Sun 110717 合宿2日目 確認テストは平均90%超 スタッフの焦りと、テキストなし音読 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 110717 合宿2日目 確認テストは平均90%超 スタッフの焦りと、テキストなし音読

 合宿2日目からは(スミマセン、当分の間「昨日の続き」が連続します)、1日目のちょっと強引な離陸を受け、いよいよ水平飛行に入る。1日に90分授業が3コマ、そのあと音読と個別学習に1時間半を費やし、確認テストが3回。3レッスンごとに「まとめテスト」もある。

 2日目の教材は、1時間目が「不定詞」2時間目が「動名詞」、3時間目が「会話文読解問題」が主要テーマである。

 難関は1時間目の「不定詞」。50分程度で文法問題20問を完全解説しなければならないが、for there to be …に関わる問題が1問、いわゆるtough構文に関する問題が3問含まれている。平均して1問2分の中で、こんな難しいテーマを解説しきるのは、クマ蔵みたいなベテランでも至難のワザである。
読解1問
(読解1回分、約20分で解説する分量。河口湖にある「猫のダヤン」ミュージアムのリーフレットをしおりに使用中)

 確認テストの難易度は、講師が見ても「ホントに大丈夫なの?」というぐらい高いが、それでも回を追うごとに、クラスの平均点は高くなっていく。例えば、2011年第2期クラスでは、1回目44.1点、2回目45.3点、3回目46.3点、4回目47.3点(50点満点)。冗談みたいに、クラス平均点が1点ずつ上昇し、「あれれ、このままでは全員満点になっちゃうよ」という勢いになる。

 下の写真で示すとおり、制限時間15分でこなすには大変そうな分量だが、分量だけでなく(繰り返しになるが)難易度は驚くほど高い。授業で解説した内容をほぼ完璧に記憶していないと、満点なんか不可能なように制作されている。
確認テスト
(確認テスト1回分。これ14回やっただけで、夏期講習2講座分ぐらいありそうだ)

 ところが、それでも平然と満点を取りつづける生徒が、90名中5~6名は必ず存在する。私の記憶が確かならば、昨年2010年の生徒で「石川サン」という女子生徒が、確認テスト最終回but oneまで13回連続満点をとり続けて、尊敬の的になっていた。懐かしいですなあ、鹿賀丈史の「料理の鉄人」、「私の記憶が確かならば」。仲谷昇の「カノッサの屈辱」も懐かしいけど。

 その石川サンでも、「あわや全回満点?」「パーフェクト?」と思われた最後の最後の確認テストで2問落としてしまった。確認テストの合計得点は、最終日のクラス閉講式で表彰対象になるのだが、石川さんは最終回に2問落としたせいで、諸君、クラス第3位に沈んでしまったのである。それほど拮抗したキツい競争が、ハイレベルクラスの中では進行中なのだ。
今井君の部屋
(ホテル美富士園902号室、今井君の雑然としたお部屋)

 それを「くだらない」「テストの点数なんかで俺たちは燃えないぜ」と突き放すのは、うーん、完全に時代遅れ。「テストの点数」とか「紙切れ一枚に身を託す」ことのバカバカしさをフォークソングにして、その程度のことで社会を批判したつもりになれた平和な時代は、遠い過去に終わったのである。

 熱くなる対象がテストの点数であれ「紙っきれ1枚」であれ、体育祭であれ文化祭であれ合唱コンクールであれ、なでしこジャパンであれ甲子園であれ、とにかく熱くなる対象をつかめないで七転八倒しているのが現代の病なのだ。諸君、テストの点数に熱くなりたまえ。紙っきれ1枚に夢中になりたまえ。希望はその先にいくらでも開けてくるのだ。
テレビ河口湖
(ローカル局「テレビ河口湖」では和太鼓演奏を中継していた)

 ディクテーション5問と文法問題20問を、演習時間も含めて何とか70分で完了できても、残り20分で長文読解問題1問を理解させなければならない。この20分には「生徒たちが自分で問題を解いてみる時間」=8分が含まれる。残った12分で、25行の本文と7つの英文選択肢を解説することになる。

