Thu 110630 ずっと吉祥寺 早稲田大の問題解説で知恵熱が出る やっぱりこりゃ神業だ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 110630 ずっと吉祥寺 早稲田大の問題解説で知恵熱が出る やっぱりこりゃ神業だ

 7月第1週は、吉祥寺のスタジオに籠りきりだったような気がする。実際にはそうでもなくて、土曜日は福岡・日曜日は鹿児島と、九州講演会が連続。週末は9日から長崎県島原に公開授業に出かける。吉祥寺のスタジオで過ごしたのは、火曜日、水曜日、金曜日だけである。
 しかし「火曜日、水曜日、金曜日だけ」と言ってしまえば実にカンタンだけれども、火曜日の収録は早大政経学部、水曜日は早大文学部、金曜日は早大国際教養学部、それぞれ2011年に出題された全ての問題の解説をこなしたのだ。
 当然、予習だってたいへんだ。予習なしで授業をこなすのを自慢げに語る言語道断な講師もいるが、そんなのは絶対に何の自慢にもならないどころか、単なる恥さらしに過ぎないから、今すぐヤメた方がいい。いつも今井が言っている通り、講師の予習は「どの部分の解説を我慢するか」「どうやって制限時間内に収めるか」の検討である。
足の長いネコどん
(腕の長いネコどん 1)

 「予習しなくても授業ができる」というのが自慢や豪語にあたると考えるタイプの英語講師の授業は、1行ずつノンビリ訳しながら、思いついたことや話したいことを全部話して聞かせるだけなのだ。その程度なら、出来ないほうがおかしい。というか、その程度が出来なかったら、講師採用試験にだって合格できない。
 目の前の生徒たちのセンスが余り場合は、それだけで十分「カッケー♡」「カッケぐね?」と喝采してもらえる。「とても丁寧な授業だった」ということになるだろうし、たとえテキストを半分しか終われなくても、「量より質だ」とゴマカすこともできる。
 しかしそれは、シロートの講師とシロートの生徒集団が、力を合わせて作り上げるゴマカシの世界。マトモな講師なら「どの部分の解説を我慢して、テキスト全てを時間通りにこなすか」を常に設計している。センスのある生徒は、「先生は、あの部分の解説をどれほどツライ思いでカットしたか」をいつでも理解しているものである。
 だから、今井君の予習は「どの部分の説明をどう簡潔に切り上げて、決められた時間内に解説を完了するか」に凝縮される。だって諸君。早稲田政経の例のたいへんな長文読解問題を、1問50分で解説しきらなければならないのだ。本文だけで80行、設問が8問。それを50分で解説。よほど予習をしっかりやらなければ、授業は延長に次ぐ延長、50分どころか200分かかっても、たった1問の解説が終わらない。
腕の長いネコどん
(腕の長いネコどん 2)

 ところが、今井君は奇跡的というか、「まさに神業」と呼ぶべきか、早稲田政経の長文読解問題3問とも、すべて50分ピッタリで解説を完了してみせたのである。諸君も赤本なり予備校HPなりで早稲田政経2011年の問題を調べて、これ1問50分で解説できるかどうか、いったいどうすれば今井の神業が可能になるのか、じっくり考えてみたまえ。
 繰り返すが、3問とも、本文80行、設問8問。受験生たちは、これを25分で解かなければならない。は? 間違いない、25分である。25分の内訳は、本文の読解に7分、設問1問2分 → 8問で16分という計算である。
 ということは、試験本番で生徒たちに要求される本文読解速度は「1分に11行」。割り算すれば、1行5.4秒。駿台予備校の授業みたいに、50分もかけて10行しか進まない「もったり&もったり読解」では、とても太刀打ちできないのだ。
 7月5日火曜日、ちょっと風邪気味で声を嗄らしていた今井君が、まず第1問をピッタリ50分で解説を終わった時、スタッフから大きな歓声が上がった。まさか、ホントにこれほどの問題を50分で解説し尽くしてしまうとは、スタッフでさえ誰もホンキでは信じていなかったのである。
 だって、内容だって決して侮れない難解な話ばかりであるよ。第1問は「都市の健全な衰退と縮小を考える」。言わば「衰退経済学」である。20世紀は成長と拡大と発展の時代。21世紀の先進国は、膨張しすぎた都市や国家が、衰退や縮小をどうプラスに転ずるかを論ずる時代。デトロイトやクリーブランドやライプツィヒのような、衰退先進都市とも呼べるような都市の実例を見ながら、健全な衰退と縮小を考える文章である。
 第2問も侮れない。「平気で法令を破るヒトビトの心理と中和理論」でござる。第3問は詳しく書かないことにするけれども、その難解さは第1問・第2問に勝るとも劣ることはない。受験生には、知力ばかりか、体力と忍耐力と「つかんだら離すな」というネチっこい攻撃性とが必須である。
箱に入りきらない
(デカすぎて、箱に入りきらない)

