Wed 110706 那覇の夜 ハーバービューホテルのことなど 来年は祇園祭に出かけたい | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 110706 那覇の夜 ハーバービューホテルのことなど 来年は祇園祭に出かけたい

 講演会が大成功だった後は、お食事会もまた異様なほど楽しい。7月13日の那覇では、1軒目で予想もしなかったほど会話が熱く盛り上がり、そのまま2軒目にもお付き合いすることになった。
 昔の今井君なら、2軒目どころか3軒目4軒目も珍しくなくて、気がつくと東の空が白んでくるようなこともあったが、この2~3年は自重気味。「明日もまた公開授業ですから」と言い訳して、早めにホテルに帰るようにしている。おお、偉いねえ、偉すぎる。
 しかしこれほど会話が熱く弾んでくれば、那覇の夜が長くなるのは当然である。2軒目で隣に座った人物に、ナデシコやニャゴロワの写真を見せびらかしたり、「将来はシンガーになるのが夢だったが、諦めそうになっている」という打ち明け話を聞いて、ポルトガルのファド歌手MadredeusのCDを聞くようにと勧めたり、要するにクマどんのご機嫌は最高潮に達した。
ふしぎ1
(不思議な生物 1)

 ホテルに戻ったのは、日付が変わってからである。ところが悲しいかな、ホテルの部屋にイヤなニオイが立ちこめている。シャワーカーテンがニオイのモトのようだ。
 夕方にチェックインしたとき、すぐにニオイに気づいた今井君は、フロントに連絡して部屋を代えてもらうことにした。ところが、7階から8階に移動して新しい部屋に入り「さあこれで大丈夫」と思った瞬間、何のことはない、さっきの部屋と同じ悪臭に包み込まれたのである。
 汗まみれのTシャツを数枚、部屋の中に4~5日放置したようなニオイ。雑菌が湧き放題の生乾きのフキンを数枚、西日の当たる部屋に起きっぱなしにしたニオイ。要するに、どの部屋のシャワーカーテンも、陰干しの生乾きのまま使い続けているのだ。
 クマ蔵どんは特別ニオイに敏感な方でもないし、とりたてて気難しいワケでもない。しかし、沖縄ハーバービューホテルといえば、那覇では「ザ・ナハテラス」と並んで最も格式の高いホテルである。うにゃにゃ、どの部屋もこんなに生乾き臭い状況では、ホテルの名折れではないか。
 今井君は夕方、フロントに「シャワーカーテンのニオイを何とかしてくれるように」とお願いしてから講演会に向かったのである。ファブリーズでもいい、リセッシュでもいい。ついこの間も博多のANAクラウンプラザホテルでも同様のニオイがして、フロントはすばやく丁寧に対応してくれた。
 ハーバービューも同じクラウンプラザ系列。お願いすれば直ちに対応してくれるだろう。そう考えながら、ホクホク上機嫌で半日仕事に没頭し、日付が変わってからご帰館ということになったのである。
ふしぎ2
(不思議な生物 2)

 諸君、ところが、部屋は相変わらず汗まみれのTシャツを放置したニオイでいっぱい。「すぐに対処します」と愛想のいい返事をしておいて、実は何の対処もしないのは、アタシャ大嫌いだ。
 昔から、そういうのを「ネグる」という。NEGLECTのNEGに日本語の語尾「る」をくっつけた造語である。お願いして、正直に「出来ません」と断られるならいいが、「はい、やっておきます」とニッコリした上でネグるのは、許しがたい。
 早速今井君はナイトマネージャーを部屋にお呼びし、「ニオイませんか?」と聞いてみた。素晴らしく素直なヒトで、すぐさま顔をしかめて「確かにニオイますね」と頷いた。ま、あのニオイだ。知らんぷりして「別にニオイませんよ」「お客様の気のせいではありませんか?」とは言えなかっただろう。フロア責任者もやってきて「おお、確かにニオイますね」ということになった。
 ここで万が一シラバクレられたら、一悶着起こることになっただろうが、対応は驚くほど誠実であった。この辺がG京都との違い。ニオイの原因は明らかにシャワーカーテンだから、シャワーカーテンのない部屋に移動すればいいわけだ。まあちょっと部屋のグレードは上がってしまったけれども、ニオイからは完全に解放された。
 翌朝チェックアウトする時も、客室マネージャーがキチンとお詫びと挨拶に出てきてくれた。さすが、沖縄を代表するハーバービュー。立派な対応に頭の下がる思いだ。
ふしぎ3
(不思議な生物 3)

