Fri 110429 「気合いを入れてサクサク」の落とし穴 セビージャで落とし穴にハマる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 110429 「気合いを入れてサクサク」の落とし穴 セビージャで落とし穴にハマる

 セビージャに到着して、「さて、どんどん行きますか」と自分に気合いを入れ、「片っ端からサクサク見ていく」という決意を固めたが、得てしてこういう時こそ危険なのである。
 気合いを入れて片っ端からサクサク。これこそ受験生が5月上旬に陥りやすい心理のワナ。はりきっているぶん、思わぬところに精神の落とし穴があって、あっという間に泥沼に陥る。うーん、いわく言いがたいが、
「どんどん行こう」と張り切っている
→もっと自分は出来るはずだと焦る
→1つでもうまくいかないと、焦りが驚くほど膨張する
→今の自分は本調子ではない、明日に伸ばそう、明後日に延期しようと、一寸延ばしになる
→気がつくと1週間経過している
病状はこうやって進行していく。やがて1週間は1ヶ月になり、1ヶ月は2ヶ月になって、「あれれ、もう6月中旬だ。いいや、夏休みに頑張ろう」ということになる。
ひらるだ
(セビージャ、カテドラルとヒラルダの塔)

 しかも悪いことに、大型連休だ。大学生になった友人や先輩から「久しぶりにメシでも?」という誘いも入る。「連休なんだから、のんびりしたらどうだ?」とパパがいろいろ誘いをかける。
 そういえば、4月上旬に張り切ってスタートして以来、いろんなことがやりかけになっている。「よし、明日はまず部屋を片付けて」というありがちなことになって、片付けとか整理とか掃除とか、親を言いくるめるにはベストの言い訳があるから、油断して起床時間は10時になる。
 ゆっくり新聞を読んで、やがてママが昼食を運んできて、ちょっとパパと軽い言い合いになって、ムカついて、部屋で音楽を聴いて、気がつくと午後2時である。
「いいや、片付けは明日。だって、連休だし、予備校の授業は思ったより進まないし、連休明けには夏期講習の申し込みだ」
確かに、4月中旬にようやく開講した予備校の授業は、講師の自己紹介や面白いトークや英語トリビアばっかりで、2週間も経つのにまだ第1講も終わっていない。
セビージャのあるかさる
(セビージャ、アルカサル1)

 「夏期講習は何と言っても大切な天王山」と教務課のヒトから言われているから、きっとホントに大事なんだろう。連休前に配布された夏期講習パンフレットをめくって、マーカーを握って、どの先生のどの講座を取るか、1日つぶれてもチャンと検討しなければならない。
 「友人とスタバで検討」という話がまとまれば、確実に丸1日それでつぶれてしまう。他の予備校に行った友人たちと情報交換。「ええっ、代ゼミってそうなの?」「へえ、河合塾は?」「駿台行ったヤツっているの?」「何だ、みんなたいへんなんだね」から、「ちょっとカラオケ行かないか」まで、有意義な情報交換の日々が続いたりする。 
 「気合いを入れてサクサク」という決意から始まる受験生の生活の崩壊は、こうやって虫歯の穴のようにどんどん広がっていく。確かに、悪いことをした覚えもないし、気合いもちゃんと入っているのだが、余計な気合いが入っているところから、思いがけない崩壊の道に迷い込むことも多いのだ。
 ベテラン♨超人気♡講師今井宏のありがたいアドバイスを、姿勢を正してよく聞きたまえ。大切なのは
「余計な気合いを排除すること」
「ごく平凡に、毎日やらなければならないことだけを着実にこなすこと」
「明日やる100より、今日やる10を大切にすること」
である。
 うひょ、うっひょぴょーん、素晴らしいアドバイスだ。今井自身、真剣にノートを取って記憶したいほどであるよ。しかしね、こりゃ人生を貫く真実だ。「普通すぎて、平凡すぎて、何だか物足りないな」という若干不満な日々を継続することにしか、進歩はないのである。
あるかさる
(セビージャ、アルカサル2)

 あれま、話題がどんどんズレていきますな。以上の戒めを忘れたせいで、今井君のセビージャ日帰り旅行は大失敗。一番大事なアルカサルの庭園に時間がなくなり、閉園直前に小走りに駆け抜けてお茶を濁す結果になった。
 ついでに付け加えれば、余計な場所で写真を撮りすぎてケータイのバッテリーがなくなり、アルカサルの写真は数枚しか撮影できなくなった。チャンとカメラを旅行に持っていくのは、この旅行の反省から始めたことなので、この旅行の写真までは全てケータイで撮っていた。
 まあ、クマじいほどの年齢になれば、災い転じて福となすことも出来る。福は、以下の2つ。
(1)もう1度セビージャを訪ねる口実が出来た。2011年12月、巡礼で有名なサンチャゴ・デ・コンポステラを訪問するついでに、セビージャ再訪の予定である。
(2)旅行にカメラを持参するようになった。ヨーロッパ各地で「パシャ」「パシャ」とやかましいケータイで撮影していた今井クマじいの面影は、今は昔の物語である。
ひらるだの塔
(ヒラルダの塔、スペイン広場方向から)

 さて「気合いを入れてサクサク」の失敗は、セビージャ大学から始まった。カルメンの舞台、旧王立タバコ工場である。本来なら後回しにしてしかるべき場所にも「今日は気合いが入っている」「サクサク」と思うから、つい長居してしまう。
 同じ心理で、「スペイン広場」にも超♡長居。ここなんかは「時間がないから急がなくちゃ」と思えば、確実に省略するところであるが、11月とは思えない強いイベリア半島の日差しを浴びながら、気がつくと1時間が経過していた。
 すでに午後1時を過ぎて、カテドラルへ。もちろんヒラルダの塔にも登らなければならない。1週間前にNHKラジオ講座の清水憲男教授の思い出を書いたが、確かにヒラルダの塔の前で「Giralda」の難しい発音を繰り返して、まるっきり進歩していない自分を確認。面倒なので反省はヤメて、さっそく塔に登ることにした。
 すでに2時前。「どうも、一番大切なアルカサルに十分な時間がとれそうにない」と気がついて、ちょっと呆然としながらヒラルダのチケットを購入した。

1E(Cd) Incognito:POSITIVITY
2E(Cd) Larry Carlton:FINGERPRINTS
3E(Cd) Larry Carlton:DEEP INTO IT
4E(Cd) Luther Vandross:DANCE WITH MY FATHER
total m129 y323 d6288