 6日水曜日に解説した早稲田文学部も、問題のネチっこさでは全くヒケをとらない。ミケランジェロを中心に、ルネッサンスの芸術家たちの孤独と苦悩を論じた英文など、大予備校の解答例にも誤りが散見されるほど、難問の連続だ。
 8日金曜日に解説した早稲田国際教養学部については、例年の膨大さ難解さが影を潜め、「あれれ、こんなにカンタンで大丈夫なの?」と解説中に何度も声を上げるほどであったが、それでもそれはあくまで「国際教養学部にしてはカンタンすぎないか?」であって、これだけズラリとならんだ超長文問題にリスニング問題を4時間で全問解説しきった今井君の疲労度は、推して知るべしである。
真夜中のニャゴ1
(真夜中のニャゴロワ)

 余りに疲労したので、本日のダイエットはお休み。恵比寿にジンギスカンを食べに行くことにした。これだけ疲労が重なれば、すでに疲労は極に達している。こんな夜に「コンニャク、豆腐、ダイコン、ネバネバ」のダイエット食では、さすがの今井君も体力がもたない。
 しかし、マコトに残念なことに、ジンギスカンはどうやら間に合わなかったのである。大混雑の恵比寿ガーデンプレイスで、ヒツジさんのお肉をむさぼり食い、ビールをガンガン流し込んで体力回復に努めはしたけれども、実はすでに火曜日後半から「これはちょっと厳しい夏風邪になるな」という予感があったのだ。
 予感は的中。ジンギスカンの後半から、今井君の身体の奥の深い深い場所に一気に広がってしまった夏風邪は、やがて激しい吐き気を伴って表面に噴出してきた。真夜中過ぎ、ついに体温は38.5℃を超え、この蒸し暑いのに、毛布に布団をかぶっても寒気に歯の根が合わない始末。さすがの今井君も、日々の予習を頑張りすぎて、激しい知恵熱に襲われたものと見える。
真夜中のニャゴ2
(真夜中のニャゴ フラッシュ付)

 ただし、ここからの回復力もさすがのクマどんだ。深夜、歯をガチガチ言わせながら、まず「熱さまシート」をヒタイと首の後ろに貼付ける。ポカリスエットを500ml一気のみする。あとは毛布と布団をかぶって「朝までどのぐらい汗をかくか」の勝負に出た。諸君、朝7時までに、Tシャツ5枚&パンツ5枚、絞れば水滴がポタポタするほどの、グッショリ汗まみれである。
 それを想像して「オゾマしい」と評するヒトもいらっしゃるだろう。確かに自分で考えても、あの汗まみれは十分にオゾマしい。しかしでござるね、朝7時、今井君は既に完全復活。体温も36.7℃まで順調に下がった。
 見よ、気がつけば羽田空港のラウンジで、11時の長崎行きが離陸するのを余裕で待っている。クマともなれば、39℃近い熱が出たって、ホントに力ずくの勝負に出て、しかも負けることなんか滅多にない。むしろダラしないのは飛行機の方であって、雨も降っていないし風もないのに、出発が30分も遅れるのだそうだ。

1E(Cd) Enrico Pieranunzi Trio:THE CHANT OF TIME
2E(Cd) Quincy Jones:SOUNDS … AND STUFF LIKE THAT!!
3E(Cd) Courtney Pine:BACK IN THE DAY
4E(Cd) Dieter Reich:MANIC-“ORGANIC”
5E(Cd) Tuck & Patti:AS TIME GOES BY
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