Sun 110508 ドイツ語音読に飽きてギリシャ料理店へ サラリーマンneoについては明日
昨日から東京は大雨である。1日3時間ドイツ語を音読する大人しい日々が続いていたが、さすがに同じことを10日も続ければ、ドイツ語を見ただけで吐き気がする。ドイツに行く前にドイツ語が吐くほどキライになるというのは、本末転倒というより、はっきりマヌケである。ちょっと気分転換に渋谷に出かけることにした。
代々木上原にある今井君の書斎から渋谷まで、歩いても30分かからない。地下鉄を表参道で乗り継げば、駅まで歩く時間を入れても20分程度。タクシーという便利な乗り物がうまくつかまれば、わずか10分である。
渋谷区には「ハチ公バス」というものもあって、狭い小路でもずんずん入っていけるミニバス、渋谷駅まで100円で行ける。しかし「狭い小路でもずんずん行ける」ということになれば、バス君だって余計に張り切って、入らなくてもいいような狭い道にどんどん&ずんずん入っていく。
すると渋谷までかかる時間は必然的に長くなる。ヘタをして渋滞なんかにハマってしまえば、1時間かかることだってありうる。渋滞のことをフランス語でembouteillage(アンブティヤージュ) という。これはbouteille「瓶」からの派生語で、「瓶の中につまっちゃう」ぐらいの意味。なかなか「言い得て妙」であるね。
小路にずんずん入っていくのは楽しいものだけれども、忙しい今井君には似合わない。今井君は忙しいのだ。ドイツ語だって頑張って音読しなければならないし、6月から始まる授業収録に備えて英語の発音もブラッシュアップしておかなければならない。英語がドイツ語訛りだったり、秋田弁的訛りが混じったりしたら、たいへんだ。
そこで超多忙な今井君は、ますます雨が激しくなってきたのをいいことに、タクシーで渋谷に向かった。こうして、贅沢をする言い訳なんかいくらでも簡単に見つかるものである。息抜きだからこそ、贅沢が必須。「汗水垂らして息抜き」とか「息抜きのために満員電車に揺られて」というのでは、何の息抜きにもならない。
(渋谷のギリシャ料理店「THE AEGEAN」)
渋谷到着18時15分。先月の今頃、渋谷は節電と自粛と震災ショックで閑散としていたが、もうすっかり賑わいを取り戻したようである。雨はこんなに激しくて、汚れた路面をキレイに洗い流すように雨水が流れていくが、それでもマトモに前に進めないぐらいヒトが溢れている。まずは、たいへんおめでたい。渋谷が大人しい東京なんか、「贅沢をしない息抜き」「酒を飲まないクマ蔵」「音読をしない語学学習」みたいにマヌケである。
目指したのはギリシャ料理の店である。ぐるなびで調べたら、ギリシャ料理レストランは渋谷と六本木に1軒ずつ見つかった。六本木は遠い。タクシー代が往復で2000円も違う。ついでに、六本木はコワい。海老蔵だって殴られたり蹴られたりする(古すぎます?)。クマ蔵がいつ海老蔵と間違われるか、わかったものではない。雨も降っているし、ここは渋谷で大人しくしているに限る。
しかし、渋谷のギリシャ料理店にたどり着くには、東進ハイスクール渋谷校の真下を通過しなければならない。うにゃにゃ、生徒たちがみんな真剣に勉強しているそのビルの真下を、「ドイツ語の音読に飽きちゃった」というダメなクマさんが、こっそり息抜きに出かけようとしている。
2011年5月現在、渋谷南口で最も目立つのは、東進ハイスクール渋谷校の看板である。雨の中、ギリシャ料理店を目指してひたすら足を進める今井君を、緑色の看板が厳しい表情で頭上から見下ろしている。
「そうですか、あなたは息抜きにいくんですか」
「この瞬間にも生徒たちはひたすら英語の音読をしているのに、アナタは励ましの声もかけずに行っちゃうんですか」
「ギリシャ料理ですか。そうですか、結構ですな。優雅ですねぇ」
看板君の冷ややかな視線が、ドイツ語からコッソリ逃げ出してきたダメなサトイモ君を追いかける。ビニール傘を雨が激しくたたき、5月とは思えない冷たい風が歩道橋を揺らした。
(THE AEGEANの前菜盛り合わせ)
さて、東進の真下を過ぎ、東横線のガードをくぐり、右に曲がれば目指すギリシャ料理店が見つかる。山手線ガード下には、恐ろしく昭和のニオイのする「学生コンパ やまがた」が残っていて、ふと今井君は「こっちも悪くないな」と心がフラフラするのであるが、それでは東進渋谷校に近すぎて、息抜きどころの話ではなくなってしまう。
どうだね、諸君。予備校講師というのは、ちょっと息抜きするにもこれだけの心の隘路を通り抜けなければならない。サラリーマンneoなんかで、東進CMをパロって喜んでるような、そんなお気楽極楽な人たちに、この重い責任感を理解できるとは思えない。はっは&かっか&うにゃにゃ。なお、サラリーマンneoについては、明日詳述いたします。
(ギリシャビール、VERGINA)
ギリシャ料理店は「THE AEGEAN」。シェフはギリシャ人のオジサン、長く日本で生活しているらしくて、日本語がペラペラである。Gmailがうまく動かない様子で、ムカついて愚痴る言葉も日本語。諸君、例えば「英語で愚痴る」「ドイツ語で愚痴る」「フランス語で愚痴る」を考えてみたまえ。愚痴が日本語というのは、それはそれでたいへんなことである。
