Sat 110730 夏の中年オジサンは、ビールに甲子園で自堕落生活 能代商の勝利に涙する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 110730 夏の中年オジサンは、ビールに甲子園で自堕落生活 能代商の勝利に涙する

 8月3日から神戸→熊谷→高松と回り、7日の夕方に代々木上原に戻った。6月9日の南浦和から始まった夏の講演会ラッシュも、最後の8月10日・沖縄県沖縄市を残すのみとなった。いやはや、さすがに疲労を隠せない。
 しかし、疲労も悪いことばかりではない。達成感は十二分だし、ダイエットも順調に進んだ。仕事を利用して6kgのダイエットが成功すれば、「要するに男は仕事に励むのが一番」を実感。写真で見ると、おお、確かにクマ蔵流・仕事ダイエットはうまくいったようで、「あれれ、足が長くなったな」と、思わずウットリしたりする。
 8日と9日は講演会の谷間なので、夏休みの中年オジサンらしく「昼は高校野球を見ながらビール、夜は飲み会で焼酎に日本酒」という自堕落な2日を満喫した。8日午前中にニャゴロワを病院に連れて行った以外は、ほぼ100%完璧な自堕落生活である。
 ニャゴの病状は良好。「生きられて、あと100日かもしれません」と宣言されてから240日が経過したが、「腎臓病のネコはどんどん痩せて細っていきます」のはずが、またまた体重が増えて、獣医さんは驚きの声を上げた。かっか。このニャゴロワが病気なんかに負けるはずはないのである。
ニャゴと観戦1
(ニャゴも一緒にテレビで高校野球観戦)

 甲子園の秋田代表は能代商。クマ蔵の心にも、秋田県の13年連続初戦敗退が重くのしかかっていた。意外かも知れないが、秋田県は大正4年の第1回大会で準優勝(秋田中)した、かつての強豪県だ。
 ベスト4もベスト8も何度も経験した、過去の秋田県を記憶している県民は、高校野球大好き。「14連敗!! 連敗ワースト新記録は秋田県」などという文字が新聞紙上に踊るのは耐えがたい。昨年の1回戦、鹿児島実にヒット23本も打たれて0-15で大敗したときは、「もう高校野球なんか、この世に存在しないフリをして生きていこう」と、クマ蔵は決意したほどである。
またダメか
(またダメかもしれない 1)

 しかしやっぱり夏がくれば、県大会の結果が気にかかる。母校・秋田高校があっという間に敗退(Mac君、「はいたい」→「歯痛い」→「這いたい」って、そりゃフザケ過ぎ)。秋田商や金足農や秋田経大付(現在は「明桜」)がどんどん負けて、決まった代表は、去年と同じ能代商だ。
「ついに新記録・14連敗達成なの?」
「えー? また23本ヒット打たれて、自分たちはたった3安打で、3塁も踏めなくて、屈辱的な思いをしなきゃいけないの?」
「お隣の青森県の新聞(東奥日報)コラムに、秋田の野球について、また屈辱的なコトを書かれなきゃいけないの?」
 代表が能代商に決まった時、今井君は東進・河口湖合宿の真っただ中。諸君、河口湖「美富士園」のロビーで新聞をめくりながら、クマ蔵は「あ」に濁点が4つも5つもくっついた絶望の叫びをあげたものである。
ニャゴと観戦2
(またダメかもしれない 2)

 しかも、諸君。クジ運がまたまた絶妙で、相手は去年と同じ鹿児島代表・神村学園。昨年の0-15の再現は確実だ。恐る恐る戦力を調べてみると、超強豪ぞろいの九州地区でもトップクラスの評価。春の九州地区大会も準決勝まで勝ち進んでいる。甲子園では優勝候補ではないが、上位進出は確実なチームのうちの1つ。うにゃにゃ。今井君の暗い絶望を理解していただきたい。
 過去、秋田代表の夏の実績は以下の通り。秋田高 9勝 /金足農 7勝/秋田商 7勝 /秋田経大付 6勝/秋田市立 3勝/秋田工 2勝/能代高 2勝。秋田市内以外のチームが代表になって、勝利した経験のあるのは能代高だけである。
ビールネコ
(冷凍庫で15分冷やしたグラスで、夏のビール天国)

