Thu 100401 4月17日朝、雪が積もった 「大逆転」の手紙が届いて快哉を叫ぶ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 100401 4月17日朝、雪が積もった 「大逆転」の手紙が届いて快哉を叫ぶ

 この時期になって(書いている時点で4月17日であるが)、桜が散った後の東京で雪が積もる。同じように、この時期になって昨年の生徒から嬉しい知らせが舞い込むこともある。
 3月上旬に「センターで大失敗して、私大もダメで、完全に絶望だ。大逆転などありえそうにない」「英語の教師になるのが夢だったのに、志望した大学に進めない」という残念な手紙が来ていた。どう返事していいか見当もつかない絶望的な内容で、講演会連続で帰宅さえママならない忙しさにもかまけて、なかなか返事が書けなかった。やっと返事を書いたのが4月5日。ところが一昨日そのヒトからまた手紙が来て「実は『大逆転』が実現した。愛知教育大学に合格した、ありがとうございました」というのである。
 世の中は「東大だ」「医学部だ」の大合唱で、それ以外の大学には新聞もテレビも見向きもしない。予備校でさえ「東大…名」「医学部…名」ばかり誇らしげに広告して、難関大学以外の受験生なんか存在しないみたいなご様子。「合格体験記」を掲載してもらえるのも、東大合格者と医学部合格者ばかりである。
 しかし、最後まで粘り強く大逆転を信じて、こうやって現役で見事に第一志望の愛知教育大学に合格してみせるヒトだってたくさんいるのだ。3月に読んだ手紙があまりに絶望的だっただけに、迷いに迷ったあげくやっと書いた返事に、そのまた返事を受けとって、「実は大逆転が実現した」という報告を読んだ時には思わず涙がにじみ、半地下の自室でコブシを突き上げて快哉を叫んだ。今井君は涙もろいのである。
見せ方1
(見せ方!)

 しつこいようだが、3月21日の土気でもやっぱり快哉を叫んだ。悪天候の中のパンパンパンは特に嬉しいものである。悪天候なら、参加予定者のドタキャンが増えるのが普通。別に正直に「天気が悪いから行きたくない」と告白しなければならないわけではないのだ。入場料とか聴講料を払った講演会でもなし、「風邪をひいた」「体調が優れない」「おばあちゃんの具合が悪い」「法事がある」その他、突然出席を思いとどまる言い訳は「よりどりみどり」である。
 特に3月21日、春のお彼岸の真っただ中であれば、「法事」は最も便利な口実になる。「おまえ、またオバアサン(オジイサン)が病気なのか?」とか、そういう怪しまれかたをする可能性は低い。「法事です」は言わばオールマイティ。もちろん会社に就職した後で余り頻繁に「法事です」「法事です」を乱発すれば問題も発生するだろうが、高校生対象の講演会で「春のお彼岸」なら、「法事大量発生」という事態、法事のせいで会場はガラガラという事態は、講師にとっては春期講習以上に「ガラガラの恐怖」を呼びおこすものである。
見せ方2
(見せ方! 拡大図)

 「ガラガラ」に対する予備校講師がみる悪夢についてはMon 081229の記事で詳細に書いた。いまでもそういう悪夢を見ることがあるのだから、バカなヤツである。ついさっきは高校の期末試験で追いつめられる夢をみて目が覚めた。今井君は「誰が見ても文系」のクセに、どういうわけか高3のときは理系クラス。クラスのほとんどが医学部志望で、数Ⅲの積分だの、有機化学だの、微分積分しか使わない物理だの、今井君にとって目の前の受験とは全く無関係のそういう科目で、せっぱつまった12月になってもまだ悩まされていた。第1志望が東大文Ⅰなんだから、まさに悪夢としかいいようがなかった。
 今朝の悪夢は、期末テストの前日である。明日のテストは最悪なことに「物理/化学/世界史」。高校の授業が13時まであって、自分の予定では授業終了後すぐに帰宅して、14時から19時まで物理、19時から24時まで化学、24時から2時まで世界史。5時間あればせめて教科書ぐらいは一通り読めるし、一通り読めば50点か60点ぐらいはとれるだろうが、とにかくこの2ヶ月ぐらい高校の授業さえマトモに受けていなかったのである。おお、憂鬱きわまりない。大学受験がすぐそこなのに、「何でこんなことやってなきゃいけないんだ?」である。
雪の予感
(雪の予感)

 そういう不安の中で1時間目の物理の授業が始まるのだが、何故か登場した先生はかつて駿台物理科主任だった坂間先生である。しかも駿台のアインシュタインと呼ばれていた彼が話しはじめたのは「男子はどうあるべきか」。変なゲストが登場して「韓国の男性がどれほど優れていて、日本人の男子なんか全然ダメで、日本の女子は韓国人男性と結婚するのが理想的である」ということについて面白おかしく語り、教室は笑いの渦。
 やがて今井君はスックと立ち上がって、敢然と反論を展開するのであるが、どうもうまくいかない。「おかしいねえ、いつもならこんなはずじゃないんだが」と焦りはじめたところで目が覚めた。朝6時。屋根にうっすら雪が積もっていた。そういう4月17日であった。

1E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 2/6
2E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 3/6
3E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 4/6
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