Fri 101119 同志社、どうししゃったの? 94年SH鬼束の記憶 昔って、面白いですね | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 101119 同志社、どうししゃったの? 94年SH鬼束の記憶 昔って、面白いですね

 明治ラグビーの復活については昨日書いた通りであるが、明治の復活で一番喜んでいるのは早稲田の諸君ではあるまいか。この4~5年、「すでに明治ラグビーはライバルではない」というほどに実力差が開いた頃、早稲田命の今井君でさえ、早明戦の寂しさがつらかった。中浜や山中など今年の4年生が1年生だった年のスコアは71-7。国立競技場で観戦しながら、周囲の明治OBが「偏差値ぐらい差がついちゃったよ」とか、自嘲気味に顔を歪めて苦笑する姿は「寂しさここに極まれり」であった。
 観客だって、昨年一昨年は2万人ちょっと。5万も6万も入るスタジアムに2万や3万だと「ガラガラ」「ラグビー人気の凋落」を実感しすぎる。強くて重くて強引でねちっこい明治が復活してくれないと困るのだ。だから、テレビ観戦であっても、整列した明治のデカイやつらが「おお、明治」を熱唱しながら感極まって涙している姿に、クマ蔵も涙をこらえきれなかったのである。
冬が来た1
(冬がきた 1)

 ライバルがいてこその感動を知っている者にとって、今年の同志社ラグビーの低迷ぶりは「寂しい」の一語に尽きる。大学選手権に出てこない同志社なんか、同志社じゃない。大八木や平尾の時代の同志社を語るのは古すぎ、宇薄や正面(珍しい名字だが、それぞれ「うすずき」「しょうめん」)のバックス陣が活躍した時代は新しすぎるとしたら、1994年、SH鬼束(おにつか)が率いた同志社の活躍、というより伝説を是非ここで語っておきたい。
 90年代前半、セコくセコくPGで3点ずつとる戦法がまだ主流だった時代。ゴルフに例えれば「ロングホールをアイアンで刻んでいく」ような、もどかしいラグビーばかり見せられてウンザリしていた時代に、鬼束ひきいる同志社のラグビーは鮮烈だった。
 どんな好位置でPKをもらっても、鬼束は絶対にPGなんか狙わない。迷うソブリさえ一切見せない。SH鬼束を先頭に、とにかくトライだけを狙ってひたすら前進する。ラックから出たボールを、迷いを一切見せずにバックスに供給する鬼束の球さばきの歯切れよさは、今でもYouTubeで見ることが出来る。
 諸君、「1994同志社ラグビー」で検索してみたまえ。躍動するSH鬼束を見てみたまえ。ゴールポスト正面でペナルティをもらっても「PGなどという選択肢は聞いたこともない」という態度で、迷いなくFWなりSOなりにボールを供給。満員の観衆の驚きは、大きなどよめきに変わり、やがて大きな喝采が起こる。清宮監督時代、黄金期の早稲田が全くPGを狙わずに悠然と勝ち進んだ姿は、鬼束時代の同志社のプレースタイルを突き詰めたものである。
冬が来た2
(冬がきた 2)

 おお、感動である。感動したら、ついでだから、選手たちのヘアスタイルにも注目。何だ何だ、この古色蒼然たるヘアスタイルは? 敵味方とも、後ろは妙なカリアゲ君に。前と上は綺麗にクシを入れて、おお、固め放題に綺麗に固めて、激しいフォワードプレーの中でプレースタイルも頑固だが、ヘアスタイルも滅多なことでは乱れない。変なの。どうやって固めたんだろ。昔って、面白いねえ。
 観客席のヒトビトにも注目。何だ、この田舎臭さは。女子のヘアスタイル、男子のメガネ、ほんの15年20年前の日本がどれほど異質な世界だったか、痛感すること間違いない。スタジアムの広告にも注目。「日立キドカラーテレビ」「日立マスタックスビデオ 」「日本の酒 月桂冠」「マ・マー スパゲッティ」。なるほどそうだろうが、ラグビーの観客相手にスパゲッティの広告見せて、どうすんだ? ラグビーと日本酒って、なんだかミスマッチなんじゃね? 「キドカラー」って、なあに? 木戸さんが発明したの? うにゃにゃ。
冬が来た3
(冬がきた 3)

 YouTubeをいじったら、ついでに「2003年早稲田vs同志社戦」も見てみたまえ。大田尾のいた早稲田が最終的には38-33で辛勝するのだが、試合終了直前、同志社の迫力の連続攻撃には、受験生に限らず、若い諸君みんなに学んで欲しいものが詰まっている。さらに堀越&今泉の活躍で東芝を破った早稲田が、同志社の鬼気迫る執念の攻撃の前に大逆転で敗退する試合も見てみるといい。
 おお、まさに「敵ながらあっぱれ」の迫力。YouTubeで涙が止まらないのはクマ蔵だけであろうか。その同志社が、大学選手権に出てこない。「同志社、どうししゃったの?」である。もう1回繰り返す。「同志社、どうししゃったの?」だ。おお、面白いことを書きますな。オジサンって、シツコイものですな。あれれ、笑わない? 笑えない? どうししゃったの?

1E(Cd) Patti Austin:JUKEBOX DREAMS
2E(Cd) Richard Tee:THE BOTTOM LINE
3E(Cd) Isao Tomita:Shin Nihon Kikou
4E(Cd) Anastasia:SOUVENIR DE MOSCOW
5E(Cd) Nanae Mimura:UNIVERSE
total m92 y1733 d5832