Wed 100512 慶応大学の「素振り1000本」 早大・税所君のバングラデシュでの活躍 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 100512 慶応大学の「素振り1000本」 早大・税所君のバングラデシュでの活躍

 生臭い政治の世界のことを書けば、クマどんでもいつの間にか「週刊現代」や「週刊ポスト」みたいな書き方になって、自分ながらたいへんお恥ずかしい。書いた12時間後には「こりゃダメだ」と書いた通りの展開になって、普通のオヤジなら「ホレ見ろ、オレの言った通りだろ」と大威張りするところだが、正直言ってひとりぼっちの首相が可哀想なだけである。「聞く耳もたない」と彼に酷評された国民の一人として、忸怩たる思いがある。
 一昨日はせっかく神宮球場まで出かけて、早稲田大学や慶応大学の学部生諸君と初夏の1日を過ごし、一般内野席で熱心なOBの皆様に混じって4年ぶりの早慶戦を楽しんだのだ。ブログに絶望的な政治状況について書こうなどとせずに、早慶戦の感動を書き記すべきだったのである。
 一昨日の写真の中で書いたように、早慶戦は選手の集中力でも応援席の学生たちのエネルギーでも、完全に慶応の勝ち。早稲田OBとしては脱帽せざるを得なかった。特に、ご自身がプロ選手だった江藤新監督の指導が見事だった。「どこまでも基本が大切。基礎徹底こそが、早稲田のスター選手たちに対抗する唯一の方法論」というのは、今井どんの専門分野である大学受験にあまりにも直接的につながる話で、大いに救われた思いがした。
 斉藤・福井・大石などプロ注目の逸材を揃えた早稲田大学投手陣に対抗するために、江藤監督が指示した打撃練習が「素振り」。「いまさらそんな基礎的なこと?」と首を傾げる選手たちに、1日1000本の素振りを課し、選手は「へえ、プロでも素振りをやるんだ」と半信半疑で素振りを続けた。1000本の素振りを半年継続した選手たちの迫力は、神宮で実際に間近に見ていた観客にしかわからない。応援席に座っていてさえ「とても抑えられそうにない」「2ストライクまでは行っても、最後は打たれそうだ」としか思えなかった。
ケイオー
(慶応大学野球部の「素振り徹底」について伝える6月1日付の朝日新聞スポーツ欄)

 斉藤祐樹ほどのピッチャーが、なぜ全くストライクを投げられなくなったか。同じように甲子園優勝投手の福井も、150kmの速球投手大石も、次々と四球で自滅していったのは何故か。じかに見ていた人にしかわからないのは、1番から9番まで途切れることのない慶応のバッターの恐るべき迫力に、早稲田のエリート選手たちが明らかに気おされていたということである。彼らの実感として「コワくてストライクが投げられない」「逃げ出したい」状態だったのだ。
松濤
(リスボンから帰って1週間が経過。相変わらずポルトガル料理が大好き。これは渋谷区松濤「マヌエル コジーニャ・ポルトゲーゼ」。大好きな緑ワイン「カザル・ガルシア」もあった)

 一昨日は、試合終了直前から急激に気温が下がって、黒雲が西のほうから神宮球場を覆った。閉会式を見たあと、いったん神宮球場から赤坂サカスのポルトガル料理屋「ヴィラモウラ」に移動。焼いたイワシと焼いたイカと山盛りのオリーブをつつきながら、ポルトガルのヴィーニャ・ベルデ(緑ワイン)1本を30分でカラにして、それで一応の残念会を済ませた。
 一息入れて、タクシーで早稲田大学に移動。敗戦後の早稲田大学がどんな様子か、それを見に行くことにした。赤坂サカスから乗ったタクシーのドライバーが「実は息子が今日神宮に早慶戦を応援に出かけましてね」「早稲田が負けて、残念でした」と言う。うーん、偶然というのはなかなか素晴らしいものである。
にわとり
(上の看板にもあるポルトガル名物「バルセロスの雄鶏」。ポルトの市民市場にて購入。「もし私が無実なら、私の処刑の瞬間に、焼かれた雄鶏が雄叫びをあげるだろう」という無実の巡礼者の予言通り、食卓の雄鶏が生き返ってコケコッコと鳴いたというのである)

 ところが、早稲田は平然としている。20年も昔なら「早慶戦で負けた」というショックが大学全体を揺るがしていたものだ。もっとも、今井君が学生の頃は投手が北口・三谷・向田の黄金時代。打つほうは岡田と金森がクリーンアップで、「負けるほうが変」という時代である。何度も優勝パレードに加わった。素晴らしい思い出である。
 21世紀になってからも、何年前だったか、早稲田祭で講演をした直後に優勝パレードに巻き込まれたことがある。ピッチャーが和田毅と越智、野手が青木と鳥谷と武内と田中浩、細山田はまだ新入生だったか、いっそうの黄金時代である。2番手投手だった清水が、記念会堂前での優勝挨拶で「オレも先発で投げたかった」と本音を吐露したのが新鮮で、その正直さに大喝采が起こったりした。
 いつでも早慶戦の日は、大隈通りもグランド坂も、紙吹雪とたくさんの小旗と「都の西北」と「紺碧の空」で満たされ、たとえ負けて帰っても大隈講堂前は朝まで大騒ぎというのが常だったはず。今井君にとって2010年5月31日の敗戦は、敗戦自体よりも「この静けさはいったい何なんだ!?」という衝撃のほうが大きかった。
 しかし、そういう今井君の預かり知らぬところで、早稲田は今日も燃えていたのである。6月1日付の朝日新聞東京版(東京本社版・第25面)には、早稲田大学教育学部3年・税所(さいしょ)君のバングラデシュでの活躍が報じられている。グラミン銀行での彼の活躍はすでに有名だが、今回の記事では税所君がバングラデシュで始めた「インターネット経由の予備校」が取り上げられている。
税
(早大生・税所くんのバングラデシュでの活躍を伝える6月1日朝日新聞東京版)

 つまり、東進と同じ形式でバングラデシュに予備校を作り、それがバングラデシュの国民の喝采を受け、「革命的」とさえ絶賛されているというのである。確か東進・西新井校の生徒だったと思う。今井の「C組」や「B組」を受講して、今井に手紙でその感動を伝えてくれたことがある。3年前の日曜日、今井が北千住で講演会の時に、仲間たちと3人でわざわざ北千住校まで話をしに訪れたこともあった。
 その彼が、こうしてどんどん活躍しているのを見ると、涙もろい今井君はもう朝から様子がおかしくなってしまうのだった。いかにも朝日新聞らしく「講師のいない配信タイプの予備校」には相変わらず言葉の端々に批判が混じるし、「貧しい村」「貧しい子供たち」「格差」などに強いこだわりをもった記事になっているが、とにかく彼が感動的に大活躍していることには間違いないだろう。
 後輩の受験生諸君は、とにかく今は力をためること。それは「素振り1000本」であり、「半年でボールペン30本をカラに」である。そして来春の合格後は、もう遠慮しないこと。活躍しながら同時に力をため、飛躍的に力を充実させられる年齢にすでに達しているのである。

1E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 1/2
2E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 2/2
3E(Cd) Furtwängler & Vienna:BEETHOVEN/SYMPHONY No.7
6D(DMv) BEE SEASON
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