Sat 110108 三たび「何でも『あまい!!』はおかしくないか?」 甘い予備校講師の意見 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 110108 三たび「何でも『あまい!!』はおかしくないか?」 甘い予備校講師の意見

 最近、テレビを見ていて気になることがある。というか、むしろ気になることばかりで、気にならないことを探す方が珍しい。もちろん、シロートのブログに過ぎない今井ブログに、頑張って「気になりました」と書いてみたところで、どうせ何の改善も効果も影響もないことはわかっている。1日PV数が平均して7000件を超えるようになったとは言え、その事情は変わらない。
 例えば、2008年の6月からずっと一貫して書いてきた「甘い!!」というコトバへの疑念だって、書いても書いても、相手にしてくれるヒトは誰もいない。むしろ、状況は悪化の一途。グルメ番組では、もう何を食べても「甘い!!」と叫ばなければ番組が成り立たないほどである。モヤシも、キャベツも、豚肉も、みんな「あまーい」だ。
 甘エビにイカにネギが「甘みがある」というなら、気難しい今井君でも許せないことはない。しかし、ワサビでも、ブリでも、マグロでも、口に入れた瞬間、ろくすっぽ噛みもしないうちに身をよじり、眉を引き寄せ、甘みのせいで正気を失ったかのように「甘い」「甘い」を連発するのは、どうしてもおかしいと思うのだ。
 何でもかんでも意地でも甘くて、甘み以外の味覚はほとんどすべて無視され、死に絶えてしまった。一昨日だったか、ついに青汁が「甘い!!」ということでみんなの意見が一致するCMをみた。そんなもんが甘くてどうするんだ? 大根も「甘い」。ホーレンソウも「糖度を測ってみたら、何とイチゴより甘い」だ。
逼塞
(今日はマックの紙袋に逼塞して過ごす)

 あらら、今井クマ蔵は、そんな変なもんはイヤでござる。大根は辛い方がいい。ホーレンソウや青汁は青臭くってナンボだろうと信じる。イカは、イカの味。ブリは、ブリの味。キャベツは「糖度がイチゴ以上」であるより、「どこかに青虫が潜んでないか?」と疑うような、お日さまの匂いがする方がいい。
 今や、甘くて叱られるのは、模試の判定と予備校講師と日本酒ぐらいのものだ。意外に、おまんじゅうとかヨーカンとかお汁粉とかも、甘くて叱られがちである。本来甘いもんが甘いと叱られ、甘くないもんは全部「甘い!!」で大絶賛の世の中、こりゃ変だろう。
 クマ蔵は、日本酒の「甘口」「辛口」を得々と語るようなヒトが、余り好きではない。日本酒なんか、黙ってクイクイ飲みたまえ。いちいち身をよじって感動するのはヤメたまえ。
 模試の判定なんか、甘くたって辛くたっていいじゃないか。どうせホンモノとは違う、予備校の経営方針の問題。「やたら厳しい方が信用される」という理由で、無理やりキツい判定を出す予備校だって存在するのだ。判定なんかに一喜一憂しているヒマがあったら、間違えた問題を2度と間違わないようにすることの方が遥かに大切だろう。
 予備校講師なんか、甘い方がいいんじゃないの? いちいち「お前たちはダメなんだ」と罵られたい? いちいち「お前は完全にはわかっていないんだ」と重箱の隅をつつかれたい? そんなことより、甘くて、わかりやすくて、たくさん褒めてくれて、どんどんやる気を引き出してくれて、気がついたら合格している方がいいんじゃないの?
今日もまっく
(暑苦しいときは、シッポを外に出すと涼しい)

 要するに「本来は甘くないものに甘さを求め、もともと甘いものを甘いといって否定する」、たいへん変な世の中が出来てしまったのだ。甘くないものに甘みを感じることがステイタス。甘いものの甘さに暢気に浸っているのはダメなヒト。こんなネジ曲がった世の中で、ヒトは幸せになれるものだろうか。
 この3年のブログで、このことを書くのはこれが3回目である。頻繁に今井ブログをチェックしてくれているヒトたちからは、賛同のコトバをもらうことが多い反面、「今井は神経質だねえ」という嘆息も聞かれる。Mac君は「短足も聞かれる」と、おお、今井にまさにふさわしい変換をしてくれたものだが、ブログの「検索ワード」を見ても「今井、神経質」でブログに入ってきたヒトが昨日2人いた。
 だから、「甘い」批判をここにこれ以上書いても何にもなりはしない。しかし「神経質なヒトですね」と言われようがどうしようが、やっぱり言っておかなければ気が済まない。さすがに「青汁が甘い」じゃ、世の中がおかしくなっているとしか思えないじゃないか。
足とシッポ
(このスタイルも涼しい)

 以前「甘い批判」を書いた頃は、まだ舞台はBIGLOBEのウェブリブログ、1日のアクセスが3桁、1000に届かなかった頃である。どうだろう、舞台はアメブロに変わり、アクセスはタマには1万に届くぐらいまで増えた。今こそ、もう1度「何でもかんでも『甘い!!』『甘い!!』はそろそろヤメた方がよくありませんか?」とメディアに問いかけるチャンスが来たように思うのだ。
 「おかしなコトバの氾濫が気になる」というのは、年を取った証拠かもしれない。オヤジになれば、テレビの前で寝そべっている時間が増え、テレビの前で寝そべっていれば、必然的に「昔はこんな言葉遣いをしなかったのに」という疑問は積み重なっていく。
「豚肉の甘みとぉ、キャベツの甘みがぁ、絶妙に絡み合ってぇ…」
「まずぅ、キャベツの甘い香りがフワっと来てぇ、それから豚肉の甘い肉汁がトーロリとぉ…」
ホイコウロウを一口口にいれただけで、こんなに甘くて、フワっと来て、ジュワッときて、トローリときて、シャキシャキして、最後にまたアマーい。何だこりゃ? ないのは「プリップリの食感」ぐらい。日本語も、日本人の味覚も、劣化が著しい。思ったより、状況ははるかに悪化しているように思う。

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 3/6
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES4/6
5D(DMv) TROY
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