Sat 100911 所沢の講演会へ キレキレ禁断症状 「今井宏だ!!」vs「今井先生ですか?」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100911 所沢の講演会へ キレキレ禁断症状 「今井宏だ!!」vs「今井先生ですか?」

 10月10日、15時から所沢で父母対象の講演会があり、代々木上原を12時半に出た。何しろ「あ、今井宏だ!!」のショック(Fri 100910参照)から抜けきれていないので、多少ビクビクしながらだったが、小田急線の電車に乗りこんでも、何だか周囲の乗客がみんな「ほら、今井宏だ」「なるほど、今井宏だ」「へえ、今井宏か」とうなずきあっているような、イヤな感じがしないこともない。
 もちろん、ホントにそう思うようになったら、それはホントに病気なのであって、高校生のころ読んだ河合隼雄や何かの岩波新書でも講談社現代新書でも、確かにそういう症例がたくさん紹介されていたはずである。だからもちろん冗談に過ぎないのであるが、何しろ「フルネームで驚かれる」「フルネームでビックリされる」という経験は、滅多なことで出来るものではない。電車の中で少しぐらい奇妙な感覚を味わうぐらい、許してもらっていいはずである。
揚げジャガイモ
(所沢講演会に現れた揚げジャガイモ)

 しかも、小田急線は「東北沢駅での信号機トラブルの影響」で止まってしまった。いったんトラブルになると、もう滅多なことでは動かない。毎日毎日どこかで電車のトラブルがあり、ほんの少しのトラブルで1日中電車の運行は正常化しない。何でもかんでも単なる思いつきで相互乗り入れにしてしまったせいで、どこかで何かのトラブルがあると、「何にも関係ないんじゃない?」と思うような路線まで影響を受けてストップして、もう意地でも動かない。
 まして、今日はお隣の東北沢でのトラブル。こりゃ、もうダメだ。何よりウンザリするのは、ストップしたとたんに情報が入らなくなることである。車内放送も駅構内の放送もピタッと止まって、車内は重苦しい静寂に包まれる。正常に運転している時には延々と喋りつづけるクセに、乗客として一番情報がほしい時に、情報はほぼ完全に遮断されるのである。
態度がデカイ
(態度がデカイ)

 普段なら、誰も駆け込み乗車なんかしていないのに「駆け込み乗車はおヤメください」と飽きるほど繰り返し、しかもご丁寧に「危ないですから」と理由まで言ってくれる。もっと丁寧な放送もあって、「正常運行の妨げにもなり」「思わぬケガをなさる可能性もありますから」、だから駆け込み乗車は「絶対におやめください」なのである。「今井宏」が考えるに、そういう丁寧な情報伝達は何かトラブルが起こった時にこそ必要なのであって、電車が止まった時こそ詳細な放送を心がけてもらいたい。
 もちろんその際重要なのは「これからどうなるか」であって「なぜこうなったか」ではない。もっとも苛立つのは、原因の詳細な説明ばかりが延々と続く放送である。「えー、ただいま…線は運転を見合わせております。えー、本日、…時…分ごろ、えー、…駅付近におきまして、えー、お客様が、えー、線路内に立ち入られました関係で、運転を見合わせております」の類い。乗客としては原因なんかどうでもいいので、知りたいのは「いつ動き出すのか」と「どんな別ルートが最も有利か」だけである。
どれ今日も
(どれ、今日も配線いじりしますか)

 というわけで小田急線は30分遅れ。その間もほとんど情報はない。「千代田線をご利用ください」のアナウンスに従って、乗客は向かいのホームに入線してくる千代田線にいったん乗り換えた。しかしその千代田線も「しばらくお待ちください」だけしか言ってくれない。そのうちに構内放送で「まもなく小田急線は運転再開です」ということになり、みんな流れるように小田急線に戻った。ところが車内放送で「しばらくお待ちください」を聞くうちに、向こうの千代田線はサッサと発車してしまう。一方の小田急線は「まもなく発車します」と言ったきり、全然発車する気配もない。
 こうして乗客は右往左往するばかりである。5分経過して「区間準急ですが、新宿まで各駅停車で運転します」という一方的通告があり、やっとのろのろ動き出した電車は次の駅でも次の駅でも長々と停車して、ホントに不承不承にしか進まない。参宮橋の駅では5分も停車していたが、何の説明もなしである。
 1週間前に「キレキレ禁止」と「温厚おじさん宣言」をしたばかりだからたいへん大人しくニコニコしていたけれども、「これが1週間前だったら」と思うと自分でも身震いするほど恐ろしい。1週間前に「禁煙」を誓った愛煙家が、そろそろケムリを吸いたくて吸いたくて両手がブルブルし始めているのと、ちょうど同じことである。
キレそうだ
(猫のキレキレ禁断症状)

 もっとも、こうしてキレキレ禁断症状が起きそうになっているとき、神様は絶好の癒しを与えてくれるのであって、西武新宿線のホームで出会った「今井先生ですか?」がそれである。「今井宏だ!!」ではなくて「今井先生ですか?」ならまさに大歓迎で、この日は結局合計3回も「今井先生ですか?」に出会うことになった。
 小田急の遅れのせいで、所沢の講演会に間に合うためには、どうしても西武新宿線の本川越行き特急「小江戸」号に乗らなければならなくなった。大汗かいて(昨日は昼ごろ雨が上がって、急激に気温が上昇していた)JR新宿駅からはるばる西武新宿駅まで歩き、特急のドアの前で玉の汗を拭っていると、向こうからやってきた大学生女子2名のうちの一人が、驚いたように突然立ち止まった。おお、「今井先生ですか?」である。
 「授業、受けてました」「授業、大好きでした」「すっごい、ウケてました」「写真、撮っていいですか」である。ちょうど通りかかった駅員さんにお願いして、彼女のケータイで写真を撮ってもらった。優しくて丁寧な駅員さんで、「念のためにもう1枚、いきまーす」「これでいいかどうか、確認してください」と極めてニコヤカに対応してくれたのである。こういう明るくて優しい人々に出会うと、キレキレ禁断症状などというものは一度にどこかに消えてしまう。おお、諸君。「今井宏だ!!」ではなくて「今井先生ですか?」をどんどん、遠慮なくやってくれたまえ。

1E(Rc) Solti & Chicago:BRUCKNER/SYMPHONY No.6
2E(Rc) Muti & Philadelphia:PROKOFIEV/ROMEO AND JULIET
3E(Cd) Midori & Mcdonald:ELGAR & FRANCK VIOLIN SONATAS
6D(DMv) THE DUCHESS
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