 以上のような経緯で、8月8日、能代商業vs神村学園の試合は「見ない」とクマ蔵は決意していた。「鹿児島県勢への雪辱を期して、苦しい練習を乗り越えた」と地元新聞が細々と伝えていても、全国紙のスポーツ欄では「秋田県代表は眼中にない」という扱いである。
 朝日新聞なんか、ウワベでは「同じ高校生じゃないか」「あきらめない姿こそ美しい」と気取った顔をしていても、試合予想を見ると「投打とも、神村学園の優位は動かない」。むしろウキウキ&ワクワクしながら「秋田県勢、14年連続初戦敗退」を楽しみに待っている気配さえ漂っている。
 チームの大黒柱、エースの保坂君の写真を見ても、「こんなに細くて大丈夫なの?」というぐらい細い。クマ蔵のダイエット分を分けてあげたいぐらい細い。去年も2回だったか3回だったかでノックアウトされてしまった、同じエースがまた出てきたのだ。こりゃ、「見ちゃダメ」もいいところだろう。
ニャゴと観戦3
(ニャゴも真剣だ)

 幸い、午前中はニャゴの病院の件があったから、「居ても立ってもいられない」という状況は避けられた。獣医さんが歓声を上げたニャゴの体重は5.75kg。1ヶ月前より500gも増加して、「ホントのホントに腎臓病?」という奇跡の回復ぶりを見せた。このニャゴの回復分も、能代商の保坂君に分けてあげたい。
 12時、病院から帰宅。そこに、もう1つの奇跡が待っていた。恐る恐るつけてみたテレビのスコアボードには、能代商1—3神村学園。まだ試合は中盤、5回か6回だが、「まだ3点しか取られていない!!」。うーん、かつての強豪県がこんなことで嬉しくなるようじゃダメなのだが、とにかく15点とか、ノーヒッターとか、極端な屈辱は恐れなくてよさそうだ。
あきらめない
(あきらめない)

 奇跡は続いた。6回表、4連打に犠牲フライに相手エラーも絡んで、一挙に4点。諸君、秋田県代表チームが「一挙に4点」などというのは、この14年間の夏の大会ではほとんど見られなかった快挙。春のセンバツでは2度ベスト8になったが、夏となると優勝候補のクジを引いてしまうことが多くて、クマ蔵は毎年涙をのんできた。
 6回を終わって、スコアは5—3。そのまま試合は進む。8回ワンアウトから、クマどんは「あと5人」「あと4人」と祈るような気持ちになって画面を見つめた。細い細い保坂君のスタミナが心配でならない。
 「ゴハンは必ず2杯食べることが目標」と言う彼。おお、この細さも当たり前だ。クマ蔵が中学・高校生のころは、「ゴハンは8杯までで何とかヤメる」が努力目標。オカズなんかほとんどなしでも、どんぶり飯5杯は平らげた。だからムダに太っちゃったわけだが、ニャゴとクマ蔵の充実した肉体を、ホンの少しでいいから分けてあげたい。
 ついに試合は9回。能代商はここまで10安打。よく打ったし、よく守った。しかし、神村学園の打線は1人1人が一騎当千。9人全員、もし秋田に来たら4番を打てるほどの強打者である。保坂君は、緩急をつけて9回まで何とか抑えてきたが、最高球速130km台前半。いつ連打を浴びてもおかしくない。
行けるかもしれない
(行けるかもしれない)

 中年以上の秋田県民は、ほぼ全員が固唾を飲んで「あと3人」を見守ったことだろう。学力テスト全国1位が何年連続したって朝日新聞は褒めてくれないが、甲子園で14連敗すれば、間違いなく大きな活字で囃し立ててくる。それより何より、若い県民が「秋田県なんかダメなんだ」と自信をなくしてしまう。
 「もう、他の県から有望選手を集めてこなきゃ」という絶望的な声が上がり始め、「5年でベスト4を目指す」と宣言して、高校野球強化のために県の予算もついた。その予算額133万円♡。しかし133万円だろうと何だろうと、他の都道府県から有望選手をたくさんスカウトしてきて勝つんでは、ベスト4にも決勝進出にも、今井君はあんまり価値も感じない。
 最後の1人をピッチャーゴロに打ち取り、細い肉体でよく踏ん張った保坂君からファーストにボールがわたる。この瞬間のクマ蔵の喜びは、滅多なヒトには想像できないはずだ。
 14年前、秋田商のエース石川(現スワローズ)が、浜田高校のエース和田(現ホークス)に投げ勝った1勝以来、県民が長い時間をかけて育ててしまった重苦しい遺産は、こうして「ほうほうの態」で解消されることになった。ホントにホントにありがとう、である。
ニャゴも涙目だ
(よかったにゃ。ニャゴどんも涙目だ)

 しかし、諸君、もっとメシを食おう。「ゴハン2杯食べる努力」じゃダメだ。「8杯でヤメる努力」で、モリモリ食おうじゃないか。河口湖・美富士園の仲居サンも心配しておったぞ。「毎年毎年生徒サンたちを見てますが、だんだんオカワリの数が減ってきたような気がしますね」。仲居さんに、そんな心配かけるようじゃダメなりよ。

1E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 1/2
2E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM 2/2
3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.1
4E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.2
5E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.3
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