Sun 100711 ポカリスエット はみだしYOUとPIA全盛期 早乙女愛と中村祐造が死去 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 100711 ポカリスエット はみだしYOUとPIA全盛期 早乙女愛と中村祐造が死去

 7月15日、福井から金沢に戻るころには、風邪の症状が一気に悪化していた。朝のうち、大阪から金沢への移動の段階ではまだ「風邪かもしれない」「いや、単なる疲労の蓄積かもしれない」ぐらいの軽い気持ちだったのだが、「どうも、相当重い風邪をひいた」「医者に行かなければならないかも」のレベルに上がった。英語なら「It's official」と諦め顔で天を仰ぐ場面である。
 風邪には睡眠が一番よいことになっていて、今井君はそれに「+とにかく水分派」である。「風邪かな」と思うが早いか、まずポカリスエット2リットルを飲みほし、厚めの布団にもぐってひたすら汗を流す。その時のポカリスエットは冷えていない常温状態がベスト。冷蔵庫でギンギンに冷やしたポカリを2リットル一気飲みするなどというのは明らかに暴挙であって、「風邪+水下痢」という地獄絵図状態を招きかねない。
福井会場
(福井会場の講師控え室。各国首脳が通訳を従えて激論をかわす国際会議場のような、常軌を逸した豪華な控え室である。漆塗りのテーブルは1枚板、このテーブルだけで1000万円はするのではないか。照明は全て柔らかな間接照明。壁も漆塗り、絨毯も毛足の長い豪華なもので、うにゃにゃ、今井君のような下品なヒトが出入りするような場所とは思えなかった)

 今井君がこの世に生まれてから、すでに言語道断に長い時間が経過しているから、「生きた歴史」「生きた昭和史」をもって自ら任じて構わない域に到達している。ポカリスエットというものについて、発売直後どれほどクソミソに言われていたか、今となっては今井君のような「歴史の証人」あるいは「昭和の語り部」でないかぎり、知る者はわずかである。
 「スイカジュースに塩」というのがそのクソミソの定番で、ポカリ好きな今井君が無邪気にニコニコしながらポカリを飲んでいる姿を遠巻きにしながら、友人たちは「そんなスイカジュースに塩みたいなものをダマされて飲んで、バカじゃないか」と笑ったものである。
ポカリ
(30年前の雑誌の中に発見したポカリスエットの広告。何なんだ、「女に負けるな」ってのは)

 そういう悪評の火元は、当時やはり日の出の勢いだった「ぴあ」欄外の「はみだしYOUとPIA」であった。その「ぴあ」も、関西版が廃刊になるのだというから、時代の変遷はますます早くなって、超短足のクマどんがいくら懸命に走っても追いつけるものではない。
 「ぴあ」が「シティロード」「アングル」などのシティ情報誌とともに隆盛を迎え、月刊から隔週刊に変身し、隔週金曜日刊行だから「隔金(かっきん)ぴあ」と呼ばれた頃、東京の大学生の金曜夜のお楽しみの定番は「はみだし」。下宿の部屋で一人、または友人たちと「樹氷」とか「トライアングル」とか安い焼酎を飲みながら、「ぴあ」の「はみだし」を読んで笑い転げるのが習慣になっていた。
YMO
(30年前の広告「一家に一枚、YMO」)

 一昨年の夏、新宿の京王デパートで開催されていた「古書市」で、30年前の雑誌を見つけた。この古書市は毎年毎年ネコを主題に据えたポスターが可愛くて、ネコにつられて出かけてみるのであるが、保存状態のいい雑誌や、記念切手類の品揃えも豊富で1日いても飽きることはない。
 一昨年購入した雑誌で、ポカリスエットの広告写真の横に早乙女愛のグラビアを発見。映画「愛と誠」に主演した直後である。この映画1本のために全国で大規模なオーディションが行われ、シンデレラガールとして選ばれたのが映画中の役名をそのまま芸名にした早乙女愛。2010年7月、今井君が激しい夏風邪に苦しんでいる間に、51歳の若さでひっそりと亡くなった。ご冥福をお祈りしたい。
カーステレオ
(当時の若者の憧れ、カーステレオ「オズマ」の広告)

 同じ日の新聞にバレーボールの中村祐造の死亡も伝えられていた。おお。ミュンヘンオリンピック金メダルの立役者である。「猫田があげる!! 大古が打つ!!!」で有名な1972年ミュンヘン金メダル。1976年モントリオールの人気者がコマネチなら、ミュンヘンはコルブトが大人気で、女子体操は「コルブトにもっと点を」と要求する観客の盛んな足踏みに彩られた。
 横田・大古・一人時間差の森田・セッター猫田、キャラクター豊富なスター選手が目白押しで金メダル確実といわれた日本チームも、準決勝のブルガリア戦で大苦戦。2セットを連取され、3セット目もリードされて絶体絶命のピンチ。その場面で日本は、東京オリンピック銅メダルの大ベテラン、南と中村を投入。この奇策が見事にあたって、そこから日本は3セットを連取。決勝の東ドイツも撃破して金メダルを獲得する。
 「国民に勇気を与えたい」とか「みんなに元気を与えたい」とか、恥ずかしいことを平気で口にする21世紀の日本選手たちにはなかなか見られない、気迫あふれる逆転劇。それを演じてみせたのが中村祐造であった。冥福を祈りたい。

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3E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBELIUS/SYMPHONIES 3/4
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