のタラゴナ(バルセロナ滞在記26)

 いやはや、昨日の記事はさすがに長過ぎましたかね。ローランの歌の時代背景、理解していただけましたかね。
 昨日は夕方までいろいろ勉強して、18時、あんまり寒いので、晩飯を食べに代々木上原のCoCo壱番屋に出かけた。「ハンバーグカレー、ライス200g、『3辛』でお願いします」「あと、ポテトサラダも」「ついでにビール1本」とか、いつもの調子で調子に乗って、しかしそれでもマジメにおウチに帰って、日本酒2本ペロリとカラッポにした。
 CoCo壱の3辛は、今の今井君がヤセ我慢せずに「旨いな」と食べられるギリギリのカレー。もちろんそれ以上辛くても平然として平らげてみせるが、その平然ぶりが返って怪しいヤセ我慢に過ぎない。
 ホントは春日部まで出かけて、大好きな「ラホール」のジャンボハンバーグカレー・インド辛口を満喫したいのだが、こんなに寒い日に春日部往復なんかしていたら、身体全体が霜柱でチクチクしそうだ。
海岸線1
(スペイン・タラゴナ「海辺のテラス」からの風景 1)

 こういうふうで、昨日の20時過ぎには、肉体も血液も辛いカレーでホッカホカ、頭の中はビールに日本酒でドロドロ。その状態で「ブログ読者の皆様に、ちょっと知的な今井君も見せておかなけりゃな」と余計なことを思い立った。
 筑摩世界文学大系を引っ張りだし、大昔に読んだ「ローランの歌」を斜め読みしてストーリーを思い出しているうちに、「誰かのヒゲの写真を撮って掲載しなきゃ、当時の激しいヒゲブームを実感してもらえない」と焦りに焦ることになった。
 だって、シャルルマーニュもローランも、みんなヒゲ自慢。ヒゲ自慢のヒトにはヤセ我慢のヒトも多く、3辛どころか4辛でも5辛でも、辛口どころか極辛でも激辛でも、ヒゲ一つ動かさずにペロリと平らげてみせるはずだ。
闘技場1
(タラゴナの円形闘技場 1)

 ヒゲが生えていないヒトならば、動くヒゲもないからヤセ我慢もゴマカしやすい。しかしヒゲの生えたヒトはどうしてもヒゲが動いちゃうから、春のそよ風が吹いただけでヤセ我慢を見破られる。見破られやすいものを見破られないように意地でも頑張るところに、ヤセ我慢のホントの妙味があるのだ。
 「痛くなんかないよ」「ツラくなんかないよ」「コワくなんかないよ」というヤセ我慢を、如実に示してしまうバロメーターのヒゲをボウボウ&モウモウと生やし、しかもそれをピクリとも動かさない。激辛だろうが猛辛だろう烈辛だろうが、諸君、ヒゲの先さえ動かさないで耐えて飲み込む。どんな大軍が背後から襲ってきても、長いオヒゲを撫でながら、左腕1本でなぎ倒して応戦する。それが中世の剛毅な英雄である。
闘技場2
(タラゴナ、円形闘技場と海)

 そこで、「誰か、ヒゲのモデルはいませんか?」「ヒゲのモデル募集中。優勝した方はブログに写真を掲載します♡」とテレビCMを打ちたいぐらいに、クマの気分は盛り上がっていった。こういう時、昔のヒトは「鉦と太鼓で探しても」と唸ったものだ。
 しかし諸君、「灯台モト暗し」とはこのことであって、ヒゲの恰好のモデルはまさに書いている本人であることに気がつくまでに、だいぶ時間がかかってしまった。「目の前にいる」どころか、目の中にいた? 目の中に入り込んでいた? 何とも表現が難しいが、もし登っていく坂の上に雲ではなく鏡を置けば、その鏡の中に突っ込んでいく当の本人こそが最高のモデルだったのである。
 そこで、モデルを募集したのもクマ蔵、応募したのもクマ蔵、優勝したのもクマ蔵で、写真を掲載したのも掲載されたのもクマ蔵。たいへん安上がり、たいへん簡素な手続きで、万事が自己完結することになった。その喜びの写真が昨日の1枚目である。クマのお目目が何とも可愛らしいでござるね。
海岸線2
(タラゴナ「海辺のテラス」からの風景 2)

