Tue 111115 土浦で講演会 15年目のスーツ 20年目のコート 六本木「なまはげ」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 111115 土浦で講演会 15年目のスーツ 20年目のコート 六本木「なまはげ」

 こういうふうで(スミマセン、昨日の続きです)、普通電車が土浦に到着した時は、今井君はオバサマ&オジサン連合との意地の張り合いに疲れ果て、さすがの鉄面皮も使い古しのフライパンよろしく、気持ちの底のほうが真っ黒けに煤けてしまった。
 駅の外に出ると、もう真っ暗である。さすがに関東の内陸だ、東京都心と比べると気温は4℃も5℃も低いようである。余りの寒さに、身体の奥深いところから悪寒が湧き上がってくる。
 しかし諸君、何しろ今井君は有名♡ベテラン講師♨である。受験を間近に控えた受験生諸君に模範を示さなければならない立場なのだ。この季節の模範として最も大切なことは、「風邪を引くような油断を決して見せないこと」である。
 講師ともあろう者が、こんな大切な時期に、「風邪を引いちゃいましてね」とか言い訳をして「鼻をグスグス&咳をゴホゴホ」「ついでにノドが腫れて声が出ません」などというのは、そりゃ講師失格のレッテルを自分で貼ったのと同じことである。
土浦1
(土浦での公開授業。後ろ姿でも爆笑がわかる 1)

 かく言う今井君も、ホンの10年ほど前にはまさにその「講師失格」だったので、1月上旬の受験期直前にインフルエンザにかかり、それでも授業を強行して生徒たちに迷惑をかけたことがある。
 代ゼミ大宮校A館での直前講習の日で、1日中英作文を書きまくる「英作文・完璧6時間」。テキストは今井自身の作成。声が全くでないので、ホントに6時間=90分授業×4コマ、同じ生徒たちを相手にほとんど無言で黒板に書きまくった。
 大宮校A館の黒板は、窓からの光が乱反射して窓側1/3が見えにくいから、39℃の高熱に目まいを感じながら、残り2/3を使って懸命に板書したことを覚えている。それでも寒くてブルブル震えが止まらず、ついに2コマ目からはコートを着込んで授業を続けた。
 生徒たちに万が一感染したらタイヘンだから、マスクで顔を覆い、出来るかぎり生徒のほうを向かず、ひたすら板書を続ける講師の姿は異様である。生徒たちも事情を察して、コンビニで買った栄養ドリンクを何本でも差し入れてくれたし、黙って夢中でノートをとってくれた。
土浦2
(土浦での公開授業。後ろ姿でも爆笑がわかる 2)

 おかげで、ルルだったかパブロンだったか、安い風邪薬を飲んだだけで、翌日には奇跡的にケロッと回復していた。それを思えば、あれはおそらくただの風邪、ホンモノのインフルエンザじゃなかったのかもしれない。
 あの生徒たちも、すでに30歳になっているはずだ。今思えば、生徒に風邪をうつしたら元も子もないんだから、本来なら臨時休講にすべきだったのだ。もっと厳しく言えば、直前講習で休講なんて不可能なので、あんな時期に風邪を引くこと自体が講師失格もいいところ。つくづく、ダメな講師だった。
コート
(20年目の冬コート)

 あの時のコートを、今日の土浦にも着てきたのである。ついこの間も書いたが、今井君は昔カタギの人間だから、安い物を大量に買い込んで乱暴に消費するのはキライ。ちょっと奮発して買って、それを大事に長期間使うのが好きである。というか、服でも靴でも買い物が苦手なので、出来るかぎり買い物の頻度を下げるには、そうするしかないのだ。
 そういうわけで、この日の土浦に着ていったスーツは15年前に購入のゼニア。コートは20年前に埼玉県春日部の「ロビンソンデパート」で買ったもの。ここでもMac君の変換は「ロビンソンでパート」。地元の経済事情を見事に反映した素晴らしい変換である。
 しかしそれ以上に素晴らしいのは、15年経過しても20年経過しても、同じ服を見事に着こなせる今井クマ蔵。普通なら中年太りでボタンやチャックが締まらなくなるところだが、見よ、今井君は何も苦労することなく、アーカイックな服を見事に着こなした。
 いんにゃ、実は若い頃からもともと体型がズングリムックリで、幾星霜を経てもズングリムックリのまま。ならば、着る服にも苦労しない。それだけのことである。
スーツ
(15年目の冬スーツ)

