Sat 110212 (第983回 カウントダウン17) 今井は「東進の通天閣」ちゃいまっか? | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 110212 (第983回 カウントダウン17) 今井は「東進の通天閣」ちゃいまっか?

 ふう。なあんだ、安心した。心配したわりに、番組の出来はなかなか良かったじゃないか。諸君、今井クマ蔵は、深夜から早朝にかけてチャンと眠らないでいて、キチンとフジTV「近未来予測テレビ THE NEXT」を見ていたのである。制作者責任というか、制作したのは今井君ではないから、「出演者責任」である。
 予想した通り、番組は「ちょっとコマギレ過ぎ」。たった75分を10業種の紹介で割り算したのでは、視聴者の側からすればどれもこれも物足りなくて、「もっと業種をしぼって、もう1歩踏み込んだ取材をした方がいいんじゃないか」という感想をいだかざるを得ない。
 しかし、もし「業種をしぼった踏み込んだ取材」をすれば、真っ先に切り落とされるのが「予備校」だったかもしれなくて、やっぱり陰の存在である予備校講師なんかが、あんまり贅沢を言うべきではない。取材していただけただけで満足。番組に組み込んでいただけただけで満足。そういう謙虚な姿勢でいるべきである。
じっと1
(じっとクマ蔵の発言を聞く1)

 周囲の反応は、
「よかった、よかった。チャンと今井クマ蔵のインタビューも入っていた。アップの映像もたくさんあった」
「よかった、よかった。授業風景も挿入してもらえた」
「よかった、よかった。いかにもクマっぽい可愛い笑顔で、今井君独特の冗談をとばすシーンだって入れてもらえた」
「よかった、よかった。『キューピーマヨネーズ』も入ってた」
など、好意的なものが多かった。
 特に「わからないところは、質問できるんですか?」に対する、今井君の明確で軽妙な受け答えは評判がいいようである。
「質問する生徒の長い列が出来る先生なんてのは、ダメですね。よっぽどダラしない授業をして、『わからなかった』という生徒が続出したんでしょう」
「最高の授業をすれば『わからないところ』なんかあるわけがない。質問なんかあるわけがない。『もし質問が出来るんなら、質問してみろ』というぐらいの自信がなかったら、講師ベスト10には残れませんね」
じっと2
(じっとクマ蔵の発言を聞く2)

 おお、まさに今井節。すみません、「今井セツ」ではなくて、「今井ブシ」と読んでください。今井セツだなんて、昔のおばあちゃんじゃないんです。「ブシ」とは、そのヒト独特のノリノリ演説のこと。
 予備校の世界だって、「奥井節(奥井潔師)」「伊藤節(伊藤和夫師)」「表節(表三郎師)」「桑原節(桑原岩雄師)」など、名人節が昔はいろいろ存在したものだ。もっとも、「節」の名に値するのが、昭和の駿台に集中するのが気になるところ。予備校文化の衰退は、おそらく昭和50年代、「節」の名に値する先生が漸減していった時代に始まったのだ。
「安心しました。背景として通り過ぎる程度にされるかと、心配していました。チャンと予備校の広告塔をやってたじゃないですか」
というのもあった。おお、東進の広告塔=今井クマ蔵である。
 確かに「今井君の授業風景がもっともっとたくさん入ると思っていた」と残念がる向きも少なくない。しかし、まあ諸君。そこまで贅沢を言っちゃダメだ。授業は、授業として、チャンとブースで見ればいい。
なかなか
(クマさん。なかなか良かったじゃないですか)

 この番組での今井君の役割はあくまで東進の広告塔。多少あくどい広告になってしまったとはいえ、今井君が目立つための番組ではないので、東進の広告になりさえすれば、それでクマ蔵は100%大満足である。
 「東進のスカイツリー」では言い過ぎかもしれないので、東進の東京タワーであり、東進のエッフェル塔であり、東進のビッグベンである。東進のピラミッド、東進のサグラダ・ファミリア、東進のコロッセオである。いや、東進の天安門広場、東進のクレムリン、東進のタジマハールである(いくら今井が打ちまちがえたからって、mac君は「田島ハル」ときたよ)。
 そこまで頑張らなくとも「東進の通天閣」ぐらいは言っていいだろう。ホンマでっか?  ちゃいまっか? ホンマでっせ。通天閣だって、むかしむかしその昔には「空に灯がつく通天閣」とまで歌われた(村田英雄「王将」より)たいへんな広告塔だったのだ。もう今井君はすっかりオジサンであるから、通天閣の役割をどんどん担っていきたいのである。
ねますか
(さて、安心したところで、ニャゴもナデシコも寝んねしますか)

 いんにゃ。今井クマ蔵は、むしろ「予備校文化の通天閣」を目指したい。いまや浪人生は激減して、予備校文化自体が風前のトモシビなのである。「○○節」に該当する名物先生も消えた。それを期待するオトナな生徒も見当たらない。
 浪人生が激減すれば、予備校もみんな現役シフトして、ひたすら面倒見のいい塾を目指す。代ゼミタワーなんか、最大の教室でも120人程度だというから、超満員で400人も500人も教えた、かつての大教室の熱気はもう期待できない。この世界は、何となくコドモっぽい、オコチャマ支配が定着しつつあるのだ。
 通天閣くんは、そういうオコチャマ支配の中で、ひたすら通天閣としてキツいことを言い続けていきたい。「アメリカの赤ちゃんになって英語のシャワーを浴びるんだ」「つらい勉強はいりません。聞き流すだけでいいのです」。その種のバカバカしいオコチャマ発言は一切ヌキである。
 話は簡単だ。「単語をチャンと勉強せよ」「まず文法をカンペキにせよ」「読解がキツイのは当たり前」「それには、今井の授業が最高。今井の授業に受けて、もし質問できるなら質問してごらん。滅多なことでは疑問なんか残らないから」。こういうキツい通天閣=今井節で、まだ6~7年はこの世界を照らし続けようと心を決めている。