Thu 110219 (第990回 カウントダウン10) 源五郎丸と押尾のこと 土気講演会(続) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 110219 (第990回 カウントダウン10) 源五郎丸と押尾のこと 土気講演会(続)

 さて、土気講演会であるが、今井君は東京駅を4時半ごろ出発の「総武線快速・上総一ノ宮ゆき」に乗り、チバヒル到着17時59分。すでに早春の陽はとっぷりと暮れて、チバヒルには春まだ浅い強風が吹き荒れている。まさに「春は名のみの風の寒さや」である。
 講演会は19時スタートだが、1時間ほどの余裕をもって到着するのが講師としての最低限の礼儀。「まさか、先生が来なかったら、どうすんべ?」みたいな恐怖を主催校舎に感じさせるのは、最低&最悪である。
 だから、ホントはもう30分ほど早く現地に到着していなければならないが、何しろ東京からチバヒルまでの直通電車は滅多に走っていない。「直通にこだわらなくても、千葉で外房線に乗り換えればいいじゃないか」と考えれば、もちろん考えられないことはない。しかしその場合、この時間の、部活帰りの高校生を満載したローカル線普通車両に乗らなければならない。
 今井君の立場になって、考えてみてくれたまえ。まず、今井の周囲の高校生が「あ、今井だ♨」「お、今井だ♡」「ゲロ、今井だ♣」と小さく叫ぶ。すると、「今井とは誰か」を知らない高校生も「今井って、誰?」「今井って、何?」「スゲー、ヒゲじゃね?」「チョー、短足じゃね?」と一斉にこちらを振り向く。
 それにつられるように、ちょっと早めに帰宅するサラリーマンも、ちょっと帰宅の遅くなった買い物帰りのオバサマも、好奇心のカタマリになってクマどんをジロジロ眺めることになる。それが千葉からチバヒルまで30分近く続くことを考えると、うーん、やっぱり直通電車のグリーン車に750円ぐらい払っても、静かにゆっくり&のんびり行きたいのである。
土気1
(土気での講演会 3)

 2年前の土曜日の昼、大分から久大本線で九州の内陸部に入っていったことがあった。あれは3月。沿線には黄色い菜の花が咲き乱れていた。前日に大分での講演会があって、熊本だったか福岡だったか、次の講演会に向かう途中であった。
 わずか1両編成の気動車の中、今井君以外はほぼ全員が土曜日の昼下がりの高校生。一人だけ、座席に正座してミカンを食べているおばあちゃんがいたけれども、その他はほぼ「あ、今井だ」「お」「ゲロ」の高校生である。彼らが三々五々降りていって、汽車がカラッポになるまで1時間あまり。まさに好奇の視線の渦の中に身を置いた。うにゃ、ああいうのは、もうさすがに願い下げである。
 もちろん、それなら「ソニック」だったか「にちりん」だったかの特急を利用して、小倉経由で行けばいいのだが、今井君は無類の乗り鉄である。それまで乗ったことのなかった久大本線(久留米の「久」と大分の「大」をくっつけたベタな名前だが)も経験したかったし、1度も訪ねたことのない大分県日田の町を、車窓からでいいから見てみたかった。
 若い諸君は知らないだろうが、我々の世代にとって、大分県日田は「源五郎丸の故郷」であり、かつての甲子園常連校「日田林工高校」の故郷である。「ははぁ、日田林工って、ここかぁ」「ははぁ、源五郎丸はここで育ったのかぁ」。そういう「はぁ」「かぁ」的な感慨にふけるだけでも、久大本線に乗るイミはあるのである。
 チバヒルに来たついでに書いておけば、この近くに「成東(なるとう)」という町がある。「成田の東」だから「成東」なのだが(これもまたベタですね)、高校野球の大好きな我々の世代には忘れられない「押尾投手の成東高校」がここにある。
 成東が甲子園に初出場した時(1989?)、ほとんど「町民全員が甲子園に押し寄せたんじゃないか」という大応援団が感動的だった。押尾がストライクを投げるごとに、アルプススタンドが大歓声にどよめいた。大漁旗が揺れ、タオルで鉢巻したオジサンたちが揺れた。あの余りに昭和なドヨメキを、今井君はいまだに忘れることが出来ない。
ろっく
(TOKYO-FM「スクールオブロック」の「急告」ページより)

 さてと、そろそろ閑話休題。チバヒルの夜を書かなければならない。この早春の強風の中、校舎の入り口に立って校舎長が待っていてくれた。誠に申し訳ない。やはり今井君の到着がホンの少し遅すぎたのである。
 講演開始までの1時間、今や受験真っ盛りの高3生たちと雑談して過ごした。まず、推薦入試やAO入試で進学がすでに決まっている女子生徒4名。千葉大2名、筑波大1名。上智大1名。「医学部」という名前もあがって、おお、さすがチバヒル。高学力層がどんどん登場する。
 次に「明日、早稲田大学政経学部を受験します」という男子。国際政経学科を受験に行くという。せっかくだから「宇宙征服」のサインを書き、彼の希望で一緒に写メに収まった。ちょっと声を詰まらせる様子に、「興奮し過ぎかもしれない」と心配になったが、「オマモリに持っていく」というのだから、まあいいだろう。
土気2
(土気での講演会 4)

 講演会は19時開始。20時半終了。出席者105名。諸君、チバヒルで105名は、驚異的な数字である。土気校には105名収容できる大教室がないから、近くに会場を借りての実施になった。
 4年前は2回にわけて実施したし、3年前と2年前はホントに立錐の余地もないほどギューギューに詰めて実施したが、「さすがにあそこまでギュー詰めはマズい」ということになったようだ。これには今井君も激しく同意。ギュー詰めも、限度を超えれば「授業」「講演」ともに成立しない。誰か酸欠で倒れでもしたら、全て台無しになる。
 臨時の会場は、つい最近までTSUTAYAが借りていた賃貸物件である。壁には、ビデオの並んでいた棚の跡がクッキリ、ズラリと残っている。おお、アメリカでも貸しビデオ屋「ブロックバスター」が次々に撤退しているのと同様に、日本でも「ビデオ屋に足を運んでレンタルする」という生活様式はもはや時代遅れになりつつあるのかもしれない。
メガシャキ
(メガシャキ第2弾「家族を安心させちゃいな」)

 いつも同様の大爆笑の連続が、元TSUTAYAの殺風景な大教室に激しく響き渡って、おそらく外の道を行くヒトビトは「何事が起こってるの?」といぶかったはずである。20時半終了。
 最近の今井君はサイン会もどんどん実施しているが、「早く帰って、どんどん勉強させたい」という熱心な校舎長の意向もあって、本日はサイン会はナシ。おお、こういうところもしっかりした考えが浸透しているのである。
 帰り道、さっき合格報告に来てくれた女子生徒たち(千葉大と上智大)とコンビニの前でバッタリ出会って、駅まで雑談しながら歩いていった。話す言葉もすっかり大学生っぽい。うーん。「いよいよ学部デビュー」、時の経つのは速い。それだけに、「合格から入学式までが、実は一番大事」を忘れてほしくない。その話は3月3日配信の「メガシャキ」第3弾でしているから、是非注目のこと。

1E(Cd) Alban Berg Quartett:HAYDN/STREICHQUARTETTE Op. 76, Nr. 2-4
2E(Cd) Bernstein:HAYDN/PAUKENMESSE
3E(Cd) Fischer & Budapest:MENDELSSOHN/A MIDSUMMER NIGHT’S DREAM
4E(Cd) Coombs & Munro:MENDELSSOHN/THE CONCERTOS FOR 2 PIANOS
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