Thu 110421 いきなりの「コニチワ!!」攻撃 欧米人は日本人と中国人をどう見分けるか | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 110421 いきなりの「コニチワ!!」攻撃 欧米人は日本人と中国人をどう見分けるか

 ヨーロッパを歩いていると、いきなり親しげに「コニチワ!!」と声をかけられることが珍しくない。店やレストランのヒトはもちろん、ごく普通の通行人がニコニコ笑いながら、いきなり「コニチワ!!」と挨拶してくれる。遠足の小学生集団が、集団で「コニチワ!!」攻撃をかけてくることもある。
 もちろん、こちらも大慌てで「コンニチハ」を返す。残念ながら、何しろ慌てているから、落ち着いてニッコリ「こんにちは♡」を返すことができない。むしろ、向こうのペースに乗せられて「こんにちは」は「コニチワ!!」になる。
 何しろ、声をかけられるのは、完全にこちらが気を抜いてダラしない顔をしている時ばかりである。口をあんぐり開けて教会や城を眺めていたり、ヨダレを押さえながら街角のタパス屋をのぞき込んでいたり、とにかくこっちは「コニチワ!!」を全く予想していないのだから、一瞬完全に呆気にとられてしまう。
 不意をつかれた今井君は、日本語ネイティブのくせして、ヨーロッパ流に「ニ」にアクセントを置いた「コーン、ニッチワ!!」で応答するしかない。向こうはいかにも勝ち誇ったような、安心したような、「ボンヤリしてちゃダメですよ」という表情で去っていく。
庭園1
(コルドバ・アルカサルの庭園 1)

 本来、向こうが「コニチワ!!」で攻めてきたなら、礼儀としてこちらも向こうの言葉で応答すべきなのである。ボンジョルノなり、グーテン・タークなり、ヨーナポート・キーバーノクなり(ハンガリー語)、アッサラーム・アライクムなり(アラビア語)、現地のヒトの言葉で返すのが、臨機応変で正しい礼儀作法のはずなのだ。
 しかし、日本人というものは(少なくとも今井君は)こういうときブザマに慌てふためいてしまって、臨機応変になれない。というより、ビックリ仰天するあまり、イタリアにいるのにグーテン・タークが出たり、フランスでブエノス・ディアスが出たり、普段は誰よりよく回る口が、妙竹林な方向を向いて、ヒョーロクダマ的言動が先に立つ。
こるどば
(コルドバの街路樹はみんなオレンジ、そこいら中にオレンジが転がっている。さすがアンダルシアでござるね)

 何より仰天するのは、今井君の超・東アジア人的風貌を見て、彼ら彼女らが「ニイハオ」ではなく「コニチワ!!」を一瞬のうちに選択できる、長嶋茂雄もイチローもビックリの、その正確な選球眼である。
 今井君は、年間50日ほどヨーロッパを歩き回って費やすのであるが「ニイハオ」と声をかけられることは滅多にない。「アンニョンハシムニカ」は1度も経験がない。誠に見事に「コニチワ!!」が来る。そのド・ストライク率、9割を超えている。ダルビッシュの三振奪取率(Mac君は「ダッシュ率」)をはるかに超える正確さである。
庭園2
(コルドバ・アルカサルの庭園 2)

 諸君、まあ考えてみたまえ。今や、世界中どこに行っても、観光客は中国人が圧倒的に多い。それなのに、現地のヒトは今井君を見て一瞬で「中国人じゃない、あれは日本人だ」と判断し、「よおし、言ってみるか」→「コニチワ!!」と声をかけるわけである。
 ヨーロッパで出会う東アジア人は、今井君の目分量判断では、中国人が8割。残り2割を韓国人と日本人が仲良く分け合うという状況である。しかも、わずか1割の日本人も、retiredな中高年の占める割合が圧倒的に高い。若いヒトはグッと少ないし、今井君みたいな「働き盛り」タイプも余り見かけない。
 つまり、ヨーロッパで見かける日本人というのは、「上品な老夫婦」が定番。今井君より15歳から20歳ぐらい上の方々、電車の中で「席を譲ろうかな、ヤメとこうかな」と迷うレベルの年齢層が多くを占める。そのほとんどは美術館や教会をいかにも上品に団体でおとなしくそぞろ歩き、その歴史と伝統と美に、穏やかで上品な溜め息を漏らしていらっしゃる。
庭園3
(コルドバ・アルカサルの庭園 3)

 だから、ヨーロッパの人が、乱暴で♨あんぐり口を開けて♨ヨダレを垂らしている短足グマを見て「日本人」と一瞬で判断できるのが、たいへん不思議なのである。今井君の外見は、少なくとも典型的日本人の外見から逸脱している。好意的なヒトは「日本人バナレしている」と評価してくれるが、普通なら「単にジャガイモじゃん」「いや、むしろサトイモじゃん」というところである。
 「羽は薄赤いけど、あれはモンシロチョウの変種だ」と判断できるのは、昆虫学者だけだろう。「アンコウみたいな顔だけど、あれはマグロ」と断言できるのは、さかなクンぐらいのものである。ならば、短足サトイモを見て「日本人だ!!」→「コニチワ!!」という見事な選球眼は、やはり驚きに値するのではないか。
アンダルシアのネコ1
(アンダルシアの猫 1)

 立場を逆にして考えてみればわかる。東京や京都をウロウロしている欧米人観光客を一目見て、諸君はいきなり「お、フランス人だ」→「ボンジュール!!」とか、「お、ドイツ人だ」→「グーテン・ターク!!」とか、そういう判断→ハナレワザが出来るだろうか。一目で「お、ハンガリー人だ」→「ヨーナポート・キーバーノク!!」などという判断は、ほとんど神業と言ってもいいんじゃないだろうか。
 コルドバのアルカサル前で、東アジアのクマーニーは、遠足に来ていたスペイン人小学生集団の「コニチワ!!」「コニチワ!!」攻撃にさらされた。驚き、かつ慌てふためいて「コ、コッニチワァ!!」を返したわけだが、その発音のへたくそなこと、「日本人、敗れたり」。まさに佐々木小次郎的屈辱を味わったのである。
アンダルシアのネコ2
(アンダルシアの猫 2)

 ほんの5~6年前までなら、何となく服装を見れば、日本人と中国人の見分けはついた。しかし今や両者の服装は、ソックリというか、クリソツというか、要するにみんなユニクロである。いつだったか、ヴェネツィアかどこかのレストランで、「日本人と中国人の見分け方」をイタリア人家族が熱心に語り合っていたのを立ち聞き(ホントは座り聞き)したこともある。
 「そんなこと言ってないで、質問して確かめればじゃないですか」という意見はたいへんごもっとも。しかしピントがずれている。東アジア人を一目見て「お、日本人だ」→「コニチワ!!」「お、中国人だ」→「ニイハオ!!」と一瞬で判断できる、その驚嘆すべき正確な判断基準は何なのか。それが知りたいだけなのだ。

1E(Rc) Walter & Columbia:HAYDN/SYMPHONY No.88 & 100
2E(Rc) Solti & Chicago:R.STRAUSS/DON JUAN ・ ALSO SPRACH ZARATHUSTRA・TILL EULENSPIEGEL’S MERRY PRANKS
3E(Rc) Collegium Aureum:HAYDN/SYMPHONY No.94 & 103 
4E(Rc) Solti & London:HAYDN/SYMPHONY No.101 & 96
5E(Rc) Collegium Aureum:VIVALDI/チェロ協奏曲集
total m92 y286 d6251