Sat 100327 オシム・勝つ日本(文芸春秋) 今井君もそろそろ起きて本を書きはじめたい | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100327 オシム・勝つ日本(文芸春秋) 今井君もそろそろ起きて本を書きはじめたい

 新聞を眺めていたら、学部の教養ゼミでいっしょだった田村修一氏の新刊の広告が出ていた。「オシム 勝つ日本」(文芸春秋)である。いくら「教養ゼミ」とは言っても、政経学部なのにドイツ文学やヨーロッパ中世をあつかうというのだから大胆なゼミだったが、やはり卒業生は多士済々である。出身者には、みすず書房編集局長だの、朝日出版編集者だの、およそ「政治経済学部」という枠からは想像しがたいような人々がウヨウヨしている。
 田村修一氏もそのひとりで、経済学専攻で修士課程までチャンと修了しているのに、話す話題は現代フランス哲学とサッカーばかりである。トルシエ元日本代表監督の信頼が篤くて、トルシエが気を許して語り合える唯一の日本人が、この田村修一氏なのだそうである。文芸春秋の雑誌NUMBERでトルシエやオシムの特集記事があれば、その号の主筆は田村氏。6年前だったか、アテネオリンピックの直前に同じ文芸春秋から「山本昌邦 勝って泣く」を出したが、誠に残念なことに山本昌邦率いる日本チームが惨敗したので、「勝って泣く」も何もなくなってしまった。
 今回はオシム氏との50時間にも及ぶインタビューを材料に「もしオシムが病魔に倒れなかったら日本チームがどのぐらい強力になっていたか」を語る本である。スポーツにタラレバを持ち込むことにいろいろ批判もあるだろうが、オシムの教え方なり戦略なり戦術なりをもう1度日本チームに持ち込むべきだという提言と考えれば、大いに意義のある新刊と言っていい。
阿波おどり1
(ナデシコの阿波おどり 1)

 このブログでは「迷惑がかかるといけないから、知人友人のことは書かない」「書くとしてもあくまで仮名匿名で書く」という主義を貫いているが、すでにサッカーの世界では有名人になっているヒトの著書である。無力ながらここに紹介して、ぜひベストセラーになることを祈るものである。
 さて、ゼミ同窓生の活躍に感心しているばかりではウワバミ将軍らしくない。「将軍は、今年は何にも書かないの?」という質問の声もチラホラ聞こえてくる。2009年は7冊書く予定だったのに、実際には3冊で終わってしまった。本来なら若い諸君に勤勉さのお手本でも示さなければならないはずが、7冊と言っておいて3冊で終わったのでは誠にみっともないところをお見せして、正直申し訳なかった。2010年はそれを取り戻してしかるべきである。
阿波踊り2
(ナデシコの阿波おどり 2)

 ところが、今のところ何にも書く予定がないのである。昨年「今井の英文法教室(上・下)」に全力を尽くしすぎて、疲れきってしまったというか、脱力してしまったというか、「もうしばらく休んでいたい」というのが本音である。ちょうど昨年の今ごろ、参考書の原稿部分を全部書き終えて快哉を叫んだ。5月からは毎日近くのコーヒーショップのテーブルを占領して「板書部分」の執筆に没頭した。おお、懐かしい日々である。
 文法書というのは、間違いを一つでも犯してはならない。間違いが一つでも指摘されれば、それでその文法書の存在価値はなくなってしまう。そのプレッシャーが余りにも大きくて、校正に校正を重ねるうち、書店に並んだのは結局9月下旬。実際の執筆開始から1年半もプレッシャーの真っただ中にいて、ウワバミ将軍みたいにマジメなヒトの精神は、すでに疲労の極にあった。
もう少しねているか
(もう少し、このまま寝ていたい)

 しかし、そろそろ立ち直って、再び執筆にかかるべき時である。昨日の記事の中で「冬眠から覚めて行動に移るのはいつ頃にしようかな。長い冬眠だったけれども、いつまでも冬眠していたら次の冬が来てしまう」と書いたのは、実はそういうことだったのであって、天気予報で水戸や小田原に雪マークがついて「ウワバミ君、春はまだまだですよ」と教えてくれたのは、決心しかけたクマどんにとってあまり嬉しいことではなかった。
 張り切って朝早くから頑張ろうとベッドを出た。トイレに行って、目覚まし時計を見たら、まだ朝4時、外もまだ暗い。常識的にまだ1時間半はベッドに入っているべきである。その時、「まだゆっくり寝ていられる」とダラしなくニッコリするか、「あーあ、起きたかったのにな」とガッカリするか、まあそれはそのヒト次第である。そういう瞬間に、学部のゼミ同窓生が大出版社から出した新刊書の広告を見るのは、気持ちいいものである。やっぱりウワバミどんももう起きて、新しい本の原稿を書きはじめたいと思う。
そろそろ起きて始めるか
(やっぱり、きっぱり起きたほうが気持ちよさそうだ)

 ただし、「そろそろ学習参考書は卒業かな」という気持ちがあるのもまた確かである。本来なら「文法書は決定版を出したのだから、次は長文読解の本かねえ」と考えるのが常識的だが、クマどんとしてはどうしても10年前の「パラグラフリーディング」が決定版。別に学習参考書のつもりもなく、ごく一般的な読書論として書いたあの3冊シリーズ以上のものはなかなか書けそうにない。ならば「他に何を?」ということになるが、まだ頭の中がモジモジして、「これ」という答えが出ないのである。

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