Fri 100416 新宿で元生徒との遭遇 秋田ブーム 日本破綻が怖くて首をすくめるウワバミ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 100416 新宿で元生徒との遭遇 秋田ブーム 日本破綻が怖くて首をすくめるウワバミ

 今日もまた何人かの元生徒と出会った。今日の遭遇場所は新宿高島屋の近辺である。高島屋はウワバミどんの言わば地元であって、おっきな紀伊国屋書店もあるし、海外旅行用品で足りないものがあれば東急ハンズで補うことになっている。HMVやベスト電器もあって便利だったのだが、世の中の栄枯盛衰は容赦のないもので、いつのまにかユニクロとユザワヤにかわってしまい、ユニクロのせいで先週から大混雑である。
 その大混雑の中でも最も大混雑なのは、なかなかこないエレベーター。5分も待ってやっと乗れたエレベーターの中で遭遇したのが、元生徒カップルである。大学を卒業するかしないかぐらいのカップルで、そのうち女子のほうがすぐにウワバミどんに気づき、怪訝な顔の男子に向かってヒソヒソ大騒ぎしている。「ヒソヒソ大騒ぎ」というのも変な話だが、エレベーターの中ではどうしてもヒソヒソになるし、思いがけないところでウワバミどんと遭遇すれば大騒ぎもしたくなるはずだから、まあ仕方がない。
 話しかけてくれればいいのだが、恥ずかしいのか話しかけてこない。そのくせガンミだけはなかなか激しいガンミである。エレベーターに同乗した30人ぐらいのヒト全員にシッカリ聞こえるヒソヒソ話が延々と続く、たいへん困った状況になった。「衛星放送で講義しているチョー有名な先生で」「チョー、ファンで」「チョー、面白くて」と女子がタタミ込めば、最初カノジョのハシャギぶりに怪訝そうだった男子のほうも「どこのヒト?」「東進?」「代ゼミ?」「写真とってもらえばいいじゃん」「サインしてもらえばいいじゃん」と、どんどん突っ込んでいく。
 こういう時に限って、高島屋のエレベーターは各駅停車になる。降りるヒト、乗り込むヒト、ベビーカー、ムクれている幼児、おじさんおばさん、みんな「ヒゲのウワバミ」という異様な短足の生物を眺めて「ほお、有名な先生ねえ」「ほお」「ふーん」とこれもまた不思議そうである。やっとのことでエレベーターを降りて視線から解放されるまで、約3分。混雑した祝日の高島屋なんか、来るべきではなかった。
段ボール
(後方の段ボールは本人損傷)

 高島屋を出て、新宿駅のほうに向かっていると、南口の駅正面で再び「先生ですか?」と遭遇。今度は男子1名、チャンと声をかけてくれたので、ひと安心である。宮城県の仙台一高を卒業して、今春から明治大学に通っているという。明治で軽音楽系のサークルに入ったと言うのだが、彼はなかなかの好青年。「早稲田オチで」という明治大学生独特のテレから入ったけれども、駅前での2~3分の立ち話は楽しかった。さっきのカップルもこんなふうに気軽に話しかけてくれたらよかったのだ。
ナメクジ1
(忍法なめくじ 1)

 さて、おうちのトイレで新聞のテレビ番組表を眺めていたら、TBSで放送している韓流ドラマ「IRIS」の2回目でついに秋田が登場することを発見。ゴールデンタイムに外国製ドラマを買ってきて放映するTBSの無節操さ加減には愛想を尽かすしかないが、じゃあ「ルーキーズ」「水戸黄門」と比べて「どっちがいい?」と聞かれたら、選択は難しい。今井君なんかは、自社製のコンテンツを研ぎすます努力を放棄すべきではない、どんなに困っても、放送コンテンツ面で安易に外国製品を輸入してゴマかすべきではない、ウワバミ本能的にそう感じるのである。
なめくじ2
(忍法なめくじ 2)

 でも、まあ秋田が登場する。韓国内では、このドラマのおかげで「秋田に行ってみたい」という旅行熱が沸騰したのだそうだ。横手、かまくら、乳頭温泉、そういう秋田ツアーが激増して、廃止も検討されていたソウル–秋田の飛行機は今や乗客が倍増しているという。たいへん、おめでたい。ホントに長い間、何にもいいことがなかった秋田県に、次のような「明るい兆し3羽ガラス」がやってきた。
(1)IRISで韓国に突如として秋田ブームが湧き上がったこと。
(2)秋田高校の学力が復活したらしいこと(Wed 100324参照)
(3)国際教養大学(秋田市)の人気が急上昇、少なくとも予備校の偏差値ランキングでは東京大学に迫る勢いであること。
 おお、どれもこれもみんな下らないことなのかもしれない。ネットの世界では、こんなのそれこそ失笑/冷笑/嘲笑/憫笑かもしれない。しかし、それでも県民として嬉しいんだから、仕方がないじゃないか。そのぐらい長い間、秋田県民にはいいニュースが欠乏していたのだ。
きりどろ
(きりたんぽドロップス)

 うむ、この2~3日、だいぶたくさんさえずってきた。毎日毎日こんなに長くてはとてもさえずりともつぶやきとも呼べそうにないが、しかしまだ、もう1つさえずっておきたいことがある。それは「どうも日本の財政破綻は免れないことらしい」という話である。いいニュースのなかった秋田に降って湧いた「明るい兆し3羽ガラス」を冷笑/失笑するのはカンタン。しかし冷笑/失笑しているその鼻先で、「日本の破綻も近いですよ」と隣国の人々が嘲笑/憫笑しているのもまた事実である。
 今井君は経済とか財政とかの知識もないし、その辺のことはまるっきりパーなので、難しいことはよくわからない。しかし財政赤字1000兆円超えがハッキリすぐそこに見えてきているのだから、「こんな借金だらけじゃ、いずれ破綻するよね」と恐怖におののく気持ちは、家計の比喩で考えればどんどん大きくなる。税収40兆円の国で借金が1000兆円なら、破綻しないほうが不思議である。
 今井君は子供のころ、親が「うちは貧乏だ」と連呼する家庭で育ったから、こういうことにはたいへん鼻がきく。父は、国鉄職員。労働組合との交渉現場に立つ中間管理職である。昭和50年代前半、激烈なストライキを繰り返す労働組合を相手に、徒手空拳、上司の支援もなく、家庭の中も日々「父はいつクビになってもおかしくない」という危機感が常に充満していた。だから今井君は、接近する危機にはたいへん敏感なのである。では、その鼻のきくウワバミどんがいま何を感じ、何を訴えかけたいのか。それは明日の記事でタップリ詳しくさえずろうと思う。

1E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.6
2E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.7
3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.8
6D(DMv) KILLING ME SOFTLY
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