Fri 110826 熊本県玉名での講演会 台風15号のど真ん中を、東京に無事帰還する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 110826 熊本県玉名での講演会 台風15号のど真ん中を、東京に無事帰還する

 9月20日、接近する台風の中、昼過ぎの九州新幹線で福岡から熊本に移動する。熊本に着くと、梅雨時のような生温かくまとわりつく雨が降っていて、ウズウズ&ウジウジ意地悪していた目玉焼きノロノロ台風は、確かに北に向かって動き出したようである。
 宿泊先の「ホテル日航熊本」で2時間、ケム蔵も台風のマネをしてウジウジ過ごした後で、東進スタッフのクルマで講演会場の玉名市に向かう。熊本から北に向かってクルマで45分ほど、西南戦争で有名な田原坂を抜けると、玉名市に到着。東進に移籍してから3回目の玉名訪問である。
 今年の甲子園の熊本代表が専大玉名高校。1回戦で光星学院に大敗したけれども、その試合をケム蔵は講演先の沖縄・ハーバービューホテルで見ながら、「これはどうしても玉名のことをブログにかいておかなきゃ」と考えた。今回講演で久しぶりに玉名に呼んでもらえたのは、おそらく玉名の校舎担当者がブログを熱心に読んでくれたおかげである。
熊本1
(熊本県玉名での講演会)

 講演会は19時45分開始、21時15分終了。部活動の盛んな地域だし、出席者の中心は高1&高2生だから、開始を普段より15分遅くした。出席者150名弱。もともと50人も入れば満員の教室から、机をすべて撤去して椅子だけを並べ、やっとのことで全員が入れるスペースができた。
 こういう状況を、昔は「うれしい悲鳴」と表現した。校舎責任者としては、ガラガラで空席が目立つのも困るだろうが、生徒が集まりすぎて座る椅子がなくなってしまうのも一大事。会場が通勤時間の山手線みたいになってしまったら、かえって校舎の評判を悪くしかねない。
 その意味ではこの夜のパンパンパンの状況はまさに理想的と言ってよくて、「これ以上は入らないよ」というギリギリの状況。飛行機のエコノミー席が完璧に満員なのと同じ感覚の、息苦しいぐらいのギュウギュウ詰めだったけれども、90分間「もうこれが限度」の、超ハイレベルの大爆笑と大喝采が続いた。
熊本2
(熊本県玉名での講演会、逆サイドから)

 他の予備校に通っている生徒もかなりの数が参加していたようだが、彼ら彼女らにとって、この講演会は相当なショックだったのではないか。「相当な」というのも、実は遠慮しているのであって、本来は「決定的な打撃」と言ったほうがいい。
 まず「完璧な満員」であること。この10年ほどの予備校では、これほどの完璧な満員は滅多に見られない。次に、「講師の話がホントに死にそうに面白いこと」。「スゴイ面白い」とか「カリスマ」とか、事前の宣伝文句ばかり大袈裟でも、実際に90分間このレベルで盛り上がる講師は、なかなか存在するものではない。
 さらに、教室内の一体感のカンペキさ。講師がいくら努力しても、生徒たちの献身的な協力がなければ、教室内に一体感は生まれない。単なる講師のワンマンショーでは、教育効果は低いのである。玉名講演会で初めて東進を経験した諸君にとって決定的な打撃だったのは、何よりもこの一体感だったと確信する。
 終了後、熊本に戻って祝勝会。ただし、この夜の祝勝会は出席人数が極めて限定されていたので、馬刺にカラシ蓮根をつまみながら、むしろ和やかに「ごくろうさん」と肩を叩き合うような感覚。祝勝会というより「当然の勝利を穏やかに確認する」という余裕タップリの一夜であった。
熊本3
(もりあがるクマ蔵 1)

