Tue 110405 夜の桜が悲しそうだ いよいよマドリードに戻る さてと、飲みに出るか | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 110405 夜の桜が悲しそうだ いよいよマドリードに戻る さてと、飲みに出るか

 今井君のおウチは代々木上原であって、周囲は桜の名所がいっぱいである。もちろん名所といっても「知る人ぞ知る」という程度に過ぎないので、上野公園だの千鳥が淵だのという大袈裟な話ではない。
 しかし、下北沢の北沢川緑道は今まさに桜の満開であるし、代々木大山公園も、笹塚から幡ヶ谷までの玉川上水緑道も、「散りそめ」から花吹雪に季節が進む頃。いつもの平穏な春なら、地域のオバサマ&オジサマがこぞって集まり、花見の宴会が深夜まで、いつ果てるともなく続いているはずである。
 しかしやはり今年の桜は寂しいようだ。いったん「自粛しましょう」と呼びかけておいて、後になって「自粛撤回」から「自粛は自粛」へ、さらに「行き過ぎた自粛はヤメましょう」まで発展してきても、やっぱり何だかションボリしてしまって、宴会ではしゃぐ華やいだ気持ちにはなかなか戻れるものではない。
 昨日だったか、一昨日だったか、近くの笹塚で深夜2時まで酒を飲んでいた。1軒目は「花」という焼き鳥の店。後で調べてみると、どうも笹塚の名店のようである。他に客は1組しかいなかったが、客あしらいが丁寧で、居心地のいい店だった。飲む酒は、ひたすら東北の地酒。福島の酒を選んだ。とにかくBuy Japanであり、Buy Tohokuに励んでいる。
代々木の桜
(代々木大山公園、深夜2時過ぎの桜)

 12時を過ぎたところで、おそらく店の人たちも終電で帰宅するのだろう、ちょっと慌てた様子で「すみません、もう終わりなんで」と頭を下げられた。外は久しぶりの雨である。「おお、また放射能の数値が上がりそうだ」とビクビクしながら、頭が雨に濡れないように、セーターをかぶって2軒目を探した。
 2軒目は「わたみん家」。「わたみん家」がマイブームというわけではないが、このところ松山でも大阪でも、この元都知事候補の店によくお世話になる。笹塚は新宿から3駅目、他にも深夜までやっている店は少なくないが、10日ほど前に訪れて好きになった串揚げの店が、あいにくこの夜だけ休みだったので、お得意の「やむを得ないものはやむを得ない」ということにした。
 午前2時過ぎ、誰もいない玉川上水緑道と大山公園を経由して、トボトボ歩いて帰った。見てくれる人のいない真夜中の桜が、ひっそり集まって雨に濡れていた。真っ暗な公園に、街灯が2つか3つ。雨に花びらが散りかけて、「ま、来年を待ちますかね」という諦めきった風情であった。
ムセオ1
(マドリード「ムセオ・デル・ハモン(ハム博物館)」にて 1)

 さて、スペインであるが、昨日書いたような事情があって、2008年11月のマドリードはわずか10日に満たない短い滞在である。今井君のヨーロッパ旅行は15日間がスタンダード。まあ2週間+α。2週間を超えると、さすがに今井君はじいさんグマであるから、食べ物が胃にもたれて、一気に食欲を失う。
 食欲を失ってなお旅行を強行するのは、ただの意地っ張りにすぎない。食欲がなくて楽しくないのに旅行を続ければ、当然ムカついていて、ちょっとしたことで現地の人々とケンカする。いくらクマさんだって、毎日毎日「バターでこってり」&「脂でこってり」を繰り返していれば、ムカつきは急激に頂点に向かい、ムカつきメーターが振り切れて暴発しやすくなるわけだ。
ムセオ2
(マドリード「ムセオ・デル・ハモン(ハム博物館)」にて 2)

 だから、プランを作っているときには「もっと滞在していたい」という欲望が頭をもたげてきても、「いやいや、冷静に冷静に」「バターでこってり&脂でこってりの連続でござるよ。それにチーズとアンチョビとオリーブオイルでござるよ」と自らに語りかける。
 それでも冷静になれない時は、イングランドのパブのフィッシュ&チップスを思い起こせばいい。脂。バター。マヨネーズ。ビネガー。チーズ。タップリの塩。だいたいそれで頭が痛くなってきて、胸がムカついて、ムカつきとともに胸ヤケがし始めて、「許してくれ。2週間で許してくれ。2週間が限界だ」と叫びだし、思わず庭を駆け回りたくなる。
 いつも旅行の最後の2~3日、今井君はアッサリした和食を求めて街中を歩きまわる。その血走った両眼は、冬眠前のお腹を減らしたクマになりきっているはずだ。「何だっていい、中国人か韓国人がやっている『なんちゃって和食』だってかまわない」と心で叫ぶ。のたうち回る思いでプラハの街をくまなく駆け巡ったのも、ついこの間のことである。
ムセオ3
(マドリード「ムセオ・デル・ハモン(ハム博物館)」にて 3)

 マドリード滞在が10日足らずということになれば、そういう心配はしなくて済む。最初から最後まで、生ハム♡生ハム♡生ハム。「ハモン・セラーノ」であるね。最初から最後まで、子豚の丸焼き♡丸焼き♡丸焼き。「コチニージョ」であるね。ソーセージと聞くだけで頭痛がしたのは、ドイツ滞在が2週間に近づいた頃だったのだから、とにかく10日なら大丈夫、自分で自分に太鼓判を押せるぐらいである。
 もちろん最初から最後までワイン♡ワイン♡ワイン。一番安いワインとビールで全然かまわない。「ウナ・コパ・デ・セルベサ」「ウナ・コパ・デ・ヴィノ・ティント」であるね。かっか。「オイガ、ポル・ファボール!!」であるよ。たまにはそれをシャングリアにしてもいいし、ヴィノ・ブランコと言い換えれば赤ではなくて白が来るでござるね。
11月初旬のマドリード
(11月初旬、黄色く色づき始めた街路樹。ホテル付近で)

 第1日、今井君は、首締め強盗がコワくてコワくて、ホントにオッカナビックリでマドリードの街に歩みだしたのであったが、そこは11月初旬の最も美しいマドリッド。街路樹が少し黄色に染まり始め、「やっと夏が終わった」という感じの爽快な風が吹き渡っている。
 「よおし、まず昼食だ」「ソル広場のムセオ・デル・ハモンで、まず飽きるほど生ハムをハムハムしよう」と思い立った。ハムハムとは、古典の時間なら「食む食む」ということであるね。
 この段階で、時計はすでに12時を回っている。ギリギリまで眠ったので、飛行機の疲れもすっかりとれている。というか、飛行機の中でタップリ飲んだお酒の酔いも醒めている。「まずビールを一杯、一息にあけて…」という決意には、まさに最高の時間になっていた。

1E(Cd) Barenboim & Berliner:LISZT/DANTE SYMPHONY・DANTE SONATA
2E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
3E(Cd) Chailly & RSO Berlin:ORFF/CARMINA BURANA
4E(Cd) Pickett & New London Consort:CARMINA BURANA vol.2
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