HPを見てから行ったので、写真と実際のギャップに戸惑った。しかしこれは「HPを見てから行く」という消費行動には必然的な戸惑いであって、期待を裏切られたくなければHPの写真なんか見ていってはイケナイのだ。地下の狭く薄暗い店内に、長年使い古したテーブルが4つほど雑然と配置され、壁にも天井にも一面にシロートの油絵が飾られている。余り上手なシロートではない。
今井君がこの夜最初の客らしく、シェフの愚痴が響いていた店内に、変に明るい音楽がかけられた。おお、まずはヒト安心。Gmailの扱いをめぐって、ギリシャおじさんと日本人従業員の間が、相当険悪になっていたところだったのである。
(ギリシャコーヒーと、クマ蔵の左手)
客は他に、今井君の直後にご来店の、異様に仲の悪いママと息子の2人。60歳過ぎと思われるママを、30歳代後半の息子が叱りつけている。「何度も何度も同じことを言われると、ムカついてくるんだよ」「あら、ごめんなさい」「だから、そういう言いかたがイヤなんだよ」、まあこんな調子である。
おお、シェフと従業員も険悪。客の親子も険悪。音楽だけが空しいほど明るい。大人しいクマ蔵はシュンとなり、今夜の息抜きはションボリした雰囲気の中で終わりそうになった。
秋にギリシャ旅行を予定しているので、「ギリシャ料理を予習しとかなくちゃ」とウキウキしながら出かけてきた。料理も旨いし、クレタ島の白ワインも旨かったが、周囲の人たちがみんなケンカしてるんじゃ、シュン&ションボリな気持ちになるのは当たり前だ。
店を出たのが20時半。あーあ、飲み直し&飲み直し。「学生コンパ やまがた」の前を過ぎ、東進渋谷校の下を通り、渋谷駅の方にちょっと戻ったところで、「彩」だったか「釆」だったか、東北地方の酒の充実したキレイな飲み屋が見つかった。何だ、最初からこの店にすればよかったのだ。というわけですっかり腰が落ち着いて、23時半、閉店時間まで粘って、めでたく息抜きの一晩は終わりを告げた。
1E(Cd) Midori & McDonald:ELGAR & FRANCK/VIOLIN SONATAS
2E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
3E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
4E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
total m33 y360 d6325
代々木上原にある今井君の書斎から渋谷まで、歩いても30分かからない。地下鉄を表参道で乗り継げば、駅まで歩く時間を入れても20分程度。タクシーという便利な乗り物がうまくつかまれば、わずか10分である。
渋谷区には「ハチ公バス」というものもあって、狭い小路でもずんずん入っていけるミニバス、渋谷駅まで100円で行ける。しかし「狭い小路でもずんずん行ける」ということになれば、バス君だって余計に張り切って、入らなくてもいいような狭い道にどんどん&ずんずん入っていく。
すると渋谷までかかる時間は必然的に長くなる。ヘタをして渋滞なんかにハマってしまえば、1時間かかることだってありうる。渋滞のことをフランス語でembouteillage(アンブティヤージュ) という。これはbouteille「瓶」からの派生語で、「瓶の中につまっちゃう」ぐらいの意味。なかなか「言い得て妙」であるね。
小路にずんずん入っていくのは楽しいものだけれども、忙しい今井君には似合わない。今井君は忙しいのだ。ドイツ語だって頑張って音読しなければならないし、6月から始まる授業収録に備えて英語の発音もブラッシュアップしておかなければならない。英語がドイツ語訛りだったり、秋田弁的訛りが混じったりしたら、たいへんだ。
そこで超多忙な今井君は、ますます雨が激しくなってきたのをいいことに、タクシーで渋谷に向かった。こうして、贅沢をする言い訳なんかいくらでも簡単に見つかるものである。息抜きだからこそ、贅沢が必須。「汗水垂らして息抜き」とか「息抜きのために満員電車に揺られて」というのでは、何の息抜きにもならない。
(渋谷のギリシャ料理店「THE AEGEAN」)
渋谷到着18時15分。先月の今頃、渋谷は節電と自粛と震災ショックで閑散としていたが、もうすっかり賑わいを取り戻したようである。雨はこんなに激しくて、汚れた路面をキレイに洗い流すように雨水が流れていくが、それでもマトモに前に進めないぐらいヒトが溢れている。まずは、たいへんおめでたい。渋谷が大人しい東京なんか、「贅沢をしない息抜き」「酒を飲まないクマ蔵」「音読をしない語学学習」みたいにマヌケである。
目指したのはギリシャ料理の店である。ぐるなびで調べたら、ギリシャ料理レストランは渋谷と六本木に1軒ずつ見つかった。六本木は遠い。タクシー代が往復で2000円も違う。ついでに、六本木はコワい。海老蔵だって殴られたり蹴られたりする(古すぎます?)。クマ蔵がいつ海老蔵と間違われるか、わかったものではない。雨も降っているし、ここは渋谷で大人しくしているに限る。
