Thu 110825 村田兆治氏と遭遇 マサカリとクサカリ、記憶の奔流 山口県新山口で講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 110825 村田兆治氏と遭遇 マサカリとクサカリ、記憶の奔流 山口県新山口で講演会

 そろそろ秋の講演会ラッシュが始まるから、「長い猛暑も今週末が最後か?」という予報が出ていたある日、大汗をかきながら近くの床屋に出かけた。オペラシティに近い、甲州街道沿いの店である。前回の床屋は河口湖合宿の直前で、髪ボウボウのまま2週間もギリシャを練り歩いたけれども、1ヶ月半ぶりで5mmの丸刈りスッキリ君になった。
 60歳代前半と思われる上品な夫婦がやっている店で、尋ねてみたら「東京オリンピックの頃、父親が店をオープンしました」とのこと。東京オリンピックではマラソンが甲州街道を走ったから、アベベも円谷も君原も、伝説の大ランナーがみんなこの店を横目に見ながら走ったことになる。
山口
(9月19日、山口県新山口駅前での講演会)

 スッキリグマが完成して店を出ようとしていると、身体の妙にデカイ男が、陽気に挨拶しながら入ってきた。床屋の奥さんも嬉しそうに絶叫して、「あなた、村田サンよ、村田サン!!」とダンナを呼んだ。
「おお、久しぶり!!」と、ダンナと「村田サン」が肩を叩き合う。
 見ると、「村田サン」は元ロッテ・オリオンズの大投手・村田兆治である。諸君、「マリーンズ」などというのは、我々の世代の頭の中にはない。ロッテはあくまで「オリオンズ」であって、落合博満だって村田兆治だって、みんな川崎球場の名選手なのである。あの村田サンが、こんな小さな床屋の椅子にすわって、嬉しそうにエプロンをかけてもらっている。
 現役当時、日曜日ごとに登板するから「サンデー兆治」であり、「サンデー兆治」は、知らぬヒトもない豪速球投手。足を高く上げたあと、一瞬停止するように見える独特の「マサカリ投法」で一世を風靡。「マサカリ兆治」と呼ばれた、たいへんなオジサンである(知らないヒトはYouTube参照のこと)。
 ここで今井君は、1992年高倉健主演の映画「居酒屋兆治」を連想。居酒屋兆治は、最近の渡辺謙主演のドラマもあった。サンデー兆治も、マサカリ兆治も、居酒屋兆治だって、豪快で力任せに生きる剛胆さが通じた、懐かしい昭和の象徴である。
達筆
(達筆に感心する)

 そのマサカリ投法を、「ずっとクサカリ投法だと勘違いしていた」という御仁を今井君は知っている。草刈り投法、そりゃまたひどく牧歌的な、たくさん虫に食われそうな投げ方である。考えただけでムヒが欲しい。目の前の村田サンには決して知らせたくない情報だ。
 一方、その正反対の御仁もケム蔵の知り合いには存在する。俳優・草刈正雄のことを、過去30年近くにわたって「マサカリ・クサオ」だと信じ込んで生きてきたというのである。「クサカリ・マサオ」と「マサカリ・クサオ」だから、まあ似たようなものだし、日本語を母語としないヒトビトなら、ほとんど区別なんかつきそうにない。
 しかし「マサカリ・クサオ」とは、これもまた非常に牧歌的というか、「そのマサカリで、いったい何を切ってきたの?」「どうして君のマサカリはそんなに臭いの?」というイヤな会話に発展しかねない。
 つい3年ほどまえ、そのマサカリ・クサオだったか草刈正雄だったかの娘さんが、他ならぬ東進のポスターやCMに登場したことがある。東進のイメージキャラクターと言えば、かつて加藤あいの時代があり、鈴木杏の時代が長く続いたが、そこにチョコッと草刈正雄のお嬢さんが顔を出し、ブースでヘッドフォンをつけて受講中の生徒を演じたのであった。
 こんなふうに今井君は、いま目の前に腰掛けた村田サンとの多岐にわたるお付き合いがある。サンデー兆治に居酒屋兆治、マサカリ投法とクサカリ投法、クサカリマサオにマサカリクサオ、そのお嬢さんのCMまで、今井君の成長に合わせて変幻自在な連想を繰り広げてくれる、まさにマジック・オジサンだ。
反対方向から
(新山口講演会、反対方向から)

