Wed 110713 新潟県長岡で講演会 評論家S島氏と新幹線で遭遇 大成功後の楽しい大宴会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 110713 新潟県長岡で講演会 評論家S島氏と新幹線で遭遇 大成功後の楽しい大宴会

 7月18日、午後から新潟県長岡市で講演会があって、東京発10時の上越新幹線に乗った。海の日、3連休の最終日であった。
 上越新幹線は、25年前のスキーブームの頃は越後湯沢までよく利用したものだが、21世紀に入ってからは、あまり乗る機会がない。金沢で講演会のとき「北陸本線→ほくほく線経由」で越後湯沢から帰京するのと、熊谷の公開授業での往復と、10年で合計10回乗ったか乗らないかである。
長岡1
(長岡での講演会 1)

 東京駅ホームに上がると、グリーン車の列の中にS島孝彦氏を発見。「書けば例外なく大ベストセラー」の売れっ子経済評論家であって、「たちまち10刷!!」とか「大増刷出来!!」とか、出版社独特の古くさい言葉遣いが満載の広告を、新聞でよく見かけるオカタである。この出版不況の時代、まさに出版界の寵児と言っていい。
 さすがに売れっ子の評論家だけあって、この猛暑にキチンと上着&ネクタイのスタイルを守っていらっしゃる。こちらはちゃっかりクールビズで、半袖ワイシャツに(Mac君は「反訴でワイシャツ」ときた)「ネクタイは講演会場に着いてから」というダラしなさ。しかも汗だくだ。
上越新幹線
(上越新幹線。今でも懐かしいウサギさん顔電車が現役だ)

 映画「12 ANGRY MEN」を見ると、「知的な人間は暑くてもスーツにネクタイ、しかも汗をかかない」というのが欧米社会の共通認識だと痛感する。逆に、知的でない典型として描かれる人間は、ポロシャツで汗だく、のべつまくなしに手やハンカチで顔をあおいでは、茹で上がった金魚よろしく、ふうふう溜め息ばかりついている。
 「十二人の怒れる男」で最後から2番目に敗北を認める知的ブローカーは、「あなたは、汗をかかないんですか?」と尋ねられて、ごく当たり前のように一言「No」と冷たく応じる。むしろ「汗をかくような人間と思われたのか?」という心外そうな表情に見える。映画の最終盤、敗北を予感し始めた時に初めて、ひとしずくの汗が彼のヒタイを流れていくのが象徴的に描かれる。
長岡2
(長岡での講演会 2)

 というわけで、今井君は半袖シャツにネクタイなしで汗だく、手には昼飯に買った「深川めし弁当」。S島氏はスーツにネクタイで涼しげ。お弁当どころか、分厚い書物をめくっておられる。おお、これでは知性の面で全く勝負にならないのである。
 15年前、駿台から代ゼミ移籍直後の大宮校A館(B館というのもある)の講師室で、今井君はS島先生と背中合わせに座っていた。午前中、クマ蔵は「早慶上智英語」と「英文法B」。S島先生は、ネイティブのシェルダン先生とのコンビで英作文担当であった。
 国立学院予備校で臥薪嘗胆の日々を送っていた時代、今井君はS島先生の「入試英語、ここまで」を立ち読みした記憶がある。あれから6年、「おやおや、代ゼミ講師室で出会うなんて、世の中は狭いですなあ」と驚き入ったものである。
 代ゼミには「サテライン講座をいくつ担当しているか」で講師の優劣が決まるような何ともバカバカしいところがあり、移籍直後の今井君はすでにサテライン5講座。教務課のヒトたちもこちらが恐れ入るほど丁寧で、「一般講師とは別格」みたいなバカバカしい扱いを、密かにクマ蔵も楽しんでいた。
長岡3
(長岡での講演会。おなじみ「90秒に1回の大爆笑」。今や「60秒に1回」にレベルアップしている)

