Thu 110407 内村鑑三「デンマルク国の話」 今井君独特の海外旅行行動パターン(2) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 110407 内村鑑三「デンマルク国の話」 今井君独特の海外旅行行動パターン(2)

 今井君は、今こそ全国の高校生&大学生諸君に、内村鑑三「後世への最大遺物 デンマルク国の話」を読んでいただきたくてたまらない。戦後直後、「デンマルク国の話」の方は国語教科書に掲載されて、敗戦のショックに打ちのめされた焼け跡の子供たちを大いに勇気づけたのだそうだ。
 教科書に掲載するには時間がかかるから、読書感想文コンクールの課題図書にするとか、ディベート・コンクールの題材にするとか、先生がたお得意の「イヤでも読ませる方法」をいろいろ考えて、意地でも日本の青少年にこの本を広く知らしめたい。今読み返しても、今井クマ蔵の本棚の中で最高の本のうちの1冊である。
 岩波文庫の奥付をみると、初版発行が21年10月。今井君の所有するのは昭和49年、第29刷である。「後世への最大遺物」は明治27年に内村鑑三が行った講演を文字におこしたものだから、さすがに古すぎて、21世紀の中高生には古語辞典でもなければ難しいかもしれないが、「デンマルク」だけなら1時間もあれば読破できるだろう。
岩波文庫
(内村鑑三「後世への最大遺物 デンマルク国の話」岩波文庫版。現在絶版になっているので、図書館でどうぞ。大学図書館デビューにも最適)

 諸君、読みたまえ。先生がたも授業で紹介して、若い読者を増やしてくんなまし。別に国語の先生である必要はない。担当の科目が英語でも物理でも世界史でも数学でも「どうだ、内村鑑三の『デンマルク国』、岩波文庫でも80ページだ。読んで、日本が大震災から立ち直るキッカケを考えてみないか」ぐらい、語りかけるのもいいだろう。
 4月の第3週、いよいよ新学期の授業が始まる予備校の先生がたは、おお、確かに自分の書いた参考書の紹介も大事だが、むしろ生徒たちは参考書以外の本を心の底から求めている。学習参考書の渦に取りまかれた自分の幼ない読書生活に、そろそろウンザリしているのだ。
 そこへ、内村鑑三が颯爽と登場。戦争に完敗し、国土のうち肥沃な部分をすべて奪われた絶望から立ち直るべく、敢然と立ち上がった若き政治家が国民に何を語りかけるか。それは読んでのお楽しみだが、予備校の先生が新学期これを一番に紹介すれば、生徒たちの心をグッとつかむのにも大いに役立つと思う。
くるすかんぽ
(スペインビール「クルスカンポ」ちゃん。トレドにて)

 さて、マドリード紀行である。今回のマドリードばかりではなく、海外にはいつでも「飲んで、食って、怠けよう」というウハウハな気持ちで出かけるので、今井旅行はおよそ日本人海外旅行者の概念を超越した、恐るべき怠惰旅行になる。
 「なんにもしない」をするために行くんだから、ホントに全く何もしない。天に誓って、なあんにもしない。以下、ヨーロッパ旅行中の今井のスタンダードな行動を書いておく。
(1) 朝10時ごろ起床、というか、とりあえず目は覚める
(2) 11時半まで部屋でウダウダする
(3) 11時45分、掃除のオバサンに叱られて、止むなく部屋を出る
  (欧米の掃除のオバサンは日本では想像しがたいほど厳しい
  ことが多い)
(4) ホテルのそばの手近な観光地をブラブラする。無名の場所で
  かまわない。
(5) 13時半、ランチ。その頃はもう喉が渇いているから、もちろん
  「まず、ビール」
(6) ビールで終わるはずがないから、ワインをフルボトルで注文。
  無名の安いワインでかまわない
(7) 午後3時近く、店に他の客がいなくなったころ、「ワインを
  もう1本」
(8) 16時、店のヒトに白い目で見られ、店内の片付けが始まって、
  そろそろ店を出る
(9) ホテルに戻って一休み、もちろん睡魔に負ける
(10) 目を覚ますと20時を過ぎている
(11) 腹は減っていないが、それでも「ディナーも悪くない」と
  思う
(12) 店に入り、ビール。ついでにワインも1本注文
(13) コキヤージュとか、おっきなブイヤベースとか、
  地元のヒトも驚くような料理を注文
(14) ワイン1本で済むはずがないから、もう1本注文
(15) 気がつくと日付が変わりそうになっている
(16) 最後にビールをもう1回注文
(17) ホテルに帰って翌10時まで爆睡する
 どうですか。日本人旅行者のスタンダードとは、完全にかけ離れている。アリさんとキリギリス君みたいである。
 日本人とは、朝7時に集合するもの。午前中2カ所、午後3カ所、観光地をスピード・ハシゴして、勤勉に勉強に励むもの。昼食も夕食も有名店を集団で訪れ、次々出される有名料理を、ものも言わずに黙々と平らげるもの。
 今井君の10日ぶんを、整然とした集団行動で2日もあればこなしてしまうもの。「あこがれの5つ星ホテルにご宿泊」でも、朝8時にはチェックアウトして、嵐のように次の目的地にバス移動する集団。うぉ。こりゃ、無理でございますな。
さぐれす
(ポルトガルビール「サグレス」。フィーゴの微笑みを見よ)

 なお、スペインとポルトガル、イベリア半島のこの2国は、ビールも旨い。2011年の夏は日本でビールが品薄になることが予測されているが、諸君、それは日本のビールにこだわるからである。ドイツやチェコのビールももちろん旨いが、イベリア半島は意外なビールの穴場である。
 スペイン「クルスカンポ」(驚いたことにMac君の変換は「クルス簡保」だが)、ポルトガル「サグレス」、このウワバミ今井が気に入っているのだから、旨いことは保証付きである。ビールが品薄なら、イベリア半島から輸入しようではないか。
こいんぶら
(サグレスと緑ワイン「カザル・ガルシア」。ポルトガルの大学街コインブラにて)

 「パンがなければ、お菓子を食べたらいいじゃないの」のマリー・アントワネットどんもビックリの発言かもしれないが、諸君、イベリア半島だって財政危機だ。どんどん輸入して、彼ら彼女らを支援しようではないか。我々も、輸入するためにどんどん働けばいい。前代未聞に働いて、オカネを稼いで、ビールでも何でもどんどん輸入して、
「ぷはーっ」
「働いた後のビールは旨いねぇ」
「ぷはーっ」
「この一杯のために働いてるようなもんだよねぇ」
「ぷはーっ」
冷房のいらない涼しい屋上ビアガーデンで、課長や部長代理の満面の笑みを眺めようではないか。おお、内村鑑三も思いつかないような、素晴らしいクマの発言であるよ。

1E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
2E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
3E(Cd) Bruns & Ishay:FAURÉ/L’ŒUVRE POUR VIOLONCELLE
4E(Cd) Collard:FAURÉ/NOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc. 1/2
total m28 y222 d6187