 ただし、「ハーバービュー」を名乗る割には全然ハーバーのビューがないのはどういうものか。廊下を隔てて向こう側の部屋なら、おそらく確実にハーバーがビューなのだが、今井君が足を踏み入れた合計3つの部屋は、3つとも廊下の反対側。シティビューと言えば聞こえはいいが、要するにゴミゴミした市街地が一望のモトに広がるだけである。うにゃ、廊下の左か右かで「ビュー」にこれほど格差があると、不公平感は拭いがたい。
ふしぎ4
(不思議な生物 4)

 それは、2週間前に宿泊した鹿児島の「城山観光ホテル」も同じである。廊下の向こう側なら、絶景中の絶景「桜島ビュー」。鹿児島の市街地の向こうに美しい錦江湾がキラキラ光り、その向こうに巨大な屏風のように屹立する桜島。噴煙が夏雲の上に広がるのも豪快だ。鹿児島の夜景が錦江湾に映えるのもキレイだろう。
 ところが、廊下の反対側の窓は、「大浴場の屋根ビュー」。城山観光ホテルは大浴場がウリだから、桜島を眺めながらの豪快温泉気分は素晴らしいものがあるが、「その屋根ビュー」の部屋はどうしても惨め。浴場の屋根の向こうは、竹やぶと民家ビューである。
「あーあ、反対側の部屋なら桜島と錦江湾と夜景がキレイなんだろうな」
と溜め息をつきつつ、屋根と竹やぶと民家と、民家の軽トラックを眺めて過ごす1日になる。
ふしぎ5
(不思議な生物 5)

 博多のANAクラウンプラザホテルとなると、「全室・豪華♡代ゼミビュー」に一驚を喫する。ついこの間も書いたけれども、とにかく窓を開ければ意地でも代ゼミ。10年前、まだ景気がよかった頃の代ゼミなら「全室代ゼミビュー」も悪くなかったかもしれない。しかし生徒激減期の代ゼミなんかを1日中眺めながら過ごす福岡の夜の惨めさは、想像を絶するものがある。
 そういう憎まれ口を叩いていたら、前回の博多ANAクラウンプラザホテルでは「珍しく代ゼミビューから解放される」という稀な部屋を提供された。「おお、代ゼミを見ないでいいのね」という稀少価値のその部屋は、驚くなかれ、「空調室外機ビュー」。屋上にズラリと並んだ空調の屋外機がブンブン音をたて、酔っぱらってでもいなければ惨めな気分を忘れることの出来ない、何ともはや素晴らしい部屋であった。
 美しい桜島ビューやハーバービューと比較して、代ゼミビュー/室外機ビュー/民家&軽トラビューの部屋が安い室料で宿泊できるかと言えば、どうもそういう話でもないようだ。室料はおそらくフロアごとに設定され、シャワーカーテンの悪臭で悩まされようがどうしようが、同じ料金を請求される。
ふしぎ6
(不思議な生物 6)

 大嫌いなG京都にもまあ悪くない点があって、どの部屋でも窓を開ければ美しい古都の風景が広がる。北側の部屋なら京都市街の向こうに北山を眺め、この時期なら祇園祭のコンチキチンが聞こえてきそうな雰囲気。大文字もはるかにこっちを向いて、「大文字の頃また来なさい」とニッコリしてくれる。南側の部屋なら伏見桃山方面の夜景。わずかにある東側の部屋は残念ながら新幹線ビューだけれども、その向こうには緑濃い夏の東山が広がっている。
 一昨年も、3年前も、4年前も、ちょうど祇園祭の真っ最中に京都で講演会があって、ブライトンに宿泊。山鉾巡行を3年連続で楽しむことができた(詳しくは、ブログ内検索で「長刀鉾」「山鉾巡行」を検索のこと)。
 巡行前夜、長刀鉾が祇園の街をめぐる日和神楽とも、3年連続で遭遇。巡行前夜、日付が変わる頃まで祇園「隠」で飲んで、遠くにコンチキチンが聞こえてきたら街に飛び出し、祇園のヒトビトとともに日和神楽を迎えるのである(これまたブログ内検索で「祇園 隠」「祇園 てる子」を参照のこと)。
 マコトに残念なことに、去年も今年もこの時期の京都講演会がない。もちろん物見遊山で講演会に出かけているのではないが、来年こそは3年ぶりで長刀鉾の挨拶に出かけたい。うにゃにゃ、クマ蔵はどこまでもワガママなのである。

1E(Cd) Corboz & Lausanne:MONTEVERDI/ORFEO 1/2
2E(Cd) Corboz & Lausanne:MONTEVERDI/ORFEO 2/2
3E(Cd) Festival International de Sofia:PROKOFIEV/IVAN LE TERRIBLE
4E(Cd) Schüchter:ROSSINI/DER BARBIER VON SEVILLA
5E(Cd) Cohen:L’HOMME ARMÉ
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