Tue 101207 アンガールズの話はまだ続く 12月14日、北習志野で今年最後の講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 101207 アンガールズの話はまだ続く 12月14日、北習志野で今年最後の講演会

 ひとむかしの言葉で言えば、今井君は英語のセンコーである。先生を先公、警察官をポリ公、アメリカ人をアメ公など、つまらない蔑称で呼ぶ習慣が昭和の日本にはあったが、今井君などは高校のセンコーですらない。予備校のセンコーである。昔のイメージで言えば、悪いことしてカネばかり稼いでいる最悪の存在である。初対面の生徒たちが反感をいだくのは、むしろ当然かもしれない(スミマセン、昨日の続きです)。
 しかし、反感にあふれる生徒たちを、わずか2~3分でこっちの大ファンにしてしまうのが、今井君の得意ワザ。しかもこの5~6年、この得意ワザをしくじったことは一度もない。アンガールズとテレビクルーを前に、自分のハードルを徹底的に上げてみせたのも、その自信あってのことである。
北習志野1
(12月14日、北習志野での講演会)

 ただし、正直に告白すれば、教室に入室した瞬間「あちゃ、さすがにちょっとハードルを上げすぎたかな」と、小指の先ほどの後悔が頭をかすめた。講師なら誰でも、入室した瞬間に「大人しい生徒が多い」ということだけは肌で理解するものである。拍手の大きさや、最初から講師を目を合わせようとしない生徒の比率や、こちらを向いた生徒たちの笑顔の比率で判断するのだが、この日の状況は、今井にとって決して有利ではなかった。
 有利も不利も、別に今井は戦場に立っていたわけではない。しかし、今井クマ蔵の気持ちとしては「常在戦場」(Mac君の変換は「錠剤千錠」。そんなに飲んだら死んじゃうよ)であって、教壇やステージは1歩も引けない戦場であり、ましてや今日はテレビクルーもアンガールズもディレクター氏もいる。自分で上げたハードルを自分で超えられないテイタラクをさらすわけにはいかない。そういうワケで、この日の冒頭からの炸裂ぶりは、普段の講演会に1.5から2を掛けたぐらいの激しさになった。おお、初めから全開だ。
 「ええっ。100倍とか200倍じゃないとダメなんじゃないの?」というヒトは、やはりシロートなのである。「おとなしめ」と判断した生徒たちを相手に、普段の100倍200倍などというのは、ほとんど自殺行為。心をつかむどころか、あっという間に手の届かないところに逃げていってしまう。最初は普段の1.5倍程度がベストなので、「つかんだな」と判断してから一気にアクセルを踏む、それがプロである。
北習志野2
(北習志野講演会 2)

 生徒たちも、よく初対面の今井の授業についてきてくれた。最初ヒキ気味の80名は、ほぼ25秒でグッと引きつけられた。45秒で少々ファン、60秒で1回目の大爆笑、90秒で大ファン。あとは90分、一気呵成の授業になった。生徒諸君、今井は心から感謝する。ぜひ、そのまま、今井のC組B組を半年で受講し終えてくれたまえ。
 中でも一番楽しそうだったのがアンガールズである。ついさっき、「ここは、塾ですね。予備校ではありませんね」と不満そうにポツリと呟いていた姿は、もうそこにはない。確か、2人の最終学歴は広島大学であって、予備校の授業はよくご存知のはず。「今まで、こんなに楽しい予備校の授業を受けた経験はない」という満面の笑顔で、20時過ぎまで(おそらく予定を遥かにオーバーして)赤羽の諸君と一緒に笑い転げてくれていた。
 帰路、2人は「たいしたものですね、とても勉強になりました」という呟きをスタッフにもらしてくれたのだそうである。おお、さすがである。彼らから見ればトーシローに過ぎない今井君へのそういう一言こそ、芸人さんのカガミであるとクマ蔵は確信する。
北習志野3
(北習志野講演会 3)

 この日の盛り上がりは、翌日も続く。12月14日、千葉県北習志野で2010年最後の公開授業になった。19時開始、21時終了、出席者100名弱。諸君、北習志野という駅をご存知か? もし諸君が北習志野駅前を一目でも見た経験があれば、「この駅前で出席者100名は奇跡ではないか?」と思うことは間違いない。
 首都圏在住のヒトでも、「東葉高速鉄道と新京成電鉄の乗換駅」と言われてピンと来る人はまずいない。ましてや関西や九州のヒトに「昨日、北習志野でね…」とか言ってみたまえ。「どこや、それ。知らんがな、ボケ!!」「おいどんは、知らんでゴアス(龍馬伝の見過ぎ)」「知らんバイ」「知らんクサね(博多の言葉では、理解しにくいタイミングで「クサ」の一言が入るクサよ)」と一言で片付けられそうである。
 だって、駅前の一番背の高い建物でも3階建てか4階建て。地元のヒトに気をつかって言えば、「澄んだ青空が大きく見える、のどかな田園地帯」。しかも、東進独特の「高1&高2のみ」。期末テストが終わったか終わらないかという時期に、高1高2だけで、しかもこの風景。普通なら30名も集まれば十分ビックリである。
 ここで100名というのは、代々木で5万名、お茶の水で3万名、そういうのに等しいのだ。9月末、広島県の高屋校でこれと同じ感動を味わったが、あの時は中国山地の真ん中の過疎の町で300名。こういうのは、
「武道館を満員にした」
「東京ドームがあふれた」
「国立競技場を埋め尽くした」
そのぐらいの価値を感じていいのである。この5年の今井君は、そういうものの考え方ができるようになった。
北習志野4
(北習志野講演会 4)

 校舎長、校舎職員の皆さんの奮闘に大いに感謝する。ここの校舎長は、2010年7月の夏期河口湖合宿でもお世話になったヒトである。夏風邪で、熱が39℃まで上がって、布団にくるまって苦しんでいた今井君に「先生、お医者さんに行きましょう」とキッパリ言ってくれた記憶が新しい。頑固なクマ蔵はそれでもお医者さんを拒絶。薬局のクスリでゴマカしたのだったが、それが網膜剥離の引き金になったかもしれない。おお、ヒトの言うことはチャンと聞くものである。
 いろいろなことがあった2010年を総括するのに、マコトにふさわしい最終講演になった。昨日のアンガールズについての感動を語っているうちに15分ほど延長してしまったが、それもご愛嬌の範囲内と言っていいだろう。
 終了後、サイン会も実施。この3~4年、頑固なことを言って拒絶してきたサイン会であるが、網膜剥離での入院や、にゃごにゃご闘病記の経験とともに、「来年からは派手なサイン会もどんどん実施しようかね?」という気持ちになっている。実際、この日の北習志野でも、「北習志野の歴史上、サイン会として最も長い列が出来ました」とブロック長に感謝され、ホクホクしながら家路についたのである。