 12月9日土浦の公開授業、19時開始、20時40分終了、出席者80名。詰め込んでも70名しか入らない教室だから、80名ですでに息苦しいほどのパンパンであるが、岐阜/松山と300名規模の大講演会を続けてきたばかりだから、ちょっぴり寂しくないこともない。
 それでも公開授業自体は「これ以上うまくいくことはなかなか考えられない」というレベルの大成功。「出席者100名以下の時は、必ず座席表を作成してください」というお願いもキチンと守ってもらって、座席表も完璧に機能。私語一切ナシなのに、「60秒に一度の大爆笑」が100分間連続して、生徒たちはみんな「走って帰る、今日から思い切り基礎徹底」を実行してくれたようである。
土浦3
(土浦での講演会 開始直後はまだ上着を着ている)

 終了後、今井君も東京駅まで走って帰って、今井君の基礎を徹底することになった。「今井君の基礎」とは、もちろん説明一切不要であって、東京駅前・新丸ビル「リゴレット」で安いイタリア料理と山形の白ワイン「嘉」を満喫する予定になっていた。
 ところが諸君、12月中旬と言えば、もう忘年会真っ盛り。テレビのCMも「大正漢方胃腸薬」ばかりが目立つ季節である(なお、Mac君は「漢方医跳躍」。漢方医が激しく跳躍する様は、まさに瞠目に値する)。
 この夜の新丸ビルは、どの店を覗いてもパンパンの超満員。まるで今井君の講演会のようである♨ 仕方がないので「絶対に空いている店」を求め、鋭利な今井君の頭脳は東京都内を7回り半した。こういう時の今井君の鋭利さは、スーパーコンピュータ「京」を凌ぎ、蓮舫どんもビックリの世界No.1であって、決して「2番でもいい」という安易な妥協はしない。
 クマデータの中で、こんな時でも絶対にあいている店、それは「六本木なまはげ」である。アフリカ系従業員が立ち並び、道ゆく人々を次々にクラブに導き入れる深夜の六本木。キャバクラ帰りの中年オヤジがもう1軒妖しい店を探して右往左往する年末の六本木。クラブカフェ、DJクラブ、妖しさと怪しさをナイマゼにした六本木の真ん中に、何ともミスマッチな秋田料理屋。それが「六本木なまはげ」だ。
盆踊り1
(ニャゴ姉さんは、早くも盆踊りの練習を開始 1)

 この店でメンドクサイのは、1時間に1度の頻度で行われる「なまはげショー」だが、11時を過ぎれば、なまはげのアルバイト従業員たちはもうスゴスゴ家路に着いた頃。町田や松戸や行徳の下宿に帰るには、そろそろ終電の時間なのだ。
 ならば、11時過ぎに入店する「六本木なまはげ」なら、ゆっくり落ち着いて「きりたんぽ鍋」「ハタハタ田楽焼き」「いぶりがっこ」を賞味できるはずである。立ち並ぶアフリカ系の男たちも、イヤがるクマ蔵を無理やりクラブに誘い込むことはあり得ないから、深夜の六本木もクマ蔵にとっては全くコワくない。
盆踊り2
(ニャゴ姉さんは、早くも盆踊りの練習を開始 2)

 というわけで、この夜は午前1時過ぎまで「きりたんぽ鍋」を満喫。普通の人は1本しか食べないらしいきりたんぽを、さすが秋田県人中の秋田県人:クマ蔵は3本も4本も追加して平らげた。飲んでいる盃から鍋に直接お酒を入れちゃうのも、中世秋田流である。
 お姉さんの従業員が「お作りします」というのを、「ワタシは秋田県人ですから、自分でやっちゃいます」と押しとどめる。この無作法&ぶっきらぼうも秋田ツキノワ流。ハタハタの卵「ぶりこ」のデカイかたまりを、バリバリ噛み砕いて乱暴に飲み込むのもまた秋田ツキノワ派の常識だ。こうしてクマどんは、すっかりホンモノのクマどんに戻り、冷え込んだ12月の深夜の六本木で、一声大きく吠えてみたものである。

1E(Cd) José James:BLACKMAGIC
2E(Cd) Radka Toneff/Steve Dobrogosz:FAIRYTALES
3E(Cd) Bernstein & NY:BIZET/SYMPHONY No.1
4E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOR ON THE CROSS
5E(Cd) Alban Berg Quartett:HAYDN/STRING QUARTETS Op. 76
total m80 y1566 d7523