Wed 100825 雷鳴と大雨で冷え込む ぜんそくと赤本ショック対処法 プラハの犬と猫 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 100825 雷鳴と大雨で冷え込む ぜんそくと赤本ショック対処法 プラハの犬と猫

 9月23日午前10時、代々木上原では激しい雷鳴が3回轟いて、大粒の雨がたたきつけるように降り始めた。どうやらこれで夏はようやく終わりそうである。昨日も一昨日も35℃近くまで気温が上がって、8月末に何回か書いた「空気が焦げ臭い」状態が復活していたのであるが、これで一息つける。
 暑いとドロドロに融けるタイプだから、今年の夏は(ロンドンとバルセロナに合計25日も逃げていたとはいえ)息をひそめてやり過ごすには余りにも苦しい夏だった。3日前の「中秋の名月」はこの数年の記憶にないぐらい明るくて美しかったから、蒸し暑さの中で大汗をかきながら見上げる有り様だったのが、いかにも残念だった。
プラハ猫1
(プラハの猫 1)

 ただし、大雨の中で急速に気温が下がりはじめたのは、大昔ぜんそくに悩まされた今井どんとしては少し心配である。午後1時から吉祥寺のスタジオで収録があり、豪雨と強風の中トボトボ傘をさして出かけたのだが、「吐く息が白くなるんじゃないか」と思うほどの冷え込みようである。その後も「暖房がほしい」と思わず考えるぐらいで、しばらく切っていたトイレの「あったか便座」のスイッチも3か月ぶりに入れた。
プラハ犬1
(プラハの犬 1)

 ぜんそくの発作が始まるのは、こうして突然冷え込んだ日の夕方、特に調子に乗って夕食をたくさん食べてしまい、膨れた胃が気管支を下から圧迫するような夜が多い。たとえお医者が「そんなことはありません」と言っても、長年ぜんそくで悩まされてきたオジサンが言うのだ、この感覚に間違いはない。特に受験生諸君でぜんそくをもつヒトは、大切な時期でもあり、ぜんそくの発作には十分気をつけてほしい。
プラハ猫2
(プラハの猫 2)

 「赤本を初めてやってみて呆然&愕然&慄然とする」というのも、この時期のぜんそくの発作同様、四季の風物詩のようなものである。「基礎・基礎・基礎」という合言葉のモト、ここまでひたすら基礎力の充実だけに集中してきたヒトが、「9月末だから、そろそろ」という希薄な理由しかないのに、いきなりホンモノの入試問題に体当たりして、相手が甘い顔をしてくれるはずはないのである。
プラハ犬2
(プラハの犬 2)

 毎日シコとテッポウだけに集中して基礎をカンペキに磨いても、だからといっていきなり白鵬にチャレンジすれば、無残に裏返しにされるだけである。いくら毎日バッティングセンターに通ったとしても、岩隈やマー君や藤川のボールをマトモに打ち返せるわけがないのと同じことである。
 だから、「白鵬に裏返しにされた」「3球三振、かすりさえしなかった」という経験を、「4割しかとれなかった」「玉砕した」というマイナス面ばかり強調するのではなく、だからこそ「なぜ玉砕したのか」「玉砕しないためにどういう努力が必要なのか」を熟考し、残った4か月半に向けて一気に舵を切るというのが正しい姿勢である。
プラハ猫3
(プラハの猫 3)

 「時間を計って解いてみる」などというのが既に勘違いも甚だしいので、赤本は出来れば時間無制限でじっくり腰を据えて解き、3時間でも4時間でもかけていいから、辞書も引きまくって、自分で納得の行くまで考え抜いて、マルつけはその後にすべきである。マルつけのあとは、赤本の解答解説と格闘して、「ホントに自分が間違っているのか」「実は赤本の解答のほうが間違っているのではないか」を徹底的に追求する。どうしても納得の行かない問題については、出版社に質問のハガキを書く。そのぐらい戦闘的にやれば、たった5年分かそこいらの入試問題との格闘だけで、十分な合格力がつく。教師や講師や先輩たちが「赤本をやれ」とアドバイスする時に忘れているのは、そういう戦闘的な姿勢の格闘の必要性を説くことである。
プラハ犬3
(プラハの犬 3)

 「時間を計らないでいいんですか?」「だって試験本番では制限時間がありますよ」「時間配分も考えたほうがいいんじゃないですか?」などの指摘は、カンタンに言ってしまえば「時間無制限の粘り強い戦いはシンドイから、出来ればしたくない」という弱腰な姿勢の裏返しに過ぎない。
プラハ猫4"
(プラハの猫 4)

 「弱腰」という言葉については、日本外交のハナシとして明日詳しく述べたいと思うが、「アラームが鳴ったら、それで終わりにしたい」「いつまで続くかわからない戦闘はキツいから、出来れば逃げていたい」という弱々しい精神の持ち主が逃げ込むのが「制限時間」。キンコンカンコンとチャイムがなれば「はーい、戦闘は終わりでーす」と言ってもらえる戦いと、「時間無制限で戦いつづけなさい」という戦いを比較して、どっちがキツいか考えればわかる。自分を鍛えるためには、時間無制限の悪戦苦闘に自ら飛びこんでみるのが最も有効なので、赤本との時間無制限の戦闘こそが、4か月半で合格力をつける最も確実な方法なのである。
プラハ猫5
(プラハの猫 5)

 さて、プラハであるが、この街を歩いていて気づくのは「犬好き」と「猫好き」がどれほど多いかということである。モルダウ河を渡るカレル橋の上でも、佳境に入っているクリスマスマーケットでも、大小さまざまな犬を自慢げに連れて歩いているヒトをいくらでも見かける。犬の方でもいかにも嬉しげ&自慢気であって、「へん、ボクは散歩中なんだぜ」と言いたげな足つきも顔つきも、完全に人間の仲間の域に入っている。
プラハ犬4
(コッソリ犬だけの写真を撮っていたら)

プラハ犬5
(家族全員の写真を撮ることになった)

 猫が街中をうろついていることはないが、要するにそれは「捨てネコというものは存在しない」という証明であって、イコール「ネコは家の中でヌクヌク冬を楽しんでいる」というマコトに素晴らしい話なのである。その代わり、ネコのオブジェがいくらでも店先に並んで観光客にニヤニヤ笑いかけている。
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(プラハの猫 6)

 今井君などはナデシコとニャゴロワのおかげですっかりネコ仲間になっているから、普段なら土産物屋なんかには見向きもしない性格なのに、ショウウィンドウにネコのオブジェをみるたびに「おっ、ネコだ」「おっ、ニャゴだ」「おっ、ナデだ」と小さく叫んでは立ち止まることになる。12月24日、旧市街広場からモルダウ河にかかるカレル橋に向かう途中で発見したのがボヘミアンガラスの店「Blue」。プラハ空港その他にも支店網のある有名店だが、ここで2匹のガラス製ネコを発見。プラハ滞在2日目にして、土産物屋ギライのクマどんは早くも2匹のネコオブジェを購入するハメになった。