 前日の生徒たちの睡眠時間は4時間程度。長時間バスに乗ったり、初対面のクラスメートと同じ寝室で寝なければならなかったり、大広間で食事の時間も音読に励んだり、肉体的にも精神的にも疲労の極に達している。この状況で、文法解説やディクテーションを70分もこなし、その後に「さあ、いよいよ長文読解」は余りにもキツイ。

 だから、どんなに楽しく面白い授業を展開しても、ふと睡魔に襲われたり、睡魔の餌食になり気を失って机に頭をぶつけたり、低くイビキをかいたりする生徒が出始める。「爆笑90分に1回」の今井君でも、このシチュエーションで90名以上の生徒を睡魔から守れるほどの神業は持ち合わせていない。

 2日目の午後からは、スタッフに机間巡視をお願いしている(Mac君は「帰還準氏」。おお、中国人の準サンが宇宙から帰還したんですか?)。今井君の授業中も、常にスタッフが机と机の間を歩き回って、眠そうな生徒や気を失っている生徒がいれば、「起きなさい」「授業に集中しなさい」という意味で背中をポンポンたたいてあげるのである。
夕暮れの富士山
(夕暮れの富士山。あれれ、左側にUFOみたいな怪しい雲が)

 こういうふうで、2日目の午後ぐらいから、指導する立場のスタッフの顔に明らかな焦りの表情が浮かぶのである。

「4泊5日の合宿で、生徒たちの学習意欲に革命を起こそう」
「ひと夏で生徒は変われるはずだ」
と、スタッフはみんな激しい意気込みで参加するから、合宿開始24時間後の生徒たちが
「眠くて眠くてたまらない」
「授業は面白いけど、長文になるとどうしても眠くなっちゃう」
という限界を露呈すると、スタッフの焦りは頂点に達する。
怪しい雲
(UFOふうの渦巻く黒雲、拡大図)

 ここで絶対避けなければならないのは、スタッフの長いお説教。
「どうしてキミたちはその程度なの?」
「何のために合宿に参加したの?」
「自分の限界を突き破るためじゃなかったの?」
の類いである。数年前、「そんなことなら、合宿なんか来なきゃ良かったじゃん」という最悪の発言がスタッフの口から飛び出したこともあった。

「5日で生徒を生まれ変わらせる」の計算が崩れはじめた焦りが最大限に来ると、「ボクの経験ではぁ…」が始まる。25歳にもなっていない若者が「ボクの経験」「アタシの経験」を語り始めると、すでに800年も生きている今井じいさんは、「悪い流れを止めるのはこのあたりだ」と判断する。

 だって、確認テストの平均点は90%を超えているのだ。教材もテストも、ハッキリ驚くほどのハイレベルだ。初対面のヒトに囲まれ、食事や寝室も初対面の友人だらけで、ほとんど眠れていないのに、1回か2回ふと居眠りをしただけで「だったら合宿なんか来なきゃよかったじゃん」は可哀想すぎる。スタッフの焦りはわかるが、たった24時間で生まれかわれるなら、それこそ合宿なんか不必要だ。
テキストなしの音読
(テキストなしの音読風景)

 そこで今井君は「テキストなしの音読」をスタッフに指示する。生徒たちも、音読のリード役をつとめるスタッフも、テキストを下において、テキストを見ないで音読するのだ。おお、彼ら&彼女らは、テキストを見なくても音読ができることを確認して、お互い自信を深めるのである。

 テキストを見ながらの音読は、まだまだ発展途上。しかし、ネイティブ録音のCDにリードされながらであっても、文字に頼らずに音読できることに気づけば、それこそ本格的英会話まであと1歩。クラス平均90%以上の自信に、「あと1歩だ」の自信が加わって、音読の勢いはどんどん加速度がついてくる。第2日の夜が、まさにそれである。
夕食2日目
(2日目の夕食。またまた油物満載である)


1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN⑤
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN⑥
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN⑦
4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN⑧
5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN⑨
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