Mon 100426 また、家政婦は見た(6) ダイアモンドに匹敵する人財と、ボールペン | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 100426 また、家政婦は見た(6) ダイアモンドに匹敵する人財と、ボールペン

 ホントにスミマセンねえ。長々と1週間も続いてきた家政婦の愚痴は、今日で終わりにします。最初こわごわ書きはじめてみましたところ、ずいぶんと世間の評判がよろしかったもので、ついつい長話をしすぎました。自分で疲れてしまいましたよ。
 で、昨日予告したクマオヤジの意味不明な演説を、ちょっとかいつまんで書いてみますと、次のような感じでございます。ま、これも愚痴ですね。酔っ払いの愚痴じゃ、家政婦の愚痴ほど理屈が通っていないのは当たり前。でも、とにかく古い友達ですから、せっかく1週間続いたシリーズの最後に付け加えてあげたいわけですよ。
「若い諸君、そろそろシオドキだ。マジメに働こうではないか。文句ばっかり言っていて済む時代は終わった。あれもイヤだ、これもイヤだ、消費税増税反対、消費税廃止、消費税議論はすべて拒絶、『経済的豊かさより、心の豊かさが大切だ』、学力テスト反対、受験競争反対、早起きもイヤ、上司との飲み会もイヤ、シューカツもイヤ、ゼミの論文もイヤ。『楽しみたい』『やりたいことがみつからない』『やりたいことさがしの旅にでたい』『頑張らずに生きていきたい』。おお。なんという頑固さだ」
 「そんなワガママばっかり言っていられる時代はすぎた。もう貸してあげるお金なんか、どこにも残っていない。世界2位の時代は過ぎた。has come and goneだ。おお、さがれ、さがれ。ずがたかーい、無礼者。ひかえおろー。このおカタを何と心得る。おそれおおくも、英語サマであらせられるぞ」
 「社会人だって、同じことだ。のんきに『ノート術』『手帳術』『ツイッター仕事術』『iPhoneフル活用』、その程度のことで『年収2000万円稼ぎたい』。興味のあるのは『つぶやき』とゲームだけ。毎日グリーにモバゲーで遊んでいたい。頑張るのはイヤ、自分らしい贅沢でいい、『焼き肉って、メチャメチャ自由じゃん?』、『あまーいキャベツと、プリップリのエビのハーモニー』、「ふわっふわの大革命やあ」。やっぱり、そんなワガママばっかり言っていられた時代はすぎた。has come and goneなんじゃ。ええい、ひかえおろー、じゃ」
 「ここで踏ん張ってツルハシふって、ハンマーふって、ものづくりも金融も証券も、みんな歩いて歩いて足で稼いで、楽しく笑おうではないか。自分の頑張りに自分でポイント制度を作るのもいいねえ。諸君、いよいよ1円玉貯金の出番じゃのお。うにゃ、安い日本酒がぶ飲みし過ぎたかね。がお。げぷ」
吠える
(力いっぱい、吠えてみる)

 あらまあ、クマさん。そんな安いお酒をがぶ飲みするから、とんでもないウワバミの暴言になるんですよ。ま、賛成したいような部分もありますけどね。「理想的な家政婦って何だろう」とか言ってるヒマに、せっせと廊下の雑巾掛けでもしたほうが、ずっと早く理想の家政婦になれますしね。ブツブツ悩んでいるヒマに、トイレをピカピカにしたほうがどれほど幸せか、わかりゃしない。
 「ホントに旨い朝食って、何だろう」「心を豊かにする日本一の朝食って、何だろう」「世界一の朝食って何なのか、それを探しに自分探しの旅に出たい」とか、そういうのは、ただの逃げですね。とりあえず、納豆に海苔にタマゴ焼きに梅干し、味噌汁に温かいゴハン、きびきび働いて、必要なものを元気よくテーブルに並べて、楽しく食べていただければ、それが世界一の朝食ですよ。要するに、周囲の大人が面倒な注釈をつけすぎて、若いヒトたちが素直に一歩一歩進むことが出来なくなっちゃったんですね。
つかれる
(吠えるのに、ふと疲れを覚える)

