Wed 111231 小樽ラーメン 渋谷のフェルメールとユーロスペース ポルトガル料理 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 111231 小樽ラーメン 渋谷のフェルメールとユーロスペース ポルトガル料理

 ブログの日付はちょうど1ヶ月遅れなので、今日の記事が2011年の締めくくりになる。今日は記事の内容と全く関係のない写真を掲載するが、写真で2011年の締めくくりをするつもりなので、あらかじめお断りしておく。
今年もお世話に
(2011年中はお世話になりました。2012年もよろしく)

 昨日1月30日の今井君は、なかなか忙しかった。まず、小田急デパートの北海道物産展で「どうしても小樽名物・醤油ラーメンを食べなければ気がすまない」、そういう意地汚いところから、昨日一日の物語はスタートする。
 この十数年のトンコツブームで、日本中どこへ行っても「コッテリ&コテコテとんこつスープ」を食べさせられる。クマ蔵が好きなラーメンは大昔のデパートの大食堂で出てきた「中華そば」だから、スッキリ透き通った醤油スープでないと、ラーメンを食べた気にならない。
 代々木上原は新宿から小田急の急行で5分。各駅停車でも8分。小田急百貨店のチラシが毎日のように新聞に入って「クマさん♡クマさん、小樽の醤油ラーメンやってますよ」と誘いをかけてくる。おお、いいじゃないか。「行列のできる店」などという小ウルサイ店じゃなくて、デパートのイートインという気軽さもたまらない。
 そういうことなら、生徒たちが受験本番直前だろうと何だろうと関係ない。受験は究極的に諸君が一人で戦うものであって、クマ蔵がラーメン断ちで寒修業したって何もならないのだから、百貨店のイートインで600円の醤油ラーメン食べるぐらい許してほしい。
 という勢いで30日午後、大混雑の北海道物産展に闖入。店員さんがビックリして立ち止まるほど胡椒を入れて、熱いラーメンを啜った。どのぐらいクマ蔵が満足したかは、顔も頭もビッショリになるぐらいの大量の汗を見てもらわなければ分からない。がはがは。今井君はすっかり童心に戻って「デパート大食堂の中華そば」を満喫したのである。
断捨離カメラ
(2011年で断捨離を決意したカメラ。壊れてから1年、輪ゴムでゴマカしながら使い続けたが、ついに限界がやってきた)

 勢い余ってそのまま渋谷に移動、東急BUNKAMURAで開催中の「フェルメールからのラブレター展」を見ることにした。駅のポスターや新聞広告で大宣伝しているフェルメール展なので、どんなに寒波が厳しくても、これを見逃すことはできない。
 しかし諸君、いくら何でもこれはヒドすぎる。入場料1500円で、展示されている絵がたった40枚。は? 1枚見て約40円の計算だが、ポスターのロゴでは「フェルメール」の文字が圧倒的に大きいのに、実際に展示されているフェルメールはたったの3枚である。
 フェルメール1枚500円とすると、他の絵37枚は0円の計算だ。確かに、多くの絵が「個人蔵」であって、美術館蔵ですらない。もちろん絵はオカネで換算するものではないが、全40枚のうちフェルメールは3枚しかないクセに、ポスターや広告でのフェルメールの文字の大きさは、誰かがキチンと問題にしたほうがよさそうだ。
 「豪華ステーキ定食」で、ステーキはたったの3切れ。あとはゴハンと味噌汁とお新香と佃煮。そういうことである。「スーパースターが殴り込み♡ロックフェスティバル」で、ホンモノは1人、1人3曲、残りは中年オジサンバンド。そういうことである。こういうのって、問題なんじゃないの?
断捨離ジャージ
(2011年で断捨離のズンボ。パジャマ代わりに活躍してくれた)

 ついでに言えば、あれだけ広告して「たった40枚」というのは、単に量的にみてもヒドい。スペースが余ったらしく、まるで中学か高校の学園祭みたいな展示物をデッチあげてゴマかそうとする。オランダの地図に「今回展示されている画家たちの出身地」を示した掲示なんかは、完全に文化祭レベルである。
 諸君、ぜひ1500円払ってBUNKAMURA へ行こう。企画責任者に「何でこうなったんですか?と」質問してみよう。。ルーブル美術館でさえ、入場料は10ユーロ。プラド美術館なんか、6ユーロだ。いったい、コスパはどうなっとる?
 というか、日本にいる欧米人がこんな展覧会に入場して「何だこりゃ?」と唸ったらどうするんだ。これはまさに「国辱もの」である。これをいいキッカケに、あんなデカいロゴで「フェルメール」を宣伝しておきながら「実際には3枚」というテイタラクをヤメにしようではないか。
 もちろんたった3枚でも、その1枚1枚に深く激しく感動すればいいワケだが、それならば「フェルメール」という人物名をあんなに前面に押し出すべきではない。この展覧会は、せいぜいで「オランダ人物画展…フェルメールとその時代」程度だと思う。今井君は良心のカタマリだから、そのタイトルでもなお、恥ずかしくてたまらない。
ケータイ1
(2011年9月、スマホ導入で断捨離を決めたソニーのケータイ)

