Sun 101226 日本医科大病院へ 網膜剥離は完治、視力も回復 いろんなヒトに出会えた | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 101226 日本医科大病院へ 網膜剥離は完治、視力も回復 いろんなヒトに出会えた

 昨日1月20日、朝9時半に代々木上原を出て、日本医科大学病院に出かけた。ほぼ1ヶ月ぶりである。12月中は病院がたいへんな混雑で、待合室を兼ねた病院の廊下は足の踏み場もないほどだったが、1月も下旬になり、「だいぶ落ち着いてきたな」という感じであった。
 年の暮れの気ぜわしさからくる興奮も、華やいだお正月気分も、もう遠い思い出の中に冷めてしまった。今となっては、病院だっていつまでも興奮してはいられないのかもしれない。センター試験から5日も経過して受験生の興奮が冷めてきたのと、ちょうど同じようなものである。
 前回来たときには、予約は10時だったのに、診察の順番がやってきたのは12時を過ぎていた。今回は、それが何だかウソのように、あっという間に順番が回ってきた。えこひいきでもされている感覚。おお、気持ちいい。
 眼科の患者は全員、診察の前に「視力検査室」に入って詳細な視力検査を受けるのだが、診察券を出して3分も待たないうちに「今井宏さん、視力検査室にお入りください」のアナウンス。周囲の患者さんも「お♨もう、あいつか」という羨ましそうな表情で顔を上げた。
丸刈りクマ1
(冬晴れの丸刈りクマさん。背景は元GHQ本部ビル)

 視力の回復ぶりもたいへん順調で、矯正視力ではあるがすでに1.0のところまでキレイに見える。それこそ「お♡見えるぜ」と声を出しそうな、ガッツポーズでもしたくなるようなキレイな見え方である。さすが現代医療。つい2ヶ月前には、視力検査表の1番上の0.1のデッカイ輪っかでさえ、どっちに穴が開いてるのかわからなかったのだから、この1ヶ月の急上昇ぶりは、我ながら見事なものである。
 自分で自分に感動していると、隣で同じ視力検査を受けていたおばあさんが、一言「まる」と発言。おお、穴が開いているのがわからなくて、「まる」なのだ。そういえば、ありゃ「まる」以外の何物でもない。今井君は小学生の時「C」と言った経験がある。だってCじゃないか。続いて「上を向いたC」「下を向いたC」「反対側を向いたC」みたいなことを連続して発言。その固執ぶりは、なかなか頑固な少年なのであった。
白鳥さん
(皇居のお堀と、白鳥さんたち)

 視力検査室を出て、「さあ、これから待たされるぞ」と覚悟を決めた。ところが、診察室から遠く離れたパイプ椅子に座るまもなく、いきなり「今井宏さん、診察室へお入りください」と来た。おお、えこひいきの連続である。またまた他の患者さんたちの「お♨あいつばっかり♨何で早いんだ?」という苛立ちの視線を感じつつ、診察室に入った。
 担当の医師は、「駿台と代ゼミで今井先生の授業を何度も受けました」というヒトである。おお、なかなかいいお医者さんになったじゃないか。落ち着いていて、すでにちょっと風格も漂ってきている。彼がまずカンタンに診察をして、「経過はたいへん順調ですね。では、最後に教授の診察を受けてください」ということになった。
 教授とは、今井君の手術をしてくれた眼科部長である。教授の診察室には、医学部生なのか、すでに医局に入った若手の医師なのか、2人の若者が控えていて、モニターで今井君の右眼網膜の画像を見ながら、教授の説明を受けている。「大きな損傷でしたが、キレイに網膜がくっつきましたね」と教授も大満足のご様子。2人の若者も「おお」「ああ」と感動の声を漏らす。
「万が一のことはあるかもしれませんが、今回の網膜剥離はこれで完治です」
という教授のお言葉に、さすがの今井クマ蔵今右衛門もしばらく感動に震えたのであった。
二重橋
(快晴の二重橋。たいへんおめでたい)

 最後の会計を済ませ、11月9日の手術の朝に寝間着とペットボトルのお茶数本を買った売店を覗いて、懐かしさに何だか泣きそうになった。ホントにお世話になった。古くて、狭くて、混んでいて、文句を言えばいろいろあるだろうが、この病院のいいところは、ここで働くヒトがみんな熱意でいっぱいだということである。
 病院というところはおかしな場所で、お世話になったという実感があればあるほど「もう2度とお世話にならないこと」が何よりの恩返しなのである。元生徒の医師にも、元生徒のナースにも出会えた。前述の視力検査室には「むかし東進で働いていました」という女性技師もいて、その落ち着いた検査ぶりには患者としてすっかり安心感を感じることができた。思い出してみると、決して悪いことずくめではない入院体験であった。
丸刈りクマ2
(みんなに感謝感謝の丸刈りクマさん。快晴の皇居付近で)

 病院を出ると、まだ11時半。病院の真ん前に小さな床屋を発見して、「ここにするか」と決めた。床屋に行くことは(昨日のブログ記事にも書いた通り)前日から決めていたが、入院体験をキチンと締めくくるためにも、病院の真ん前の床屋に入っていくのは悪くない。
 入ってみると、椅子がたった一つしかないホントに小さな床屋さんである。今井君と同じぐらいの年齢と思われるオバサマの床屋さんで、話しているうちに「息子が代ゼミで先生のお世話になったことがあるはずだ」と判明。こんなところに、またまた出会いがある。ちょっと短めの丸刈りにされつつ、網膜剥離のことに話題が及び、「では、手術はT教授ですか」と尋ねられ、何と教授も「床屋さんは、この店」と決めているようであった。
 丸刈り完了、12時半。千駄木は、ホントに気持ちのいい冬晴れである。風は冷たいが、日差しが暖かだから、むしろこのぐらい冷たい風のほうが爽快だ。網膜剥離発症から、3ヶ月。いろんなヒトに迷惑をかけ、いろんなヒトのお世話になり、いろんなヒトと出会えた。たくさんのヒトに心配もかけた。しかし、こうして、無事に完治。「もうここへは来ないように努力します」という奇妙奇天烈&妙竹林は挨拶を心で繰り返しながら、丸刈りクマ蔵は、千駄木から代々木上原行きの千代田線に乗り込んで、ふと安堵の溜め息をついたのであった。

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