Sun 101003 羽田国際化の翌日に 成田⇔羽田新幹線がほしい 縮減/削減/もったいない | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 101003 羽田国際化の翌日に 成田⇔羽田新幹線がほしい 縮減/削減/もったいない

 先週末に羽田が再国際化して、たいへん御目出度い。しかし国際化したまさにその翌朝、華やいだ空気もまだ冷めないというのに、羽田に向かう京浜急行が早速「大幅な遅れ」をやらかした。それも京急線内で何かあったのなら話もわかるが、原因は都営地下鉄線内の信号機トラブルなのである。いつもと同様、平常時はあれほどうるさく車内放送を繰り返すクセに、いったん事故で電車が動かなくなると、放送もピタリと止まって車内は完全に静まり返ってしまった。
 いったいどんな状況なのか、一番知りたい時にかぎってホントに一切の情報が遮断される。今井どんが事故について知ったのは、羽田に向かう急行だか快速だかに乗り込んだ後である。品川駅のホームで遅れているとか止まっているとか言ってくれれば、京急には乗らずにモノレールに向かったのだが、品川駅では遅れの「お」の字もなければ、事故の「じ」の字もなかった。
地下鉄路線図
(プラハ地下鉄路線図。本文とは何の関係もありません)

 不承不承に走り始めた「急行だか快速だか」が妙にスピードを落とし始め、信号一つ一つで長時間停止する。その時はじめて、「京急線全線で遅れが見込まれる」という放送が入った。余程慌てたのか「増延」などという専門用語がたくさん出てくる。
 しかも、「これからどうなるか」の説明は全くなくて、「何故こういうことになったのか」の言い訳ばかりである。「本日、午前6時9分頃、都営地下鉄線内で発生いたしました信号機トラブルのため、京急線は大幅な遅れで運転いたしております」、その話しか放送に出てこない。「6時9分頃」「6時9分頃」「6時9分頃」ばかり延々と繰り返されるから、いつの間にか「6時9分頃」ばかりを妙に記憶してしまった。
 乗客が知りたいのは「6時9分頃何が起こったか」ではない。「これからどうなるか」「いったいいつごろ羽田に到着するか」である。「前方の各駅に電車が詰まっている状態で」という放送も入ったが、すでに9時、その6時9分からすでに3時間も経過して、この有様は理解の範囲外だ。
 乗客はみんなケータイを出して「すみません、間に合いそうにありません」「飛行機に乗れません、次の便なので2時間遅れます」「どうなっているのかわかりませんが、無理そうです」と、そろって緊張の面持ちである。ニコヤカ・ニュー今井は「めざせ、温厚&温和おじさま」を実践中であるから、ひたすら笑顔で耐えた。しかし、おお、ストレスが溜まることこの上ない。無用に相互乗り入れして、思いつきで鉄道を何でもかんでも結んじゃうから、無関係の遠い路線の事故で、こうやって全部止まってしまう。
地下鉄
(プラハ地下鉄。本文とは何の関係もありません)

 京急は、羽田に乗客を運ぶ大切な役割を担っていることを忘れてはならない。今までは国内線だけだったから、まあ何とか笑ってゴマかせたかもしれない。しかしこれからは国際線がどんどん飛ぶのだ。国際線の乗客にとって、「空港に何時に着くのか」はたいへん深刻な問題である。不安や心配が原因で白髪になったり抜け毛が増えたり、そうなったらどうしてくれるんだ♨。
 言葉がわからない外国人の乗客にとって「これからどうなるのか」は死活問題でさえある。平常時に不必要な英語放送なんか入れているヒマがあったら、緊急時にこそ英語放送を頻繁に入れて海外からの乗客を安心させなければ、羽田に乗り入れる資格なんかないのだ。京急は国際化に伴う責任感がまだ育っていない。
 ほんの1ヶ月前の今井どんなら、京急に対しておなじみ「キレキレ熱誠指導」を始めるところであったが、「おお、ボクは今や温厚温和なおじさまだ」と言い聞かせ、黙ってニコヤカに羽田空港駅に降りた。ただし、「羽田に向かう時、京急を利用するのは2度とゴメンだ」の決意は、たとえニコヤカ温厚おじさまでも同じである。遅れにはチャンと対処しないと、こういう乗客はどんどん増えていく。
地下鉄車内
(プラハ地下鉄車内。本文とは何の関係もありません)

 今井どんの世代は、成田空港開港に伴う流血事件を記憶している世代。長かった三里塚闘争も、開港直前の管制塔破壊事件も、みんなマブタに浮かぶほどだし、早稲田大学入学直後の英作文の授業の課題は「成田」だった。ニューヨーク市立大学留学から帰国したばかりの講師が、何だか面白そうに英語で話しながら「では、成田について今すぐ英語で小論文を書いてください」と無理な要求をして、クラスをパニックに陥れたものである。
 だからこそ、羽田国際化に携わるすべての企業には、寝ボケていてもらっては困るのだ。今や、成田羽田新幹線がほしい。成田⇔羽田⇔品川⇔東京という夢のようなルートで結んでほしい。成田と羽田は海底を掘って走ればいい。若い諸君は知らないかもしれないが、今井君が中学生の頃までは、「次に出来る新幹線は、東北新幹線、上越新幹線、成田新幹線の3路線」が子供たちの常識だったのである。
 今井君の古い記憶をたどれば、東京駅と成田空港の地下深くには建設しかけた成田新幹線の遺構が残っているはずだし、京葉線というものが走ることになったのも、作りかけた成田新幹線の地下道や駅を一部再利用したものだったはずである。何しろ大昔の記憶だから定かではないが、京葉線の越中島駅って、成田新幹線と直接的な関係があったように思うですけど。ま、ウィキペディアでも調べてみたまえ。
ムズテック
(プラハ地下鉄ムズテック駅。本文とは何の関係もありません)

 もちろん、何でもかんでも「削減」「縮減」「廃止」「もったいない」の時代である。「それがホントに必要なんですか?」「世界1位じゃなきゃダメなんですか?」「2位じゃダメなんですか?」という歴史に残る愚言妄言が、一時的にせよ拍手喝采される時代である。成田羽田新幹線なんか、あっという間に一蹴されて、まるで泥んこ遊びをママにとがめられた園児みたいに、しょんぼりするしかないのは分かっている。
 でも、「金メダルがホントに必要なんですか、銀メダルでもいいんじゃないですか?」と真顔で言われるスポーツ選手が成長するとは思えない。愚かな泥んこ遊びも、愚かしいオモチャも、愚かしい兄弟ゲンカも、みんな残らず縮減/削減/もったいないから廃止、そういう家庭は幸せになりにくいものである。

1E(Cd) George Benson:STANDING TOGETHER
2E(Cd) Chicago:CHICAGO
3E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
4E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Anne Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
total m19 y1587 d5686