しかし、渋谷のギリシャ料理店にたどり着くには、東進ハイスクール渋谷校の真下を通過しなければならない。うにゃにゃ、生徒たちがみんな真剣に勉強しているそのビルの真下を、「ドイツ語の音読に飽きちゃった」というダメなクマさんが、こっそり息抜きに出かけようとしている。
2011年5月現在、渋谷南口で最も目立つのは、東進ハイスクール渋谷校の看板である。雨の中、ギリシャ料理店を目指してひたすら足を進める今井君を、緑色の看板が厳しい表情で頭上から見下ろしている。
「そうですか、あなたは息抜きにいくんですか」
「この瞬間にも生徒たちはひたすら英語の音読をしているのに、アナタは励ましの声もかけずに行っちゃうんですか」
「ギリシャ料理ですか。そうですか、結構ですな。優雅ですねぇ」
看板君の冷ややかな視線が、ドイツ語からコッソリ逃げ出してきたダメなサトイモ君を追いかける。ビニール傘を雨が激しくたたき、5月とは思えない冷たい風が歩道橋を揺らした。
(THE AEGEANの前菜盛り合わせ)
さて、東進の真下を過ぎ、東横線のガードをくぐり、右に曲がれば目指すギリシャ料理店が見つかる。山手線ガード下には、恐ろしく昭和のニオイのする「学生コンパ やまがた」が残っていて、ふと今井君は「こっちも悪くないな」と心がフラフラするのであるが、それでは東進渋谷校に近すぎて、息抜きどころの話ではなくなってしまう。
どうだね、諸君。予備校講師というのは、ちょっと息抜きするにもこれだけの心の隘路を通り抜けなければならない。サラリーマンneoなんかで、東進CMをパロって喜んでるような、そんなお気楽極楽な人たちに、この重い責任感を理解できるとは思えない。はっは&かっか&うにゃにゃ。なお、サラリーマンneoについては、明日詳述いたします。
(ギリシャビール、VERGINA)
ギリシャ料理店は「THE AEGEAN」。シェフはギリシャ人のオジサン、長く日本で生活しているらしくて、日本語がペラペラである。Gmailがうまく動かない様子で、ムカついて愚痴る言葉も日本語。諸君、例えば「英語で愚痴る」「ドイツ語で愚痴る」「フランス語で愚痴る」を考えてみたまえ。愚痴が日本語というのは、それはそれでたいへんなことである。
HPを見てから行ったので、写真と実際のギャップに戸惑った。しかしこれは「HPを見てから行く」という消費行動には必然的な戸惑いであって、期待を裏切られたくなければHPの写真なんか見ていってはイケナイのだ。地下の狭く薄暗い店内に、長年使い古したテーブルが4つほど雑然と配置され、壁にも天井にも一面にシロートの油絵が飾られている。余り上手なシロートではない。
今井君がこの夜最初の客らしく、シェフの愚痴が響いていた店内に、変に明るい音楽がかけられた。おお、まずはヒト安心。Gmailの扱いをめぐって、ギリシャおじさんと日本人従業員の間が、相当険悪になっていたところだったのである。
(ギリシャコーヒーと、クマ蔵の左手)
客は他に、今井君の直後にご来店の、異様に仲の悪いママと息子の2人。60歳過ぎと思われるママを、30歳代後半の息子が叱りつけている。「何度も何度も同じことを言われると、ムカついてくるんだよ」「あら、ごめんなさい」「だから、そういう言いかたがイヤなんだよ」、まあこんな調子である。
おお、シェフと従業員も険悪。客の親子も険悪。音楽だけが空しいほど明るい。大人しいクマ蔵はシュンとなり、今夜の息抜きはションボリした雰囲気の中で終わりそうになった。
秋にギリシャ旅行を予定しているので、「ギリシャ料理を予習しとかなくちゃ」とウキウキしながら出かけてきた。料理も旨いし、クレタ島の白ワインも旨かったが、周囲の人たちがみんなケンカしてるんじゃ、シュン&ションボリな気持ちになるのは当たり前だ。
(ムサカ。ケーキのようだが、中身はひき肉である。写真がボケたのは親子ゲンカにシュンとしたせいである)
店を出たのが20時半。あーあ、飲み直し&飲み直し。「学生コンパ やまがた」の前を過ぎ、東進渋谷校の下を通り、渋谷駅の方にちょっと戻ったところで、「彩」だったか「釆」だったか、東北地方の酒の充実したキレイな飲み屋が見つかった。何だ、最初からこの店にすればよかったのだ。というわけですっかり腰が落ち着いて、23時半、閉店時間まで粘って、めでたく息抜きの一晩は終わりを告げた。
1E(Cd) Midori & McDonald:ELGAR & FRANCK/VIOLIN SONATAS
2E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
3E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
4E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
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