Fri 101112 新丸ビル「リゴレット」で快気祝い 渋谷「ロゴスキー」でも快気祝い | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 101112 新丸ビル「リゴレット」で快気祝い 渋谷「ロゴスキー」でも快気祝い

 11月20日、船橋での久しぶりの講演会が終了した後、総武線快速電車を船橋のホームで20分も待った。ツイていないときは、どこまでもツイていないものである。それでもどうにかこうにか23時には東京駅前に戻って、新丸ビル内「リゴレット」にて、退院後何度目かの快気祝いになった。
 深夜の丸の内あたりで行くところに困ると、いつも「リゴレットにしちゃうか」という流れになる。昨年の夏あたりからいつもこうなのだが、それは別にこの店の料理が旨いからではない。イタリア料理なんだかスペイン料理なんだか、その折衷のハッキリしない中途半端な店ではあるが、とにかく朝4時までやっているのが取り柄。もちろん「朝4時まで」いたりはしないけれども、「何時まで座っていても大丈夫」という安心感は、23時過ぎに始まる宴会では非常に重要、必須条件といっていい。
新聞1
(新聞整理用の箱を占領したニャゴ姉さん 1)

 ナツメのベーコン巻き、ガンバス・アヒージョ、オリーブの盛り合わせその他、似たようなタパスをいくつも注文して、あとはひたすら野菜料理に集中する。おお、いまや今井君は野菜好き。レンコン、ジャガイモ、アスパラ、ピーマン、何でも食べる。もちろんトマトとニンジンは絶対に例外で、野菜のクセに真っ赤だなんてのは絶対に許せない。
 この店にくると決して外さないのが、山形のスパークリングワイン「嘉(よし)」。店のヒトに尋ねたら「まだ40本ぐらいワインセラーに残っているので、是非どんどん飲んでください」ということだった。おそらくうまく捌けなくて、開店以来約2年、倉庫で場所ばかり占領して厄介者になっているのだ。
 今井君は決してワイン通ではないから、ひたすら「日本経済に貢献するため」に国産ワインをたくさん飲む。おそらくこの店でも滅多に国産ワインを注文するヒトなんかいないのだ。うにゃにゃ、健康を回復したからには、どんどん飲んでやる、ワインセラーをカラッポにしてやる。邪魔者扱いなんかさせたら、ワインが可哀想だ。そういう間違った意気込みで、早くも肉体が膨張し始めるクマどんであった。
新聞2
(新聞整理用の箱を占領したニャゴ姉さん 2)

 あれから既に10日が経過する。快気祝いを何度も何度も繰り返すうちに、右眼の視力は次第に回復してきた。お医者様からみれば不謹慎きわまりない話なのだろうが、快気祝い1回につき視力0.1 ずつ上がっていくような実感があって、12月2日の検診では、ついに右眼の視力が1.0まで上昇してきた。
 恐るべし、21世紀の医学。恐るべし、日本の医療。「1週間♨ずっとうつぶせ寝」などというアナログな医療の助けも借りつつ、今井君の右眼はほぼ全面的に復活したのである。ほんの25日前、網膜が甘栗の渋皮のようにパリッと剥けて、右眼の中は砂嵐、おっきな16分音符が黒く白くヒラヒラ踊り、今井君の将来をコバカにするように舞っていたのだ。砂嵐さん、Sayonara。♬さん、Adios。不安も黒い影もビゾントラーターシュラ(これはハンガリー語。スペルが難しいのでカタカナにしておく)。
新聞3
(新聞整理用の箱を占領したニャゴ姉さん 3)

 片眼しか見えない20日間のストレスは、快気祝いの連続が追い払ってくれた。寿司屋、ウナギ屋、鍋物屋、ふぐ屋。ロシア料理屋などというものにも出かけた。ロシア料理は、10年前に間違って入った伊勢丹会館の「ペチカ」以来である。10年ぶりのロシア料理は渋谷の「ロゴスキー」。店先に並んだマトリョーシカが可愛い。マトリョーシカを大から小までズラリと勢揃いさせて1列につないだストラップも悪くない。若い諸君、もしも予算がないのなら、クリスマスプレゼントにはあれがいい。
 白状すれば、今回この店に入ったのは「間違い」というより「気の迷い」であって、快気祝いが連続し、「寿司は飽きた」「うなぎの連続はイヤだ」「鍋物はポン酢で口がピリピリするほどだ」と不平不満を並べているうちに、気がつくとロシア料理のメニューをめくっていたのである。
ロゴスキー
(渋谷のロシア料理「ロゴスキー」で)

 見回すと、客の年齢層は驚くほど高い、平均60歳ぐらいか。従業員の中にもそれに相当するオバサマがいらっしゃる。そういう年齢層のオバサマが、20代前半と思われるお姉さまたちと同じ制服で懸命に注文を受けている様子も、また愛嬌タップリで「可愛らしい」と言えば言えなくないこともなくもなくもない。そういうややこしい状況である。「何だ、昔のマルクス・ボーイとその彼女たちは、まだソ連とボルシチとピロシキに憧れて生きているんだ」と感動。
「いまも愛読書はショーロホフ『静かなドン』なのかな」
「夜は『どん底』か『ともしび』で熱唱するのかな」
「熱唱するのは、きっと『一週間』か『カリンカ』だろうな(さすがにMac君は「借りんか」と変換、押し売り銀行みたいな発想である)」
「カーリンカ、カリンカ、カリンカ、マヤ。庭にはイチゴの木マリンカマヤ、ハ、ハ、ハ、ハアアアア!!!」
おお、何とも楽しい快気祝いであった。

1E(Cd) Brian Bromberg:PORTRAIT OF JAKO
2E(Cd) George Duke:COOL
3E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
4E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
5E(Cd) Marc Antoine:MADRID
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