Sun 101121 12月5日、岐阜で講演会 そっくり返りすぎて後頭部が地面につきそうだ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 101121 12月5日、岐阜で講演会 そっくり返りすぎて後頭部が地面につきそうだ

 12月5日、岐阜で講演会。午前中に岐阜に到着し、昼前から講演、14時半にはもう帰途につくという、なかなかのハードスケジュールである。もちろんクマ蔵どんはこういう「駆け回っている」という感覚も大好き。「オレは忙しいんだ!!」「オレは全国を駆け回っているんだ!!」という実感は、思わず「オレはエリートなのかも!?」という大きな勘違いにボクチンを引き込んでくれる。
 勘違いが全てにおいてマイナスに働くとも限らないので、こんな妙竹林な勘違いがあるからこそ大きな自信が生まれ、脳内アドレナリンだかドーパミンだか、得体の知れない物質が噴出して、もともと臆病なクマどんを支えてくれるのである。クマ蔵どんは、とにかく褒めてほしいタイプ。けなされたり叱られたりすると、あっという間にションボリ萎んでしまい、やる気を失って、立ち直るのに2年も3年もかかる。
ぎふ1
(12月5日、岐阜での講演会)

 こういう面倒な臆病者は、ほめて&ほめて&ほめまくって、パンパンに膨れ上がったバルーン状にしておくに限る。勘違いアドレナリンで膨張したバルーングマは、おだてておきさえすれば、いつまででもアドバルーンの代わりになる。そのうちおだてるのが面倒になったり、ヒトビトに飽きられて扱いにくくなったら、プスッと針の先でつついて穴をあければ、片付けはすぐに終わって面倒は一切かからない。
 おお、取り扱いはカンタンだ。諸君、ほめたまえ。おだてたまえ。どんどん勘違いさせてくれたまえ。膨らませる方も、膨張してアドバルーンの役割を満喫する方も、お互いにこれ以上の関係はない。クマさんは何も疑わずに全国を駆け回り、新幹線のグリーン車でふんぞり返ったり、ANAのプレミアムシートにふんぞり返ったり、ちょっと高級なホテルのちょっと高級な部屋に宿泊させてもらったり、その程度のことでエリート気取りになってますます大きく膨らみ、ますます大きな広告塔に成長していく。
新幹線で
(新幹線グリーン車で膨張する今井クマ蔵こと赤井御目目之助)

 名古屋から岐阜までのたった20分の移動も、わざわざ特急「しらさぎ」のグリーン車に乗せてもらい、クマ蔵どんはもうふんぞり返りすぎて、後頭部が地面にくっつきそうである。つまり、クマ蔵が海老ゾリにそっくり返って海老蔵に変身する図である。もちろんクマ蔵には年齢相応の自制心がしっかり備わっているから、たとえ海老ゾリになっても、テキーラ海老蔵みたいに度を超して、日本中の老若男女から叱られるような行き過ぎたマネは決してしない。
 しかし特急「しらさぎ」の車掌さんは半信半疑である。だって、どこの馬の骨ともわからん中年男が、名古屋から岐阜までのわずかの距離にグリーン車料金を払い、それでふんぞり返って後頭部が地面につくほどリクライニングを倒しているのだ。彼の納得のいかない表情も当然であって、思わずクマ蔵どんは「すみませんね」を3回繰り返しておいた。
ぎふ2
(岐阜講演会でのクマ蔵どん)

 岐阜の講演会は、写真に写っている通り「中3受験懇談会」の一部分である。タイトルは「高校入試対策英語・公開授業」。午前中の第1部で岐阜のスタッフが岐阜県の高校入試についてデータを交えた詳細な分析を行った後、第2部として今井君が登場することになる。会場は岐阜都ホテル、出席者250名、講演時間は70分。普段はおそらく結婚式場としてつかわれている豪華な会場は、250名の出席者で超満員である。中3生とその両親、中にはハッキリおじいちゃんとわかる出席者もチラホラして、今井君の最も得意とする雰囲気になっていた。
 話は、「なぜ全国的に有名な講師がわざわざ岐阜にやってきたのか」から始まる。おお、最初からバルーンは膨らんで、その膨張ぶりに中3生はもちろん父母の皆さんも呆気にとられている。「今日までのキミたちは、岐阜県で何番、岐阜市で何番、岐阜で1番か2番の高校に入学すること、そういうせせこましい小さな世界に閉じ込められていた。しかしそんな小さな世界に閉じこもっていられるのは今日が最後。これからは全国が相手。世界が相手。だからこそ今井君が今日来たのである」。
ふじ
(静岡県新富士駅付近からの富士山。おお、美しい冬景色である)

 おお、シャボン玉とんだ。屋根までとんだ。ヒョーロクダマ、とんだ、屋根までとんだ。気持ちがそっくりかえりすぎて、「こわれて消えた」になりそうだが、それではシャボン玉でも表六玉でもなくてカンシャク玉である。ここから今井君はひたすら基礎力の重要性を説いていく。
 どんなに日本全国や世界を相手にするようになっても、要するに勝負は基礎力で90%以上決まっている。大学入試でも、高校入試でも、事情はかわらない。難問集とか、難問を集めた通信添削とか、そういうものに興味をもち、手を出してみたくなった瞬間に、全ては崩壊するのである。大切なのは、常に基礎力である。大学入試英語なら、単語と文法、標準的な読解問題。高校入試なら、要するに塾のテキストである。
 今まで塾でやってきた夏期講習と2学期と冬期講習の5科目分のテキスト、それをこれから入試までの間に3回ずつ繰り返して出来るかどうか。数学なら、問題を見た瞬間に「この解き方は、こう」と言えるようになるかどうか。それだけで、県内1位の高校合格ぐらい黙っていても100%手に入るのである。
 以上のことを70分かけて熱烈に説き、終演時の場内の拍手は最高潮。新郎新婦が退場していく結婚式場の熱い空気を遥かに凌ぐ大喝采の中、クマ蔵どんは小走りに会場をあとにする。「あまりにも当たり前のことを喋って、こんなに大喝采をうけていいのか」。そういう恥ずかしさに包まれているからこその「小走り退場」なのである。