Fri 110909 三軒茶屋で講演会 「英語で通じるよ」じゃ、ツマラナイ(リシュボア紀行23) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 110909 三軒茶屋で講演会 「英語で通じるよ」じゃ、ツマラナイ(リシュボア紀行23)

 10月3日、三軒茶屋で講演会。19時開始、21時終了、出席者65名。うーん、ちょっと寂しいですね。
 夏の盛りの講演会は、連日200名とか300名とかの出席があって、来る日も来る日も大盛況。最低でも100名は参加者がいた。「サイン会なんか実施していたら、真夜中になっても終わらないょ」と悲鳴が上がるぐらいだったが、写真で見る通り、何となく小規模でコジンマリとして、よく言えばat homeな感じの公開授業が続く。
さん茶1
(三軒茶屋での熱演 1)

 それもそのはず、10月からは「高3生の出席は原則として認めない」である。この時期の講演会で「高3はダメよ」「高1と高2だけよ」ということになれば、三軒茶屋で65名なら十分立派なと言わなければならない。
 東進の場合、「10月からは、受験生とは高2のこと」なのであって、講演会のターゲットは高1と高2。受験まで残り4ヶ月の現高3は、今井の講演なんか聞いているより、徹底した過去問演習で実戦力をつけることだけを考える。現高3がちょっと可哀想だが、確かにこの指導は間違っていない。
 秋田出身で「文武両道」、高3の9月まで部活動や文化祭&体育祭に夢中になるのが普通だったクマ蔵としては、多少の違和感を覚えないことはない。「受験勉強のスタートは高3の秋」という受験生のほうが当たり前だったからである。
 今井君が大学受験の勉強を開始したのは高3の11月30日。もし、高3の今井君が東進に入学を申し込んだら「何を寝ぼけたこと言ってるんですか!!」と一喝され、追い返されたに違いない。確かに「うちの高校は4年生なんだ。最後の1年は予備校に通うことになっている」みたいな指導は間違いだと、今では身に染みている。
さん茶2
(三軒茶屋での熱演 2)

 コジンマリとat homeな公開授業は苦手だが、それでもまあ、昨日もクマ蔵は奮闘した。5~6名が部活の関係などで遅刻したから、19時に教室で迎えてくれたのは60名足らず。それでも、普段はしない話まで盛り込んで予定を15分延長し、21時近くまで。大人しめの生徒たちが多かったが、何とかいつもの爆笑にもちこんだ。
 7年前、東進に移籍したばかりのころは、出席者数が少ないと意気消沈してやる気をなくしたり、「たったそれしか出席しないなら、私は帰った方がよさそうですね」と駄々をこねたり、目の前に20人しかいないことで怒り心頭に発したり、その他いろいろ迷惑をかけた。当時は何と言っても自分のプライド優先だったのだから、かけた迷惑も大きかったに違いない。
さん茶3
(三軒茶屋での熱演 3)

 しかし東進・三軒茶屋校は「2011年、東大現役合格者8名」という優秀校舎である。諸君、雑然とした三軒茶屋の雑居ビル、たった1フロアの校舎から「現役8名東大合格」は驚くべき成果。あんまり「東大だ、東大だ」と大騒ぎするのもみっともないが、まぎれもなく雑居ビル1フロアから8名、ゴマカシも何にもなく現役で国内最高学府に合格しているのだ。
 こうやってキチンと実績を出している校舎で、65名を前に全力を尽くして基礎基本の大切さを説く。英語マッチョになることこそ最短の道であると力説する。成績優秀者ほど、この話に熱狂し、爆笑し、熱く拍手する。
 彼ら彼女らはすでに受験のベテラン。「基礎基本の充実こそ最短の王道だ」と、今井に説かれるまでもなく自らの経験で熟知しているに違いない。医学部系とか、数学と物理と化学に時間をかけなければならない諸君ほど、英語は効率が重要。ならば基礎基本のパンパンの英語マッチョを目指すことこそ、最高の王道になるはずだ。
サンタアポローニャ
(リシュボア中央駅、サンタ・アポローニャ)

