Mon 110411 「丸紅の子たちとも仲良くね」の記憶 チャマルティン駅と「かわいこちゃん」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 110411 「丸紅の子たちとも仲良くね」の記憶 チャマルティン駅と「かわいこちゃん」

 むかしむかし大むかし、ロッキード事件の時に「丸紅の子供がイジメの対象になる」というイヤな記事が、新聞各紙の紙面に溢れたことがある。朝日新聞連載のサトウサンペイ「フジ三太郎」の1コマに、「丸紅の子たちとも、仲良くしようね」と、他ならぬフジ三太郎が語りかけるシーンがあったのを、今井君は今でも記憶している。
 世の中というものは、なかなか進歩しないものである。その丸紅の社宅は代々木上原にあって、今井君の自宅からも近い。30年以上の大昔、丸紅の子供たちがいじめられたのは、この辺りなのかもしれない。
 確かに、国会の証人喚問が連日ナマ中継され、丸紅の役員が集中砲火を受けて、額の汗を拭いながらうなだれている。テレビニュースを見ても、彼らが責め立てられ、誰かをかばって吊るし上げられ、もうかばいきれなくなって、「記憶にございません」とかわすしかない。
 こういうシーンを毎日眺めているナイーブな子供たちが、「丸紅はすべて悪い」と誤解したのは、周囲のオトナが悪かったのである。2011年、今度は東京電力社員の子供たちがイジメの対象にならないように、先生がたもメディアも周囲のオトナも、みんなでよく気をつけたいものである。
 パパが懸命に働いている会社が、テレビでののしり放題にののしられているのを見せつけられるのは、子供たちは余りにもつらいはず。学校の友達に「あれって、お前のウチの会社のヒトだろ」と言われただけで、悲しくて、しゃがみ込んで、泣き出しそうで、その悲しみを思っただけで、鈍感なクマどんの目にも涙が滲む。
 弱い立場に陥ったヒトたちを「とりあえず、ののしっておこう」というのは、完全に違うんじゃないかと、クマ蔵は思うのである。そんなんで「ひとつになろう、ニッポン!!」とか、マジメな顔のタレントたちを並べて言わせても、その薄っぺらいキャンペーンで、ホントに一つになんかなれるはずがない。
セゴビア駅
(セゴビア・新幹線駅)

 さて、マドリード滞在4日目は、日帰りでセゴビアに行ってくる。マドリードからセゴビアに入る鉄道は、在来線の普通電車で2時間、新幹線なら30分。どちらもチャマルティン駅発着だが、運行本数は新幹線が圧倒的に多い。
 今井君は新幹線を選択した。何しろ4日目になってもまだ「首締め強盗」への恐怖が抜けない。おっかなびっくりグマには「新幹線の方が治安はいいだろう」という先入観があった。車内の清潔さや照明の明るさも、安心感を高めてくれる。
 リスボンでもバルセロナでもマドリードでも、イベリア半島の普通電車の外見は「こんなのに乗って大丈夫?」という、どうにもならない肉体的恐怖を、身体の奥深いところから呼び覚ますものがある。薄暗くて、汚ればかりが目立ち、落書きも塗りたくられ放題。日本のキレイで清潔で明るい電車に慣れきった目で見ると、どうしてもオッカナビックリにならざるを得ない。
チャマルティン1
(チャマルティン駅)

 ヨーロッパで何よりイヤなのが、「高校生集団のやりたい放題」。イタリアやフランスでもよくあることだが、特に運悪く下校時間にぶつかると、男女ともデカイ身体の高校生の傍若無人のふるまいが、まさに目に余る。
 車内で音量をあげて音楽をかける。歌う。踊る。喫煙する。集団で乗降口を占領する。こういうのは地方都市に行けば行くほど多い。うにゃにゃ、日本のオトナな高校生たちが、格段に立派に見える瞬間である。
 セゴビアは、新幹線駅と在来線駅が離れていて、新幹線駅からは旧市街までバスに乗らなければならない。その意味ではかえって不便。しかしおっかなびっくりグマとしては、とにかくまだ冒険はしたくない。とにかく何でもいいから「首締め強盗」「ニセ警官」「傍若無人高校生集団」との遭遇を避けたい。とすれば、多少の不便を忍んでも新幹線利用がいいのである。
チャマルティン2
(チャマルティン駅の新幹線AVEと高層ビル群)

 チャマルティン駅はスペインの北の玄関であって、まあ上野駅みたいなもの。昨日のトレドは東京駅にあたるアトーチャ駅からの出発、7日目のコルドバと8日目のセビージャもアトーチャ駅利用だから、今回の滞在でチャマルティン駅を利用するのは、今日だけである。駅の周囲は高層ビルが立ち並んで、闘牛とフラメンコから想像する我々のスペインイメージとは程遠い。
あとーちゃ
(マドリード・アトーチャ駅)

 土曜日だったので、「さあ、遊びにいくぞ」という張り切ったスペイン人団体が目につく。アラビアンナイトの時代の扮装をしたツアーコンダクターを囲んで、爆笑している集団もいる。彼らは「シグエンサのパラドールに泊まろう」のツアー。おじいちゃんもおばあちゃんも、その孫と思われる子供たちも、とにかく張り切って楽しそうに爆笑している。何だ、欧米人の中にも、団体旅行を好む人たちがチャンと存在するのである。
ぺこちゃん
(ペコちゃんのソックリさん、ミス・パロミータ)

 駅の自動販売機で、「あれれ、あれって、不二家のペコちゃん?」という懐かしい女の子が、舌を出して微笑んでいるのを発見。どうしても、どう見ても、意地でもペコちゃんである。不二家のケーキの不祥事からまだ1年ちょっとのことだったので、「おやおや、不二家はこんなところに活路を見出したんだ!!」とビックリしたものだった。
 ところが、お菓子の袋をよく見てみると、彼女の名前はペコちゃんではない。Miss Palomita(ミス・パロミータ)である。パロミータとは、手許のスペイン語辞典によると「かわいこちゃん」。おお、諸君、「かわいこちゃん」であるよ。今井君が小学生のころ流行した「かわいこちゃん」という特殊用語が、こんなスペイン語辞典の中で生き残っていることに、感動。ついでに、このブログ記事のために、ヒマワリのタネをローストしたこんなお菓子をわざわざ購入した今井君にも、同じように感動である。

1E(Cd) Kubelik & Berliner:DVOŘÁK/THE 9 SYMPHONIES 6/6
2E(Cd) Avner Arad:THE PIANO WORKS OF LEOŠ JANÁĈEK
3E(Cd) Akiko Suwanai:INTERMEZZO
4E(Cd) Akiko Suwanai:BRUCH/CONCERTO No.1 SCOTTISH FANTASY
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