 もう5年も昔、ムーディーズさんだったか、S&Pさんだったか、「日本なんか、アフリカのボツワナよりも格付けは下だ」と断言なさって。わたくしは、最初よく理解できなかったんですが、どうもボツワナにはダイヤモンドとか金とか、そういうものがたくさん埋蔵されているらしいと聞いて、「ああ、なるほど!!」とヒザをたたいたものでございます。ダイヤモンドがたくさん埋まっていて、地面を掘ればそういう結構なものがどんどん出てくると言うなら、確かに日本なんかよりずっと格付けは上。むしろ今までどうして日本が上になっていたのかが不思議なほどでございます。
 で、このお屋敷でもそうですが、日本がまた元のように「世界で2番目」にこだわらないにしても、少なくとも「ボツワナより上」になるためには、どんなことが必要か。もともと地面の下にダイヤモンドが仕込まれていないのですから、まあ、だれでも考えそうなことですが、若いヒトたちにダイヤモンドになっていただくしかありません。「ヒトが資源だ」という結論になるしかありませんね。
 それで、やっとのことでボールペンが登場するわけです。ホントに地味な提案で申し訳ないんですが、まあ家政婦の申し上げることです、あまりに下らなくてひっくり返りそうになっても、どうか勘弁していただきたいのですが、若いヒトをダイヤモンドみたいな貴重な資源にする一番の材料が、ボールペンでございます。
 家政婦には雑巾とフライパン、若い人にはボールペン。書いて書いて書きまくって、どんどん勉強なさいませ。「ホントの学力って何だろう」みたいなことでいちいち悩んでないで、わたくしが雑巾掛けで廊下もリビングも全部ピカピカにするのと同じように、ボールペンで書いて書いて書きまくって力をつければ、とにかく気持ちのいいものでございますよ。わたくしは雑巾1枚1週間でボロボロにいたしますが、ボッチャマもオジョーサマも、1週間でボールペン1本カラにするぐらい勉強してごらんになりませんか。
でも
(でも、何度でも吠えたいと思う)

 これから1年かけて、ボールペン50本カラにして、50本のボールペンのカラを輪ゴムで束ねて、それをオマモリにしてごらんなさい。大学受験などというものなら、それで志望校を1ランクも2ランクも上げられるものでございますよ。「ホントの学力って何なんだ」とか、そんな面倒なことを自問自答しすぎて気分を悪くしなくても、ボールペン50本カラッポにした段階で、ホントの学力が何なのか、しっかり理解できてますよ。
 そういうのは、雑巾50枚ボロボロにした段階で、理想の廊下や理想のリビングや理想のキッチンが出来るのと同じこと。誰にでも出来る簡単なことを、怠けず毎日どんどんこなすのが、どんなことでも王道だということですね。おや、わたくしもついつい盛り上がって、ホントのことを話しすぎましたかね。クマさん、いかがですか。
 おや、クマさんはグッスリ寝てしまいました。でもね、そうやってボールペン50本を1年でカラにするような地道な努力を10年継続して、まあそれでボツワナのダイヤモンド1個に匹敵するような人材になれるんだというのは、年老いた大事な母親の忠告だと思って、大切にしていただきたいですね。実はクマどんが酔っ払って眠ったフリしているのも、わたくしがあんまりホントのことを言うものだから、恥ずかしくなって照れ隠ししてるんですよ。
 人材と書かずに「人財」と書くヒトも増えているようですが、要約すれば以上のようなことですね。心の修業みたいなことも含めて、語学でも数学でもビジネスでも、ボッチャマやオジョーサマが選んだ何か一つのことで10年、こういう努力を続けてくだされば、肩たたき券の返済も含めて、このお屋敷の復活は遠いことではないんですがね。
 500万人の若いヒトたちが、全部ボツワナのダイヤモンドになれたら、何と500万個ですよ。「なに、オレらをもの扱いにするのか? そんなの失笑だ」ですか? スミマセン、あくまで例え話でございます。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10
3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10
4E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 1/5
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