 おそらく、オッカナビックリの企画会議が半年ぐらい前にあったのだ。
「どうしましょうか、フェルメールは3枚しか来ませんが」
「それでもフェルメールを前面に押し出しますか?」
「だって仕方ないだろ、フェルメールの文字がなかったら、展覧会はガラガラだ。赤字じゃ、将来のためにならん」
「でも、モトモト40枚しか集められないところに、フェルメールはホントに3枚ですよ。クマみたいな、おっかないヤツがクレームつけてきたら、どうします?」
「クレーム処理は任せておけ。菓子折り一つで何とかなる。知らんぷりで無視する手だってある。怖がるな。恐れるな。ススメ、前進あるのみだ。責任は、全部オレがとる」
「わぁー部長、カッコいいですね♡」
「きゅんきゅん andキュン♡ 私の理想の上司は、部長ですぅ」
「ずっと部長の部下でいたいですぅ♡」
「そうかそうか、じゃ、今夜みんなで飲みに行くか(肌がカサついてなくて良かった!!)」
「遠慮するな。おでんぐらい、オレがカネ出すぞ(髪にハリ・コシがあって良かった!!)」
こういう、マンダムLUCIDOのCMみたいな世界で、このスカスカ展覧会が実現してしまったのである。なお、LUCIDOについても、ぜひ検索のこと。中年のバカバカしさがホントによく描けている。
ケータイ2
(バッテリーのモチがよくて良かった。2008年以降の旅行記の写真は、ほとんどこのケータイカメラで撮影してきた)

 あんまり腹が立ったので、クマ蔵はユーロスペースに向かい、ポーランド人監督レフ・マイェフスキによる映画「ブリューゲルの動く絵」を見ることにした。腹の中は小樽・醤油ラーメンがまだタプタプたゆたい、腹のソフト面はたった3枚のフェルメールにムカつき放題。怒りのあまり、顔色はラピスラズリのフェルメール・ブルーに染まっていたかもしれない。
 ユーロスペースは、久しぶりである。いつ移転したのか知らないが、移転前、まだ渋谷から代官山に抜ける坂の入り口にあった頃は、何を隠そうユーロスペースの常連を気取っていた。最後にユーロスペースで見たのはドン・チードル大活躍の「ホテル・ルワンダ」だったと思うが、そのころはもう館名が変わっていたような気がする。
 「ブリューゲルの動く絵」については、特にここで申し上げることはない。まだまだユーロスペースでやっているし、これから全国ロードショーということになりそうだから、自分で見て自分で判断してくれればいい。
 しかし諸君、何でユーロスペースはこんなラブホ街の真っただ中に移転しちゃったの? これじゃ、恥ずかしくて接近しにくいじゃないか。すぐそばに怪しい看板のハーブ店まであるんじゃ、若いヒトにも映画館を紹介しにくいじゃないか。シネマ・アンジェリカやユーロスペースを、せめてもう少し行きやすい場所に移転させてくれるパトロンって、今の日本にはいないんですかね。
ねむねむ
(ねむねむねこ)

 ますます腹が立ったので、21時半、近くのポルトガル料理店で気勢をあげることにした。いいかね、上げるのは「気勢」であって「奇声」ではない。深夜の渋谷区松濤で「奇声を上げる」という行動はなかなか激しいものがある。だって、日本で一番の高級住宅地であるよ。
 入ったのは「マヌエル コジーニャ・ポルトゲーザ」。渋谷店の他に、四谷にも店があって、四谷のほうではファドが聞けるらしい。しかしファドはやっぱりチャンとリスボンで聞いたほうがいいから、今井君が行くのは常に渋谷松濤店。覚えていないが、おそらく1年ぶりぐらいである。
 カルド・ヴェルデ、旨かった。アンコウの鍋物、旨かった。鶏のアヒージョ、旨かった。緑ワインの「カザル・ガルシア」、ポルトガルビア「サグレス」、すべて今日「フェルメール」で傷ついた今井君の心を癒すのに十分だった。焼きリンゴにエスプレッソで仕上げをする頃には、もうフェルメールのことなんかすっかり忘れることができた。
おやすみなさい
(おやすみなさいませ。2012年もよろしくお願いします)

 ただし、お客さんたちのレベルがちょっと高すぎる。東大駒場が近いんだから仕方ないのかもしれないが、後ろのテーブルの男女4名は「大学院と海外留学と、何カ国語話せるか」の話題で盛り上がり、「でもアナタの地元、埼玉県北部でしょ。まだ終電に間に合うの?」でいきなり雰囲気は冷たく冷えてしまった。
 一方、隣のテーブルの40歳代男子&30歳代女子は、海外赴任と大学院と「今夜はボクと泊まっていかないか?」な感じの、とってもオトナでオトナな、オトナのオハナシ。2人足して80歳超えているらしいだけのことはある。
 あらら、ニヤニヤ笑って見ていたら、30歳代女子はやんわりお泊まりをお断り。男子はエラく落胆のご様子でござる。うにゃにゃ、メンドクサイので、品行方正な今井君は、23時前にサッサと家路についた。

1E(Cd) John Coltrane:SUN SHIP
2E(Cd) John Coltrane:JUPITER VARIATION
3E(Cd) John Coltrane:AFRICA/BRASS
4E(Cd) Holly Cole Trio:BLAME IT ON MY YOUTH
5E(Cd) Norah Jones:COME AWAY WITH ME
155 Stay Madrid/Granada/Santiago de Compostela
total m301 y1937 d7894