 そんな雰囲気の中で、毎週火曜日の大宮校の朝は「S島先生独演会」になった。「授業開始まで、まだ30分」「大宮校の生徒はほとんど質問に来ない」というちょっとだらけた雰囲気は、講師たち相手のS島先生独演会にもってこいである。
 政治経済についても国際問題についても、「そんな危ないことをズバズバ言って、ホントに大丈夫なんですか?」というほど激しい発言が相次ぐし、下手をすれば「床屋政談と択ぶところがない」と言われかねない荒っぽいトーンにもなったが、2年間、この独演会のおかげで火曜日の朝30分は大いに楽しく過ごすことができた。
 何故「2年間」なのかと言えば、まずS島先生が2年後に代ゼミを去ってしまわれたし、今井君も代ゼミ移籍3年目から大宮校に出講しなくなったからである。
 大宮校に行かなくなったきっかけは、講師室の騒がしさ。生徒や教務に対する悪口雑言が講師室内を飛び交って、予習に励むこともできない。S島先生独演会がなくなって、講師室の空気は一気に幼稚になってしまったのだ。大宮校出講の1日を、翌年から別の校舎に代えてもらった。
長岡4
(長岡での講演会 3)

 さて、長岡での講演会である。14時半開始、16時終了、出席者は300名を超えた。長岡市の人口が30万人であるから、長岡のヒトビトの1000人に1人が今井講演会に集まってくれたことになる。お隣の柏崎などからも、父母を含めたくさんのヒトが駆けつけてくれた。もちろん、この夏の公開授業の中でも指折りの大成功。スタッフの皆さんに大いに感謝する。
 会場は1950年代に建設されたという長岡商工会議所ビル。控え室も、階段も、大講堂も、全てが古式ゆかしい時代物で、300名の受講生の大爆笑があんまり続くと、「壊れてしまうんじゃないか?」という冗談に、またまた笑いが爆発した。90分ピッタリで終了。花束をもらい、終了後30分ほど写真撮影があって、そのままお食事会に移った。
長岡5
(花束をもらう)

 お食事会も大盛況。20名もの先生がたが参加し、クマ蔵としては久しぶりの楽しい大宴会になった。さすが新潟県長岡だけあって、お酒の強さにはみんな自信がありそうなのである。
 いつも書いている通り、大宴会に参加したのに「私はウーロン茶でいいです」「ボクも、ウーロン茶で。運転がありますから」の嵐になるのが一番つらい。宴会に出たなら、運転は代行業者を依頼するぐらいして、遠慮なく飲んでいただきたい。10名も20名もニヤニヤ苦笑いしながらウーロン茶で我慢している中、「さあどうぞ、さあどうぞ」とすすめられて飲むお酒は楽しくない。
 その点、この夜の長岡は最高だった。料理が出て、お酒が出て、それでもう遠慮するヒトはいなくなった。瓶ビールがいきなり30本も出てきたのに一驚を喫したが、「日本酒のオススメは、八海山と緑川です」とススメられ、ススメられた通りに「緑川」を選んで、もちろんこちらも遠慮なしに好きなだけ飲んだ。
柿の種
(元祖・柿の種をもらう)

 こういう楽しさ全開の時には、お酒はいくら飲んでもイヤな酔い方をしないものである。周囲に座ったスタッフの皆さんからは「今井先生、全く酔っぱらわないんですね」「顔に全然出ないんですね」と驚かれたが、それは心から酒宴を楽しんでいる証拠。何しろ、大成功の後の大宴会ほど楽しいことはないのだ。先生がたの熱心な教育論を聞くのも、また楽しかった。
 帰り際、「元祖・柿の種」をいただいて、ホテルニューオータニ長岡に帰館。さすがコメどころ長岡だから、米をつかったお菓子の多くの元祖はこの地方なのだ。1泊して、翌日昼過ぎに帰京。さて、1日休んだら、いよいよ10日にわたって夏期・河口湖合宿が始まる。

1E(Cd) Jandó(p) Ligeti & Hungarius:MOZART/Complete Piano Concertos⑤
2E(Cd) Barenboim/Zukerman/Du Pré:BEETHOVEN/PIANOTRIOS⑧
3E(Cd) Barenboim/Zukerman/Du Pré:BEETHOVEN/PIANOTRIOS⑨
4E(Cd) Jandó(p) Ligeti & Hungarius:MOZART/Complete Piano Concertos④
5E(Cd) Jandó(p) Ligeti & Hungarius:MOZART/Complete Piano Concertos⑤
total m64 y679 d6644