Sat 100807 硬直化してはならない 昔の今井君の硬直と、今の臨機応変 高円寺講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100807 硬直化してはならない 昔の今井君の硬直と、今の臨機応変 高円寺講演会

 (スミマセン、完全に昨日の続きです)早稲田や慶応の超長文を相手に一文一文構文解説をし、一語一語トリビアを並べたあげく長文読解問題1問の解説に90分授業3コマかけてもまだ終わらない、それはみんな不幸である。「TIMEを材料に読解演習します」とパンフレットに宣伝し、東大早慶志望者を中心に上級者たちで教室は満員。しかし50分授業で進むのはせいぜいで10行、やっているのはひたすら構文解説、というのも10年ほど昔に実際にあった話である。
 こうなると不幸もすでに極致。現代文でも同じことで、「記号読解は万能だ」ということを訴えようと、詩や文学作品を材料に記号読解の授業を展開すれば、これはもう噴飯ものに近い。生徒たちが「メンドイ」「崩壊している」と感じたのは、そういう瞬間であった。
ジャマはしないでほしい
(ジャマはしないでくれたまえ)

 逆もまた真実なので、下線部とその周辺を和訳していればしっかり合格できる地方国公立大学の受験生を相手に「速読だ」「速読だ」と連呼するのは明らかに間違いである。受験生は悠然と1行1行和訳しながら丁寧に読むだけで苦もなく合格できるのだから、そのことを勇気をもって言ってあげればいい。
 かく言う今井君も、もう大昔のことになるが、「パラグラフリーディング主義」になって、その参考書を3冊も書き、3冊合計で10万部も売って、まさに「意気揚々」という時代があった。「主義のせいで硬直化」の愚に陥っていたわけである。かえすがえすも愚かな時代だったと後悔するものがあるが、あの頃は、熊本大学であろうが新潟大学であろうが、とにかく相手がなんであろうとパラグラフリーディング以外考えられないほど硬直化していた。しかも、それが実にうまく機能していたのだから恐ろしい。
 「相手に応じて臨機応変に戦う」などというのは、今さらこんなにしみじみ語らなければならないほど新しい教訓ではない。もしかしたら、すでに孫子の時代から常識であり、古代メソポタミアの時代から常識であり、ネアンデルタールの常識ですらあっただろう。しかし、人間とは愚かなもので、「個性が大事だ」「個性がない教師は魅力がない」「アイツの授業は毒にもクスリにもならない」と指摘された瞬間、カッとなって「主義」をもち「派」に入り「閥」を形成し、結局10年後に赤面するハメになる。大いに自戒してしかるべきである。
ふてくされることもある
(ふてくされることもある)

 7月16日、金沢から北陸線→ほくほく線→越後湯沢→上越新幹線を経由して、ついに東京の高円寺に戻った。「どっちが上だか下だかわからない(昨日の記事参照)」という夏風邪クマどんの、四苦八苦のあげくの帰還であった。
 高円寺講演会、19時開始、21時終了。高1高2を中心におとなしめの生徒が100名集まった。この高円寺が7月の講演会ラッシュの締めくくりになったが、早慶を目指す受験生が多いということになれば、再び今井どんのトーンはWed 100804のものに戻る。もちろんどちらの場合でもトリビア・タイプになることはないし、重箱の隅をつついて「オマエは全然わかっていない」と罵ることもしない。そういうのだけは、講師の側としてもどうしても勘弁してほしいのである。
 高円寺ではつい半年前に公開授業をしたことがあって、その時も書いたかもしれないが、高円寺あたりの中央線沿線はかつて予備校のメッカの一つであった。「中央ゼミナール」「荻窪予備校」みたいな超老舗が軒を並べ、下町の匂いのする商店街も、昭和の時代の予備校生向き。下駄履きにウチワの、絵に描いたような貧乏学生が溢れた街である。
 しかし今日の高円寺に集まった受験生諸君は、一目見てすっかり様変わりしている。杉並の高級住宅地に住む、見るからに優秀な高校生たちであって、昭和の匂いも「田舎から出てきたばっかなんだけんどもお」という「懐かしい停車場の響き」もない。高1高2中心ということもあって大いに若々しく、昔の予備校によくいた「医学部目指して3浪め」「東大目指して4浪め」のヌシ達は、もうすっかり遠い存在になってしまった。「中央ゼミナール」は辛うじて駅南口に残っているらしいが、要するに時代が変わったということである。
よく眠る
(転がったまま眠ることもある)

 さて、こうして夏の講演会の記録はすべて終了である。気がつけば、とっくに9月に入っていて、すでに今井君のモトには、秋から冬にかけての講演会依頼が続々と入ってきている。9月には広島、10月には南浦和、渋谷、新潟県高田、また広島、稲毛海岸、八王子、新松戸、奈良。11月には松戸、水戸、静岡、国立、船橋。12月には岐阜、赤羽、北習志野。全部で17校舎である。
 他に下北沢と綾瀬からも依頼をもらったのだが、どうしても今井君の都合がつかなかった。この2校舎にはホントに申し訳ないが、2月3月でも依頼があれば、下北沢と綾瀬を最優先にしておジャマしたいので、よろしくお願いしたい。また、12月中旬までの今井君の予定はまだまだwideにopenなので、これからでも講演の依頼があればいくらでもお受けする。遠慮なくどんどん依頼してほしい。学園祭でもOK。どんな講演でも、今井君は決して失敗することはない。

1E(Cd) Barenboim & Berliner:LISZT/DANTE SYMPHONY・DANTE SONATA
2E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
3E(Cd) Chailly & RSO Berlin:ORFF/CARMINA BURANA
4E(Cd) Pickett & New London Consort:CARMINA BURANA vol.2
5E(Cd) Menuhin & Bath Festival:HÄNDEL/WASSERMUSIK
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