 さて、いくら何でもここまで無意味でバカバカしいフザケた言辞を、まるで見せびらかすかのように自由自在に弄んで、それで終わってしまったのでは、寛容な包容力と縁を切った人々に「ワケの分からんブログ」とホントのことを言われてしまう。
 「酔っぱらっているんですか?」と真実をズバッと突かれては我ながらヒヤヒヤするから、ちょっと役に立つことも書いて、この場をゴマカしておくにしくはない。役に立つことを2つだけ書いておこう。
くもん
(タラゴナで発見した「KUMONいくもん」に愕然とする)

 まず、シャルルマーニュは、トランプの「ハートのキング」のモデルであること。スペードのキングはダビデ王。クラブのキングはアレクサンダー大王。ダイヤのキングはカエサルがモデルである。
 「何でダイヤのキングだけ横向いてるの?」という疑問は当然だが、ローマ帝国で発行された金貨を見てみれば、その謎も解ける。金貨に示された皇帝の肖像は、そのほとんどが横顔。モデルにしたカエサル金貨が横顔なら、ダイヤのキングも横顔にならざるをえない。
タラゴナカテドラル
(タラゴナのカテドラル)

 もう1つ「マトモなこと」を書いておこう。バルセロナ滞在も残り2日になった今井君は、タラゴナを訪問することにした。タラゴナは、バルセロナから電車で1時間ほど南下した海辺の街である。
 紀元前3世紀に古代ローマ人によって築かれた、古代都市。絶頂時は人口100万を超えていたというから、ローマやマルセイユとともに西地中海世界を代表する大都市だったことになる。歴史をみれば、バルセロナなんか問題にならないぐらい由緒正しい街である。
 こういうふうだから、遺跡の多くが古代ローマ絡みである。郊外にはセゴビアに次ぐ規模の大水道橋が今も残っている。海岸沿いには円形闘技場もあって、グラディエーター同士の格闘、グラディエーターvs猛獣の格闘、猛獣を使ったキリスト教徒の弾圧と迫害と虐殺の場になった。もちろん1000年前の人々はそれを眺めて大喝采をおくっていたわけである。
闘技場4
(タラゴナの円形闘技場 2)

 他にも野外劇場その他「いかにも古代都市」な遺跡が存在して、それをめぐる「考古学の道」もある。しかし、タラゴナで何より印象的なのは、バルセロナとは比較にならない強烈な太陽である。
考古学の道へ
(タラゴナ「考古学の道」への道)

 北イタリアのリビエラに始まった地中海の海岸線は、フランスのコート・ダ・ジュール、スペインに入ってコスタ・ブラバ、さらにコスタ・デル・ソルまで続く。タラゴナの海は、ブラバとソルの中間点ぐらいであるが、今井君は初秋の海を眺めながら、長いビーチから岬の突端まで歩いてみた。
岬
(タラゴナ、岬の光景)

 岬まで15分ほど、岬に30分、岬からタラゴナの駅まで45分ほど。この炎暑の中を2時間もフラフラして、まさに日射病と熱中症の合併症寸前までいったわけである。「水、水、水…」というか、「ビア、ビア、ビア…」というか。
 ほうほうの態で駅に戻った時には「ウナ・コパ・デ・セルベサ、ポル・ファボール」以外の言葉を思い出すことが出来なかった。この状態こそ、まさに熱中症今井版なのである。
船が並ぶビーチ
(タラゴナのビーチ。水平線に船が並ぶ)


1E(Cd) Jandó & Hungaricus:MOZART COMPLETE PIANO CONCERTOS⑨
2E(Cd) Jandó & Hungaricus:MOZART COMPLETE PIANO CONCERTOS⑩
3E(Cd) Cluytens & パリ音楽院:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
4E(Cd) Bernstein & NY:BIZET/SYMPHONY No.1
5E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOR ON THE CROSS
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