Thu 100422 家政婦は見た(2) 前のダンナと今のダンナ バルザックならどう言うか | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 100422 家政婦は見た(2) 前のダンナと今のダンナ バルザックならどう言うか

 はい、はい、そうでございますよ、「昨日のつづき」でございます。ホントに申し訳ございませんねえ。昨日の記事からお読みにならないと、何のことやらサッパリわかりません。もっとホントのことを言えば、1週間前の記事からずっと読み返さないと、あんまりよくわからないかもしれませんねえ。文章を読むのが苦手な方は、このブログはキツイでしょうね。ホントにスミマセン。
 さて、昨日のつづきでございます。前のダンナサマはもともと婿入りなさったカタでございますから、ダンナサマご自身のオカネというものをお持ちでない。贅沢はお好きでも、その贅沢に必要なオカネは、みんなオクサマからの借金なのでございますよ。もちろんオクサマだって、借金証文もなしにジャブジャブお貸しになれるわけじゃありませんから、前のダンナサマは「肩たたき券(Mon 100419参照)」という変な証文をお出しになるようになりました。連発というか、乱発でございますね。
 「この券をだせば、いつでも肩をたたいてあげるから」「利息もチャンとつくよん」というわけで「今年は40兆円貸してくれ」「今年はあれとあれもほしいから50兆円だ」。そのうち後ろめたくなったのか「しばらくは30兆円以内に留めるように緊縮財政の努力をする」とか、いかにも調子のいいことを言って、とうとう去年春、あの我慢強いオクサマも「もう肩たたき券が800兆回分溜まってしまったのよ」とわたくしなんかにおこぼしになりましたねえ。
考え事1
(考えこむ)

「もう我慢できないから、ホントに800兆回とりもどそうかしら」
「もうすぐ世界で2番目でもなくなるのに、うちのヒトはサッパリ改心する様子が見られない。どうしたらいいものかしら」
とおっしゃるんですが、コッソリ立ち聞きしたところでは、前のダンナサマは
「800兆回も肩をたたけって? そんな要求はミゾーユーだ」
とかわけのわからないことをおっしゃって、口の端を異常に持ち上げるばかりなんでございます。
 ミゾーユーって、もちろん何かの言い間違いですよね。もちろん、そんな言い間違いなんか誰にでもあることで、例えばわたくしだって昨日「オタゲー」と書いたところ「バーカ、オタゲーじゃなくてヲタゲーだろ?」という声が早速寄せられたぐらいでございます。いちいち言い間違いなんかガミガミ言ってたら、それこそキリがないんで、問題なのはその後の態度でございますよ。いやはや、前のダンナサマは態度が悪くてすっかり嫌われてしまいましたね。
「そんな無理なこと言われたら、ボク死んじゃう。肩たたき800兆回して、それでボクが死んじゃったら、もうこの邸宅は崩壊だ。年金も払えなくなる。財政も破綻する。景気対策は、まだ道半ば。政権は渡さない」
って、ますます口をひん曲げるだけでございますからね。それで去年の夏、とうとうオクサマは完全に愛想尽かしをして、離婚に踏み切ったわけでございます。
考え事2
(まだ、考えこむ)

 「一度新しいダンナに任せてみたらどうだ?」って、無責任なマスコミの方々に焚きつけられたこともありましたかねえ。「投票用紙で武装して、革命を起こそう」とか、ずいぶん恥ずかしいことを平気でおっしゃるマスコミ関係者もいらっしゃいました。
 わたくしは、反対だったんでございます。文句ばかり言うのはお上手でも、文句を言っていればいいだけの立場と、泥臭く這いずり回って実行する立場とは、全くの別物でございます。掃除だって洗濯だって同じことでございますよ。でも家政婦の分際で反対なんかしても、だれも取り上げてくれませんからね。
 それでオクサマもすっかり慌てておしまいになって、今度の新しいダンナサマになるカタが、キレイな絵空事ばっかり箇条書きに書きまくった「マニフェスト」でございますか? 出来ないことを出来ると言い張って、「この思いを、実現に向けて、取り組んでいこうじゃありませんかー、みなさん」とか、そう言って乗り込んでこられて。
考え事3
(うにゃ、考えこむ)

 ただでさえ火の車だったお宅は、あれから1年でもうメチャメチャでございます。お隣の皆さんには笑われるし、ずっとお味方でいてくださった海の向こうの世界一のお宅にも「おろかなダンナだ」「同盟関係は崩壊した」「ホントに出来るの?」とか、家政婦としてこれ以上このお宅で働くのもイヤになるような、そういう言われようで。
 わたくしみたいなものでも、小説ぐらいはよく読むんですよ。バルザックさんでございますか? お宅の古い大きな本棚のスミでホコリだらけになっていた「谷間のゆり」という小説を1冊拝借して、お風呂でちょっとばかりめくってみましたところ、バルザックさんはこんなことを言ってますよ。200年近く昔の、フランス革命直後に活躍された方でございますがね。
「一番してはいけないのは、約束の乱発だ。そして平俗と熱誠だ。熱誠と約束の乱発は、平俗にスリよってみせることと同様に、尊敬と信用を最も失いやすい。」
どうも、もともとはタレーランという外交官のカタの言葉からの借用らしいんですが。「平俗」は、マンガばかり読んで一部のヒトに人気の高かった前のダンナサマにピッタリ。「約束の乱発」は、今のダンナサマそのもの。何だか噴き出してしまいますねえ。
考え事4
(うにゃにゃ、考え.com)

 「思い」と「努力」ばかりで結果がちっとも伴わないなんて、家政婦としても全然ダメですね。拭いても拭いても汚いお皿、洗っても洗っても汚れたお風呂、掃いても掃いてもホコリだらけの玄関、そんなんじゃ、家政婦なら即刻クビでございます。そのぐらいのことは、マキャベリさんとかおっしゃるカタが400年も昔に詳しく書いたそうでございますが、「財源なんかナンボでもある」といって、結局その財源が見つからなかったら、やっぱりダメじゃないですか。バルザックさんなら、どうおっしゃいますですかねえ。

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 1/10
2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 2/10
5D(DMv) KING ARTHUR
8D(DMv) A BEAUTIFUL MIND
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