Wed 100602 丸2日更新を怠け、失礼しました。講演会で奈良に出かけておりました。 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 100602 丸2日更新を怠け、失礼しました。講演会で奈良に出かけておりました。

 こうして、いよいよゲッレールト温泉に乗り込むことになった。12月21日、この夜だけ温泉ホテルに1泊して、のんびり温泉を満喫しようという計画である。ドナウ河を左岸から右岸に徒歩で渡って、橋のたもとから市電19番または41番に乗れば、ゲッレールト温泉の真ん前に着く。走る市電の右側は王宮の丘で、王宮の丘に沿って「ラーツ温泉」「ルダーシュ温泉」などが立ち並び、ブダペスト人の温泉好きがよくわかる。
 ウワバミどんが止まるホテル・ゲッレールトは4つ星ホテルで、ニクソン・ルームなどという由緒正しいものもある。今ここでニクソンといえばリチャード・ニクソンであって、他はありえない。「SEX AND THE CITY」の4人の主役のうちの1人で、ハーバード大学出身の弁護士ミランダを演じているのも、なるほどニクソンではあるが、彼女はCynthia Nixon。シンシアとリチャードでは、もちろん全く無関係である。
ゲッレールト温泉
(ブダペスト・ゲッレールト温泉、ホテル・ゲッレールト)

 Cynthiaのほうは、すでに名脇役と言っていい。映画「アマデウス」では、モーツァルトの宿敵サリエリがモーツァルトの自宅に送り込んで内情を探らせる小間使い役を好演。同じく映画「ペリカン文書」では大学の法学部生で、ジュリア・ロバーツの親友役をこれまた好演している。ただ、キューカニちゃん(旧カニ蔵/改メ)としては、SATCの彼女はキライである。彼女の真骨頂は「事態の重大さに怯え、全身で震えている脇役」であって、余裕タップリの中年エリートがニタニタ笑っている状況には向かないように思うのである。
 一方のリチャードは、アメリカ合衆国の元大統領なんだから、間違いなく主役中の主役である。「脇役を演じて真骨頂」という役者もいれば、逆に「主役の座に座った瞬間に崩壊が始まる」というヒトもいる。リチャード・ニクソンとはそのタイプの大統領で、ケネディ当選時に、20世紀最大のスター・ケネディとホントに僅差のライバルだったヒトである。「史上最高の大統領になる」と期待されていたのに、その椅子を獲得したその瞬間から、「最悪の大統領への道」を何故か着実にたどり続けたのである。
ニクソン
(ホテル・ゲッレールト、ニクソンが宿泊したニクソンルーム)

 ブダペストのゲッレールト温泉は、そのニクソン大統領も宿泊して温泉を楽しんだという名門である。歴代大統領の中で、おそらく最もスキャンダルにまみれ、最も激しい批判と非難の対象になり、ブッシュ・ジュニアと並んで最も人気が低く、自らの人生に最も大きな落胆を抱えながら去ったヒトの1人である。
 時代のせいもあれば、彼自身のせいももちろんある。しかし、東西冷戦の真っただ中、かつ批判と非難とスキャンダルの真っただ中に、ハンガリーの温泉を訪れた大統領の心中を思うと、やはり物悲しい思いにならざるを得ない。今井君は、カニ蔵の座を奪われてキューカニちゃんに名を改めても、相変わらずそういうヒトへの愛惜の念で一杯である。彼の宿泊を記念したNIXON ROOMの前で、涙が滲むのを抑えきれないのだ。
部屋からの眺め1
(ホテル・ゲッレールト客室からのドナウ河「自由橋」夕景)

 鳩山どんだって同じである。最後の1ヶ月の言われ放題はヒドすぎる。チャンとチームワークを組んで彼を支えるはずの閣僚までも、キツイ批判の矛先を鳩どんに向けた。サブとして同じ責任を痛感しているべき菅直人どんなんか、鳩ちゃんが辞任するや否や、ヨダレを垂らさんばかりのダラしない表情で、首相の椅子をムシリとった。フルーツバスケットに興ずる小学生でもないかぎり、あんなに慌てて意地汚く椅子取りをしたりはしない。おそらく辞任するよりずっと前から、サブのくせに虎視眈々とあの椅子を狙っていたのだ。
 鳩くんが首相の座を追われた後の国会中継を、キューカニちゃんは鳩どんの今後の人生を思いながら悲しい思いで見続けた。どうですか、あの緑色の顔は。あの落胆の表情は。落胆が大きすぎて口を閉じることすら忘れ、自分の半年の業績と努力を全く評価してくれない新首相の演説を聞き入る彼の顔色は。
夜のゲッレールト
(夜のホテル・ゲッレールト)

 新首相の演説には「サブとして失政の責任を共有」などというマトモな人間の姿勢は全く見られない。それどころか、鳩どん政権の失政への皮肉や揶揄が随所に滲み出る。キューカニの目には、むしろ「してやったり」ぐらいの表情に見えるのである。
「いくらなんでもその言い方はないだろ?」
「じゃあお前には責任は全くないのか?」
由紀夫どんは、そう立ち上がって叫びだしたい気持ちを、どれほど努力して抑え込んだことか。悔しさは察するに余りある。諸君、口を開けたまま、右下方に視線を落とした元首相ユッキーオの、重い落胆に沈んだ緑色の顔を、もう1度思いやりをこめて思い起こすべきである。
 失政の共同責任にホオカムリをして、椅子とりゲーム並みの貪婪さで昇格してみせた居眠り総理を支持するのか。キャミソール&脱税大臣を「責任なし」と放置する内閣を支持するのか。キューカニは、そんなの絶対にイヤである。
部屋からの眺め2
(ホテル・ゲッレールト客室からのドナウ河「自由橋」夜景)

 ナニナニ、「消費税は、自民党案を参考に10%程度に」だ? うにゃにゃ。何でそんなに無責任でいられるのにゃ? ナオトどん、キミはつい半年前、副総理として「消費税論議は4年間しない」と宣言していた人だ。まさか知らんぷりはしないはず。「二酸化炭素25%」の鳩どん流国際公約を、陰で支えていた人だ。その責任を世界に示さなければいけないはず。日本人はゴマかせても、世界は納得してくれない。
 仙谷どんだって、余りにヒドい。「ムダを省いても、あと2兆円ぐらいしか出ない」って、キミは半年前に「ムダを省けば財源は20兆円ある」と断言していた国家戦略大臣だったよん。ヤバい仕事はキャミ大臣に押しつけて、いきなり「ムダだと言ったのはノンキだった頃。実際やってみたらムダは予定の10分の1だったよん」で済まされることだと思ってもらっては困る。クマどんは、ウワバミどんは、キューカニちゃんは、怒りで両手の震えが止まりません。