 さて、すでに一昨日の記事で長い前置きをした通り、5月19日、リシュボアからポルトに1泊2日の小旅行に出た。リシュボアが東京なら、ポルトは京都である。京都に1泊2日では明らかに時間が足りないが、ポルトの街の規模は京都とは比較にならないほど小さいから、ちょっとやる気を出して歩き回れば何とかなりそうだ。
 スーツケースはリシュボアのホテルに置いたまま、小さなリュックを1つだけ背負って、ポルトの安いホテルに1泊する。ホテル代は2重にかかるが、1泊60ユーロ程度のホテルで我慢すれば、デカイ荷物を引きずって移動するより遥かに合理的である。いちいち荷造りや荷解きをして時間をムダにしなくて済むのもいい。
オリエンテ1
(リシュボア、オリエンテ駅 1)

 ポルトまでは特急電車で3時間の道のり。始発のサンタ・アポローニャ駅からでもいいが、3日前に通りかかってちょっと治安の悪さが気にかかったから、次のオリエンテ駅から乗ることにした。東京駅を遠慮して、品川駅から乗り込むようなものである。
 チケットの自動販売機がどれも故障中で、1つしかない窓口に並ぶ。日本の駅の「みどりの窓口」みたいに係員がズラリと並んでサービスしてくれるのではない。掘建て小屋みたいなブースが一つだけあって、職員1人で全てをさばく。英語もほとんど通じない。スペインと比べて、このあたりも10年は遅れている。
オリエンテ2
(リシュボア、オリエンテ駅 2)

 まあ、別に構わない。「ポルトまで特急で往復」だけ通じれば、それ以上愛想よくしてもらう必要は何もない。ポルトガル語で「往復」は、イダ・イ・ボルタ。スペイン語のイダ・イ・ブエルタとほとんど同じだ。さすがお隣どうしというか、岡山と広島みたいな関係だ。本人たちは違いを強烈に意識していても、外部者としては「おんなじようなもんじゃないか」である。
 ただし、電車やバスの窓口ではとにかく「往復」だけは言えるようにして出掛けたまえ。欧米での往復料金の割引率は、日本の比ではない。
 日本だと、片道切符×2で買おうが往復切符で買おうが、割引率はタカが知れている。完全に同じこともあって「何も頑張って往復チケットを買わなくてもいいじゃないか」と諦めが先に立つ。しかしヨーロッパだと、往復料金は片道×1.5以下であることが多い。片道とほとんど同じ料金で往復できたりすることもある。
 フランスなら「アレ・エ・ルトゥール」。ドイツなら「ヒン・ウント・ヘア」または「ヒン・ウント・ツリュック」。イタリアなら「アンダータ・エ・リトルノ」。そう言いながら、片手を軽く上げ、その手をまず外側へ、それから内側へ、仰ぐように振ってみせると、英語なんかに頼らなくても分かってもらえる。諸君、「結局、英語で通じるよ」というアキラメほど、海外旅行を興醒めにするものはないのだ。
チケット
(リシュボア⇔ポルト、往復チケット)

 こうして、今井君は英語の通じない窓口で何とかチケットを手に入れ、まずはヒト安心。というより、「英語以外って、楽しいな!!」「やっぱり現地のコトバじゃないとな!!」という快感を噛みしめつつ、駅構内のオープンカフェで早速ビールを飲んだ。
 ポルトガルの人たちは、みんなカッフェを嬉しそうにかき混ぜている。午前9時、まだ吹く風は涼しい。「今日も暑くなりそうだから、朝の涼しいうちに、熱いカッフェを楽しんでしまおう」。とろんとろんに甘いエスプレッソが、彼らにとってどうしても1日1杯は必要らしいのだ。

1E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 1/2
2E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 2/2
3E(Cd) Alban Berg:SCHUBERT/STRING QUARTETS 12 & 15
4E(Cd) Richter & Borodin Quartet:SCHUBERT/”TROUT” “WANDERER”
5E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.4
total m45 y1231 d7192