Sat 101009 新松戸講演会、大成功で台風を一蹴する 野沢那智死去のニュースに涙する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 101009 新松戸講演会、大成功で台風を一蹴する 野沢那智死去のニュースに涙する

 10月30日、衰えたりとは言え昨日までは「非常に強い台風」だった大物が首都圏を直撃する中、今井君も台風の中で奮闘する予定であって、午後1時には代々木上原を出て千葉県新松戸に向かう。新松戸では20年も昔3年間生活していた時代があって、「テラスエルム新松戸」での「雑草への洗剤散布事件」は授業中にも紹介している通りである(今井の「C組」、1学期の5回目か6回目だったと思う)。要するに、クマどんにとって新松戸は古巣であり、ほとんど地元といっていいのである。
 今日の講演会は父母対象。台風がまさに直撃状態の午後3時開始。終了5時。帰りに千代田線直通の常磐線各駅停車に乗ろうとすると、「この後の電車は運休になります」という、まさに切羽詰まった状況。元大物台風どんをギリギリのところでdodgeする感じの、スペインの闘牛みたいな危うい綱渡りで、19時、風雨の代々木上原に帰ってきた。
奮闘1
(台風の中の大奮闘 at 新松戸 1)

 明日の奈良講演会に備えて今夜中に大阪に入る計画でいたが、台風の動きが気象庁の予想より遥かに速く、半日も早く首都圏を襲ったので、結局大阪への移動は予定通り明日の朝になった。飛行機の予約を再び明朝に変更し、30日夜のホテルの予約もキャンセルした。予約していたのはヒルトン大阪。当日のキャンセルでも文句一つ言わないのは、素晴らしい、さすがヒルトンである。
 さて新松戸の講演会であるが、これが最高の大成功になった。まずスタッフに感謝。条件の決して良くない雑居ビルの狭い会場に、よくこれだけのご父母を集めてくれた。台風直撃の中で駆けつけてくれた、たくさんのご父母にも感謝。新松戸はもともと首都圏でも有数の教育熱心な地域であって、台風が直撃したって、その大物台風がヨレヨレなら(直撃時の気圧は980ミリバール。おっとヘクトパスカル)、予備校講師の講演にこぞって熱心に駆けつけてくれる。出席予定だった75名のうち、台風直撃だからと急遽欠席したヒトは1割に過ぎない。
奮闘2
(台風の中の大奮闘 at 新松戸 2)

 こんな悪天候の中、60名以上のご父母の出席を見て、今井君が奮い立たないはずがない。逆境に強い今井君の性質が思い切り前面に出た形である。60名強ではあっても、150人200人の出席があった時以上の盛り上がりになって、講演終了後の拍手の暖かさ&盛大さは、滅多な講演ではあり得ないほどのもの。延長を含め100分に及んだ講演は、最初から最後まで普段以上の爆笑に包まれ通しであった。
 今井君自身が大感動であったが、終了後サインを求めに控え室を訪ねてこられたご父母までいて、こういう大成功の前では、ヨレヨレ大物台風なんか、とっとと東の海上に抜けて温帯低気圧に変わってしまった。やーい&やーい、である。
終盤
(台風の中の大奮闘、最終盤。時計は4時50分を指している)

 控え室でいただいたケーキも旨かった。「所沢校と池袋校の控え室で食べたケーキが旨かった」という今年の夏のブログ記事をスタッフが読んでいて、「今井どんはジュレとフルーツのケーキが大好きらしい」と判断。激しい風雨の中、わざわざケーキ屋さんまで足を運んで買っておいてくれたのだ。講演前にそのケーキを2個ともペロリと平らげた。今回の大成功の裏には、実は写真に示すジュレとフルーツのケーキのおかげがあったのかもしれない。めでたし、めでたし。あんまり目出たいので、台風をモノともせず新松戸校舎で勉強していた高3生を中心に、10名強の生徒に「宇宙征服。」のサインを書いてきた。
ケーキ
(ジュレとフルーツのケーキが旨かった)

 さて、帰ってニュースを見ていたら「野沢那智、肺がんで死去」の知らせに驚かされた。このブログで野沢那智のことを書いたのは、たった5日前のこと。前橋講演会の直後、10月25日に更新した「Thu 100930 マエタカvsタカタカ」の記事の中である(出来れば参照してください)。5日前に思い出を書いた、その主人公の突然の死去のニュースを見るのは、いっそう悲しいものである。
 こういうのを「ムシの知らせ」と言うのかもしれない。もちろん、今井君は高校生から大学卒業に至るまで彼のラジオ深夜放送を聞いていた「いちリスナー」に過ぎないのであるから、「ムシの知らせ」などという言葉遣い自体がおこがましいのであるが、毎週2時間、5年以上聞き続けたのだ。ムシが知らせても決しておかしくないだろう。
 彼が大昔のパックインミュージックで朗読した「アホ列車」のハガキを、今井君は今でも記憶している。熱心なリスナーの1人が、内田百閒「阿房列車」の冒頭をそのまま借用して、自分の暢気な列車旅行の様子を書いたハガキであった。
 あれを記憶しているのは今井君だけかもしれない。大好きな内田百閒の冒頭部をそのまま借用したハガキを、おそらくそうと知っていながら、そうとは言わずにトボケた様子で朗読する野沢那智の暖かい声を思い出すと、思わず涙が浮かんでくる。というか、涙もろい今井どんは既に涙をシャツで拭っている始末であるが、まだ冷たい雨の降り続く音を聞きつつ、今夜は「阿房列車」のページをめくりながら過ごそうと思う。
野沢
(内田百閒「特別阿房列車」冒頭部、旺文社文庫より)