Tue 110524 時差ボケではないが調子が出ない スランプ脱出には音読か 新平家物語 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 110524 時差ボケではないが調子が出ない スランプ脱出には音読か 新平家物語

 うーん、時差ボケというのではないが、昨日今日とどうも調子が出ない。5月病でしょうか、いいえ、だれでも。長い間ずっと期待していた旅行が終わって、帰ってきたら早くも梅雨入りであり、台風である。情報はみんな隠蔽で、公表は一ヶ月以上遅れて「新事実」。首相は眠そうな顔でフテクされ居直るばっかりだ。
 スカッとすることがなくて、雨で、次の旅行はずっと先である。その旅行に備えて「コトバの勉強でもしようかな」ということになるかと言えば、諸君、困ったことに旅行先はギリシャ。気軽に「ギリシャ語でもやるか」は、ちょっとあり得ない発想である。
 ヨーロッパのヒトでさえ、「チンプンカンプンだ」ということを「まるでギリシャ語みたいだ」と表現する。ディケンズの小説にも「アイツは『ギリシャ語が読み書きできる』と言いかねないようなホラフキだ」という一節が出てくるぐらいだ。何となく疲れて、スランプで、やる気が出ないときに、「ギリシャ語!!」という選択肢はあり得ない。
トリアー駅
(トリアー駅。明日こそドイツ・トリアーについて書く)

 野球の早慶戦なんか、見に行くのも愚かである。早稲田の順位は、屈辱の5位。メッタ打ちされたかと思えば、1イニングにスクイズだけで3点も取られる。台風の雨の中カサさして、雨合羽から染み通る雨に濡れながら、早稲田の醜態を眺め、慶応サイドが優勝よりも早稲田の醜態に狂喜乱舞するアリサマを眺めるために、何で神宮球場に出かけなきゃならないの?
 斉藤祐樹と福井と大石と、3人そろい踏みだった昨年一昨年と比較するからイケナイのだが、さすがにこのテイタラクでは、おめおめOBヅラさげて雨の神宮なんかにいられない。秋のシーズンもこうなの? 来年もこうなの? 心配で心配で、OBヅラの「ヅラ」が、別のヅラになりかねない。
トリアー砦
(トリアーの世界遺産ポルタ・ニグラ。確かに黒い門ではある)

 ギリシャの次のヨーロッパに備え、スペイン語の音読に励むというのは、まあ悪くない。王貞治も長嶋茂雄も、スランプに陥ったらバットの素振りを繰り返した。北辰一刀流の千葉周作だって、宮本武蔵だって、不振に陥る時はあっただろうが、彼らが不振から立ち直るためにするとすれば、それは鬼気迫る剣の素振りをおいて他に考えられない。
 少なくとも映画で描くとすればそうなるのがスジで、「いやあ、そんな難しいことはしませんよ。もっとリラックスしなきゃ」と佐々木小次郎がうそぶく姿は、バラエティ番組のコントにしかならない。ここは、長島がバットを振り、小次郎が真剣で素振りに励んだのと同じように、スランプ脱出のために日々音読に励むのがよさそうだ。
 剣豪にも天才にも、宗教的なほど鬼気迫る緊迫感を添えないと(Macクンは「金箔感」。ずいぶん金ピカにしたもんだ)、気が抜けすぎてホンモノにならない。ドイツ料理にザワークラウトがないようなもの、比内地鶏なしの秋田料理のようなものである。外国語教師が音読を怠けると、ポテトとコーラなしのハンバーガーみたいになりかねない。必要なのは日々のたゆまぬ努力である。
モーゼル1
(モーゼル河 1)

 「肩の力を抜いて、縁側に寝そべって、鼻毛や長い眉毛を探して1日中引っこ抜いてるのも、スランプのいい脱出法ですね」では、映画にもドラマにもなりにくい。あえてコントをドラマにするなら、どうしても坂本龍馬か豊臣秀吉か弁慶あたりが必要で、だからこそ日曜夜の大河ドラマには彼らが出ずっぱりになる。
 来年の大河ドラマは今井君が昔から大好きだと公言している「平家物語」である。1995年、研究社出版の今はなき雑誌「高校英語研究」のトップ記事に登場した時、自己紹介として「バッハ、平家物語、秋田の酒『飛良泉』が好き」と書いたほどである。平家物語なら、この種のキャラクターは主人公・平清盛と義弟・平時忠が受け持つことになる。
モーゼル2
(モーゼル河 2)

 30年前にNHK大河ドラマで吉川英治「新・平家物語」をやった時は、清盛が仲代達矢、平時忠に山崎努。重盛が原田大二郎、後白河法王が滝沢修。平忠度に中尾彬。樋口兼光にまだ売り出し中の江守徹。
 おお、なかなか物凄い陣立てだ。そこいら中で縁側に寝そべって鼻毛を抜いててもおかしくない。というか、後の「イケナイおじさま」勢揃いじゃないか。
 藤原信西が小沢栄太郎、以仁王が北大路欣也、藤原頼長が成田三樹夫、崇徳院に田村正和。高倉院の片岡孝夫。片岡孝夫って、片岡仁左衛門であるよ。緒形拳も出てて、ホントにホントにイケナイおじさまオンパレード。おじさま好きなお姉さんたちが失神しちゃいそうな勢いであるね。
 もちろん、脚本・平岩弓枝、音楽・富田勳。おお、よくもここまで贅沢したもんだ。今年の「江」は結局「のだめ」のままであきらめ気味のようだが、来年こそは素晴らしい作りになるといいでござるね。
トリアーちゃん
(トリアー大聖堂)

 さて、こういう感慨が、実は明日の記事でドイツ・トリアーの街の旅の感慨につながっていくのである。すでに長く書きすぎて、今日このままこれに続けてトリアー紀行を書くには(Mac君は「トリアー紀行を角煮は」と来た。そろそろ空腹もつのるころだ)、モーゼル河は余りに美しかったのである

1E(Cd) Münchinger:BACH/MUSICAL OFFERING
2E(Cd) Münchinger:BACH/MUSICAL OFFERING
3E(Cd) 寺井尚子:THINKING OF YOU
4E(Cd) Collard:FAURÉ/13 NOCTURNES①
5E(Cd) 村田陽一&Solid Brass:DOUBLE EDGE
total m108 y435 d6400