Sun 110213 (第984回 カウントダウン16) 名古屋のオバサマ宴会 新幹線に間一髪 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 110213 (第984回 カウントダウン16) 名古屋のオバサマ宴会 新幹線に間一髪

 2月17日、三重県津での公開授業を無事に終えたクマどんは、22時の近鉄特急で名古屋に引き返した。講演開始の直前から降り出した雨は、この時間帯には天気予報通りの強い風雨になった。
 近鉄特急1号車は、まあクリーン車にあたる「デラックス車」。この車両に乗るには、特急券の他に「デラックス券」という妙竹林なシロモノが必要。車内放送でしつこく何度でも「ご利用には、デラックス券が必要です」と繰り返すのだが、うーん、「デラックス券」ねえ。繰り返されるたびに滑稽感が増していく。どういうものですかね?
 四日市まで30分ほど、東進スタッフといろいろ話し込み、彼が四日市で降りた後、もう30分デラックス車両を満喫して名古屋に着いた。おお、名古屋はすでに風雨というより暴風雨であって、今井君の乗ってきたデラックス車は、まるで洗車機の中を通過していくようである。
ねむりにゃご
(ねむりニャゴ)

 津ではお食事会がなかったので、名古屋で一杯飲むことにした。津新町校は、「祝・公開授業大成功」→「飲めや歌えのお食事会」に流れ込むタイプの校舎ではない。そういう時間も惜しんで懸命に生徒の面談にあたり、生徒の成績管理につとめ、成績向上の秘策を練るミーティングを重ねる。理想的な生真面目タイプである。
 今井君は、どちらも素晴らしいと思うのだ。もちろん、ひたすら勤勉に1秒1歩の前進を続ける姿勢も素晴らしい。「飲めや歌え」で講師のやる気を盛り立ててくれるのもまた素晴らしい。お食事会で現場の先生がたとコミュニケーションを深めれば、そこからまた授業の質も向上するし、日々の言動にも安定感が増すのである。
忍法巻貝
(忍法・巻貝)

 そこで、名古屋駅前のマリオットから、暴風雨にも一切めげることなく、トヨタビル横の飲み屋を目指した。入ったのは「眺め屋」。別に窓の外の眺めがいいというわけではないから、どこがどう「眺め屋」なのかわからない。「和民」と、もう1件別の巨大チェーンの居酒屋とが入居した雑居ビルの3階。今井君はこういう店も大好きであって、あまりいちいち贅沢は言わないのである。
 この店で午前1時まで。隣のテーブルのオバサマ連3人の愚痴話に聞き耳を立てながら過ごした。オバサマ連のバッグやコート類が、今井君のテーブルの方までドンドンはみ出してきて、しかしオバサマ連は何の罪悪感も感じないらしい。40歳代前半かねぇ。
 そのうちの1人が、激しくタバコを吸っては、クマ蔵どんのほうに思い切りケムリを吐きかけてくる。今井君も負けずに、お湯を冷ますようにフーフー言いながらケムリを吹き返す。
 最後には、メニューを扇子代わりにパタパタさせ、ケムリを激しく煽ぎ返すといいう無慈悲な行動に出た。やがてとうとう店の人が見かねて、テーブルとテーブルの間のスダレを下ろしてくれた。
拡大図
(忍法・巻貝 拡大図)

 こういうマナーというのは、いったい何なのだろう。ケムリが仲間にかかるのを遠慮して、仲間ではなく他の客を向いて「ケムケム吹きかけ攻撃」に出る。残念なヒトたちの残念なマナーだが、オバサマたちの愚痴の重苦しさから考えて、相当疲れていらっしゃる。今日も仕事でお疲れ。しかしそれよりも、人生全体にすっかりお疲れ。禁煙席のない店でタバコを吸ったぐらいで、あんまりキツく注意するのも無慈悲だろう。
 真夜中を過ぎて、終電を気にしなければならないマトモなヒトビトが帰ってしまうと、他の客はオバサマ連だけになった。オバサマ連は、どうやら出張でお泊まりらしい。おお、道理で、酒はいくらでも注文するし、料理も際限なく追加する。マコトに元気なオバサマたちである。
 立ち聞きした感じでは(ホントは「座り聞き」ですが)保険関係のお仕事。営業で、棒グラフに追いまくられていて、「上司がダメ」で「同僚がダメ」で「後輩が仕事ができない」。しかも「クライアントが疑い深い」という、いかにもありふれたシチュエーションである。
 こうして、深夜1時を過ぎても、オバサマ宴会は終わる気配がない。愚痴と悪口と失望と嫉妬が、濃いタバコのケムリに溶けあって、自らの成績不振の言い訳に化学変化していく。
 そのありさまは、凍えるような暴風雨の夜にはマコトに寂しい眺めである。会計を済ませ、コートを羽織って外に出ると、マリオットは真ん中あたりから雲に隠れて、今井君の宿泊する44階は、もうすっかり雲の上であった。
投球ポーズ
(サウスポー・ニャゴロワの投球ポーズ)

 翌日18日は、交通機関にあまり恵まれない日で、ちょっとしたピンチに遭遇した。名古屋駅新幹線ホームで、予定の「のぞみ」に乗り遅れかけたのが。ピンチその1。「メガシャキ」インターネットCMについて、読売広告社の担当者とケータイで夢中で話していて、のぞみチャンが来ているのに気づかなかったのである。
 大きな駅弁(名古屋みそカツ弁当)の包みを抱えて、発車する新幹線を呆然と見送る、そういうマンガみたいな情けない事態になる寸前、間一髪で気づいて助かった。電話がかかってきたのが12時05分。のぞみの発車時間が12時10分。進行方向左側のホームに来るとばかり思って、電話に夢中になっているうちに、のぞみチャンは反対側の右側ホームにとっくの昔にやってきていた。
 ハタと気づいたのは、駅のアナウンスの「のぞみ118号、東京行き、発車いたします」の声である。おお、いくら超・旅慣れた今井クマーニーでも、油断というものは恐ろしい。見栄も外聞もなく、ホームを横切って猛然とダッシュした。乗り込んだ瞬間、今井君の後ろでドアが閉まったのだから、間違いなく危機一髪であった。
 では、ピンチその2は? それは明日の記事に詳細を書こうと思う。