Sat 110716 合宿第1日 2つの開講式 短い挨拶で訴えること 食事の席もひたすら音読 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 110716 合宿第1日 2つの開講式 短い挨拶で訴えること 食事の席もひたすら音読

 東進河口湖合宿第1日は、13時からの全体開講式で始まる。2000名のうち、今井君の担当する「ホテル美富士園」は1期も2期も生徒350人、4クラス構成。今井クラスがハイレベルで、他の3クラスはスタンダードレベルである。

 もっとも、ハイとかスタンダードとか言っても実力の差は紙一重。3回か4回の模試の平均点でクラス分けをして、ハイレベルに入るにはセンター模試平均150点が必要である。

 全体開講式は大広間で行われる。宿舎長に任命されたスタッフ代表1名、旅館の代表者、あと講師4人が挨拶するのだが、この4年間「美富士園」担当講師は不動のメンバー。この4名の挨拶の簡潔さは、講師挨拶のお手本とも呼ぶべきものである。1名平均1分もかからない。
教室での音読1
(教室での音読 1)

 一般に「先生」と名のつくものは、「話し始めたら止まらない」ということを自分の長所だと思っていたりする。実社会に出れば、話が長いのは間違いなくマイナス評価の対象なのだが、残念ながら「先生」は実社会経験が少ないのが普通。「話し始めたら止まらないヒト」は上司からも部下からも「軽くて甘い人物」と見られてしまうのに、実社会経験が少ないから、それがわからない。

「美富士園」担当講師4人は、そういうワナとは完全に無縁だ。話が長くなりそうな若いスタッフには「話は短く」「簡潔に」「1分で終わるのが理想」と背中に声をかけてあげるほどである。

 今井君なんか、「講師挨拶」というわりに30秒で完了。生徒350名とともに「ポンッ!!!」「タアアアーッ!!!」と絶叫して、それで終わりである。

「カラ元気でもいいから、とにかく大きな声を出そう」
「恥ずかしくても構わない。スタッフのリードに合わせて大きな声で音読することに集中しよう」
というメッセージを凝縮すれば、「ポンッ」「タアアアーッ!!!」の2つの絶叫に集約されてしまうのだ。
大広間舞台
(カラオケセットも完備の大広間舞台。今井君はこの舞台で「ポンッ!!!」「タアアアーッ!!!」をやる。背景のカキツバタが嬉しい)

 全体開講式が終わると、クラス開講式に移る。7月21日から25日の第1期は90名。26日から30日の第2期はちょっと多くて98名。開講式ばっかりやっているみたいだが。彼ら&彼女らと5日間ずっと一緒に過ごすのだから、スタッフと講師がチャンと考え方を語っておくのは重要である。

 今井君がここで話すのは4点。
(1)合宿用テキストのマスターに全力を注ぐこと。他の教材や辞書は5日間決して参照しないこと。常にテキストを携帯し、食事や入浴を待つ時間も音読に励むこと。もちろん私語厳禁。普段なら私語する時間も、全て音読に費やすこと。

(2)授業開始時と授業終了時は、必ず全員で拍手すること。講師に拍手するというより、自分のメリハリを付けるために有効。かつて河合塾浪人生クラス(大学受験科)にはこの伝統があり、伝統はキチンと効果を出していた。

(3)「自分だけが出来ない」「自分はハイレベルクラスになんか入れる人間ではなかった」というオビエに屈しないこと。キミだけではない。ほぼ8割の生徒が、同じことにオビエている。要するに、不安に苛まれているキミこそ、このクラスの中心メンバーなのである

(4)「ハイレベルクラスなんだから、論理的思考が重要。音読とか、基礎基本の徹底なんか、ちっともハイレベルじゃない」というおかしな見栄を捨てること。ネイティブの渦の真ん中に立って、瞬間的に肉体的に英語で反応できる力がハイレベルの必須条件であって、その程度の力もない「論理的思考」なるものは、負け犬の遠吠えに過ぎない。音読せよ。音声を肉体化し、音声を血液化せよ。論理やトリビアはその後で構わない。
教室での音読2
(教室での音読 2)

 河口湖まで来るバスの中や、開講式を待つ時間に、生徒たちは「重要単語アクセント100」を学習してきている。バスでも大広間でも、常にネイティブ録音のCDが大音量で流れていたのだ。

 第1講開始前に「アクセントテスト」が実施される。その間に講師とスタッフは顔合わせと初ミーティングを行い、講師の方針を若いスタッフ諸君に伝えることになる。

 アクセントテストの採点が終わり、「一喜一憂」で早速ザワザワしている中、第1講90分が開始される。第1講は「動詞の用法」。21時15分からの第2講は「時制」。高3生なら、8月を過ぎたらもう過去問演習の季節が始まるのだから、猛スピードの基礎確認には「これが入試までのファイナルチェックになる」という意気込みが必要だ。

 もちろん、今井君の第一声は「私語厳禁」。「私語しているヒマがあるなら、英文の音読をしたまえ」。実際に、もし暗誦していれば、テキストを見ないで音読することだって出来るはずだ。ならば、入浴中も「テキストなしの音読」が出来るように、暗誦するほど音読に励むのが一番だ。
スタッフ1

スタッフ2
(夢中で音読をリードする若いスタッフ諸君)

 大広間には、1日3回の食事の時にも全員が集まることになる。諸君、350人の高校生が一堂に会する大食事会は、まさに壮観である。講師4名も、若い職員やスタッフ諸君も、もちろん生徒たちと同じ大広間で、同じ釜のメシを食べることになる。

 高校生と同じ揚げ物満載の食事を10日続ければ、体重が少々増加するのはやむを得ない。しかも、東進移籍以来7年連続してこの合宿に参加し、合宿参加は14回目を数える。すでに同じ献立を14回こなしたことになるから、もう献立までみんな暗記している。
夕食
(第1日の夕食、1人分)

壮観
(スタッフも合わせて400人分の夕食。まさに壮観、「日本は大丈夫」の感慨が湧き上がる)

 2011年、現在進行中のハイレベルクラスは、「猛烈体育会系」な男子諸君が多い。「おお、鍛えたねえ!!」と叫びたくなるほど立派な筋肉質の大柄な肉体は「ラグビー部でプロップです」「バスケ部でした」「水泳部でした」「柔道部でした」と、わざわざ言われなくてもわかるほどである。おそらく女子も同じだろう。食事の席でのハキハキ&テキパキした集団行動は、見ていて気持ちがいいほどだ。

 その気持ちよさが、授業前の音読風景にすぐに現れた。1期も2期も同じだが、スタッフが努力してムリに引っ張ってあげるまでもなく、今井がお説教する必要も全くなしに、「意地でもテキスト100回音読して帰るぞ」モードに入っている。
食事の席でも音読1

食事の席でも音読2
(食事の席でも、生徒&スタッフは音読に励む)

 こうなると、スタッフも一気に成長する。1日目より2日目、2日目より3日目、目に見えて成長したスタッフが、自信たっぷりで大きな声を張り上げている姿は、まさに胸のすく思いだ。生徒の意気込みを目の当たりに見て、若いオトナも大きくワンステップ前進するものなのである。

1E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO①
2E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO②
3E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO③
4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN③
5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART/46 SYMPHONIEN④
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