Tue 110426 29日、全線開通した東北新幹線でさっそく仙台へ 仙台の復旧ぶりに驚く | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 110426 29日、全線開通した東北新幹線でさっそく仙台へ 仙台の復旧ぶりに驚く

 4月29日朝、全線開通したばかりの東北新幹線で仙台に入り、30日夜の「はやぶさ」で帰京した。東京駅の改札口から仙台駅まで、「日本はまだ大丈夫だったんだ」と再認識できる明るい笑顔があふれていて、大型連休は素晴らしいスタートを切った。
 駅のホームでは、ケータイを構えて新幹線の写真を撮っているヒトが目立つ。「テツ」や「撮り鉄」のヒトビトが、セツナイ快感に顔を歪め、ヒタイの汗を拭いながらレアな電車を追いかけているのではない。ごく普通の親子連れや、ごく当たり前のサラリーマンや、若いOLさんも若くないOLさんも、みんなケータイを掲げて、嬉しそうに新幹線の車体を写真に収めている。
つながった
(つながった at 東京駅)

 仙台への往路、クマ蔵が乗ったのは、生意気にもグリーン車である。普段の出張がグリーン車だから、こういう非常時に指定席を取る時も、ついフラフラと「グリーン車」のボタンをクリックしてしまう。しかも今回は「復興のためにはどんどんオカネを落とす方がいい」という錦の御旗があるから、こんな贅沢をして気が咎めるところが何もない。
 途中に徐行区間があって、仙台まで2時間半かかる。往路は「盛岡行き・やまびこ」。「那須塩原まで開通」「仙台まで開通」と徐々に段階を踏んで、やっとここまで来たのだから、「盛岡行き」という何気ない響きに、ふと感動を覚えたりする。
 東京発09時08分、白石蔵王などにもゆっくり停車して、仙台に到着したのは11時半だった。途中、福島あたりから、地震のせいで屋根の壊れてしまった民家が目立ち始める。黒い瓦屋根の、面と面との接合部の瓦が崩れて、そこをブルーシートで覆っているのが痛々しい。大津波が遡上した名取川を渡ったが、新幹線からは津波の痕跡は見えなかった。
グリーン車
(盛岡行き「やまびこ」グリーン車内、4月29日)

 仙台駅に着いてみると、すでに震災前と全く変わらない雑踏である。大震災のことをふと忘れそうになったとしても不思議ではない。むしろ震災以前よりも賑やかさは増している。場合が場合だから「祝賀」という言葉は遣いにくいが、「今日からつながった」「ついに元通りになった」という祝賀ムードが、少なくとも仙台駅周辺に横溢しているのは当たり前なのである。
 前回仙台を訪れたのは3月23日。大震災発生の12日後で、新幹線はもちろん仙台駅も閉鎖されたまま。バスも1時間に1本しかなかった。ガソリンが不足し、ガソリンスタンド前に前夜から12時間もクルマが列を作って、タンクローリーの到着を待っていた頃である。今井君は山形空港からタクシーで仙台往復をした。あれからわずか1ヶ月の間に、ホントによくここまで復旧したものである。
 酔いどれクマさんは、さっそく仙台駅で祝杯のための酒を購入した。もちろん、津波の被災地のことを考えれば祝杯どころではないはずだが、仙台の地下鉄が全線復旧、新幹線も全線復旧、乗客も街のヒトビトもすっかり笑顔を取り戻した。そういうことなら、そのことのためだけにでも、祝杯をあげるのは許されていいと思う。
秘酔
(陸前高田の焼酎「秘酔」。仙台駅の売店で購入)

 仙台駅で購入したのは、陸前高田の焼酎「秘酔」である。ホントは焼酎ではなくて旨い日本酒が欲しかったのだが、「せっかくだから高い酒」「高い酒♨」「とにかく♡高い酒」「オカネをたくさん落とさなくちゃ」と夢中で物色しているうちに、気がついたら「秘酔」をレジに運んでいた。
 威張るようだが、駅の売店で一番高い酒である。「秘酔」と書いて「ひすい」と読む。4合瓶の焼酎だが、なかなか高価である。値段は言わないでおく。ついでに「カモメの玉子」「伊達絵巻」その他、仙台や三陸地方の銘菓も購入して、タクシーで長町の実家に向かった。
 3月23日、長町付近の高架に立ち往生したままだった新幹線MAX1編成も(当たり前だが)とっくにどこかに移動した後である。ほとんど「隔世の感」という言葉が口をついてくるほどの復旧ぶりだ。これはやはり祝杯に値するのだが、タクシーの運転手さんと話てみると、大津波の被災地はまだまだあの日のままとのこと。あまり簡単に祝賀ムードに浸るわけにはいかないのである。
びあぐらす
(大震災を生き延びたビアグラスで乾杯する。今井君がまだカワイイ赤ちゃんグマだった頃に購入。父・三千雄の晩酌は、毎晩このグラスを一息にカラにすることから始まった。この他の今井君幼少期の食器類は、3.11大震災でみんなコナゴナに割れてしまった)

 しかしまあ、高い高い焼酎を購入しておいて、いきなりションボリするのもおかしいだろう。仙台の快傑ババサマは、整理しても整理しても再び余震で崩壊する文庫本の山(2000冊弱はあるはず)を、何度崩壊しても1からまた整理し直して、むしろそれを楽しんでいる。最近は余震の頻度も低くなって、大震災でたいへんなことになった文庫本の山も、ほぼ著者別にキレイに整理されていた。おお、これなら十分に祝杯に値する。
 祝杯の目標は、今日と明日の間に焼酎4合を飲み干すことである。ただし、購入してきた「秘酔」は「長期熟成40度」というなかなかの強敵であるし、今井君はあまり焼酎に強くない。「とにかく消費を」という論調に乗せられ、29日の夕食は外食に出るつもりだから、「食事とともに焼酎を」ということにもならない。
「うーん、無事明日夕方までに焼酎1本カラに出来るかな?」
というマコトに能天気な悩みに、クマどんの頭はいっぱいなのであった。

1E(Cd) Kirk Whalum:COLORS
2E(Cd) Kirk Whalum:FOR YOU
3E(Cd) Kirk Whalum:HYMNS IN THE GARDEN
4E(Cd) Kirk Whalum:UNCONDITIONAL
5E(Cd) Sheila E.:SEX CYMBAL
total m117 y311 d6276