 ところが翌朝、熊本から東京に帰る段になって、ケム蔵はニワカに余裕がなくなった。台風の動きが予想より速く、また予想より東よりになって、名古屋から首都圏方面をうかがっている。九州の空港より、むしろ名古屋や羽田空港が問題で、午後からは羽田の発着便に欠航の可能性が出てきた。
 もっとも、そこは旅慣れたケム蔵のこと、すでにこの成り行きを昨日のうちに察知して、搭乗する飛行機を変更。会社からもらっていたチケットでは熊本13時発、羽田到着15時。ケム蔵は先手を打って、熊本11時発・羽田12時半の便に変更しておいたのである。
 20日の台風情報を見るかぎり、21時午後に東京は「風速15以上の強風圏」に入る。ならば、正午過ぎには羽田に着いていた方が無難。ま、当然の判断であるね。
熊本4
(もりあがるクマ蔵 2)

 ついでに言うと、台風の進路についての気象庁判断にも首を傾げるものがあった。今井君はすでに数百歳の古老であるから、「近畿から中部に上陸の恐れ」という台風予報を見ながら、「もっと右曲がりに進むんじゃないの?」「直撃を受けるのは首都圏じゃないの?」と予感していた。25年前、大好きなマンガに「右曲がりのダンディー」というのがあったけれども、まさにそれである。
熊本城
(台風の接近する20日の熊本城)

 この辺の判断材料は、すべて小学校低学年で熟読した「小学館の図鑑シリーズ」。台風や地震に関しては「気象と天文の図鑑」「地球の図鑑」の2冊が全てであって、中学校や高校地学の時間に習ったことはみんな頭から消えてしまったけれども、今井君の行動は図鑑シリーズの基礎が盤石だから、決して判断を誤らない。
 ただし、さすがのケム蔵も一昨日から昨日にかけての台風の成長は予測もつかなかった。昨日の940hPaとか、上陸時の950hPaなどというのは、古老・今井ジイにも予測不能である。だいたい、「戦後最大級」などという触れ込みの大型台風でも、首都圏に接近するころはもうヘトヘト、というか酔っぱらってヘロヘロになっているのが普通のはずである。
熊本5
(もりあがるクマ蔵 3)

 案の定、JALは21日午前のうちに「午後15時以降の羽田発着便の欠航」を決めた。後からニュースで見た所では、ANAも同様の措置をとったらしい。熊本発11時への変更は、「最後の脱出ルート」だったのであり、羽田着12時半というのも「台風による帰宅困難」に巻き込まれないタイムリミットだったのである。
 熊本からの飛行機は、四国と紀伊半島の上空を抜け、知多半島→御前崎→伊豆大島→房総半島を経由して羽田に向かう。まさに台風の真上を西から東に横断するのだ。四国あたりから前方に高く濃密な雲が現れ、眼下の雲は一面ヨーグルトの海のように見えた。
 間もなく飛行機はそのヨーグルトの海に突入、その後約1時間は視界ゼロの中を飛行し、今井君の長い飛行経験でも初めてという、前代未聞の大きな揺れが続いた。
熊本6
(もりあがるクマ蔵 4)

 着陸予定時間になっても、一向に着陸態勢に入らない。機長のアナウンスは
「羽田空港のちょうど真上に大きな雷雲があり、滑走路が閉鎖中。雷雲が移動してからアプローチするので、しばらく房総半島上空で旋回する」
と伝え、暴風雨圏に巻き込まれる直前の空を、激しく揺れながら延々と旋回。幾重にも重なった分厚い雲のスキマから地上を見ると、まさに目もくらむ思い。客室乗務員も全員着席して、アナウンスも若干緊張している。
 着陸は、普段と全く別のルートで、葛西臨海公園の上空を北から南にアプローチ。すでに激しくなった雨の中、初めて見る大きな水しぶきを上げながら無事着陸したときには、機内の乗客から拍手がわき起こるほどであった。

1E(Cd) Alban Berg Quartett:BRAHMS/CLARINET & STRING QUINTETS
2E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE & PIANO
3E(Cd) Muti:VERDI/FOUR SACRED PIECES
4E(Cd) THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY トルコの軍楽
5E(Cd) THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY トルコの軍楽
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