 こういう出会いに気をよくして、5mm丸刈りにしたスッキリ君は、9月19日、山口県新山口駅前で久しぶりの講演会に臨んだ。昼の飛行機で福岡に入り、福岡の宿泊先で2時間。今日はホテル日航福岡である。夕方から新幹線で新山口へ。博多-新山口は、のぞみなら30分チョイしかかからない。
 遥か南の海上には、台風15号と台風16号が意地悪な2つの目玉焼きみたいに、延々と渦を巻いている。「何をウズウズしてるんだ?」だが、もちろん「ウジウジ」に引っ掛けたオジサマギャグなのであるから、無視しないでチャンと笑いたまえ。
 特に台風15号の方は、イジけたまま5日も6日も経過。同じ所でグルグル回りながら
「高気圧クンが意地悪するから前に進めないんだ」
「悪いのは3つの高気圧クンたちだ」
と訴えかけてくる。
 それは確かにその通りで、目玉焼き台風クンたちばかりを責めるのは、一種のイジメである。悪いのは、高気圧クンたち。あと、なかなかスピーディに運んでくれない偏西風クンも悪い。気象予報士のお兄さんやお姉さんもチャンと分かってあげないと、ますます15号君はイジけて悪さをしかねない。
 こういうふうで、今日の講演は天候を大いに心配した。普通の雨でも欠席者は増える。まして接近しているイジケ虫は、目玉焼き型の台風2つ。「局地的豪雨、猛烈な雨に注意」と予報士は繰り返し、ニュースキャスターも「河川の決壊が心配ですね」と表情を暗くする。
開会前
(開会2時間前。台風なのに満員になるか、チョイ不安である)

 しかし諸君、始まってみると、久しぶりの今井講演は160名の出席者でパンパンの満席。会場は新山口駅前の「山口グランドホテル」、普段は目出度い結婚式でごった返す老舗ホテルであるが、この日の夕方は今井君の話を聞こうと、台風をものともせずにたくさんのヒトが集まってくれた。
 高1高2の生徒が中心で、保護者の出席も30名ほど。地元の高校の先生がたも出席して、会場はおなじみ「90秒に1度の大爆笑」に包まれた。もし高3生の出席も認めたら、300名とか400名とかにもなりそうな勢いであったが、もともと会場のキャパシティが150名。補助席として椅子を急遽10脚持ち込んで、何とか持ちこたえたのである。
保護者の姿も
(保護者の姿も目立った)

 終了後、同じ山口グランドホテル内の和食屋さんでお食事会。大好きな山口の日本酒「獺祭」を飲みつつ、主催者側のスタッフの皆さんと1時間ちょっと歓談した。スタッフの中には「代ゼミ時代からの今井先生の大ファンで」という方もいらっしゃって、大いに楽しい食事会になった。
 こうして、5mm丸刈りスッキリ君はホクホクしながら福岡に帰ることができた。翌日が熊本県玉名で講演なので、この慌ただしい移動も仕方がなかったのである。次回の新山口公開授業は、山口グランドホテルにそのまま宿泊して、ぜひ夜が更けるまでタップリ語り合いたいものである。ここは下関も近い。冬なら、フグもいいですね(ロカ岬→シントラの話の締めくくりは明日に延期します)。
花束をもらう
(最後に、花束をもらう)


1E(Cd) Jandó & Hungaricus:MOZART COMPLETE PIANO CONCERTOS⑥
2E(Cd) Jandó & Hungaricus:MOZART COMPLETE PIANO CONCERTOS⑦
3E(Cd) Jandó & Hungaricus:MOZART COMPLETE PIANO CONCERTOS⑧
4E(Cd) MYRRA
5E(Cd) Brian Bromberg:PORTRAIT OF JACO
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